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プロローグ【少女】

八尺様と呼ばれていたものはまさかの幼馴染の少女だった。

柊哉は困惑している。それもそのはず、命を狙っているはずの八尺様が自身の目の前にいるからだ。しかもそれが、小さい頃からの友達だったからだ。


「ねぇ、何があったの?」


何も知らない母が寝巻きに着替えて風呂場から出てきた。階段を登るとすぐに柊哉とその少女を見つけた。


「あなた、昔柊哉と遊んでた…!」

「!?玉実、知ってるのか!?」


祖父は驚いた。それもそうだ。昔から八尺様と面識があるなんて今までにないからだ。


「柊哉くんのお母さま?」

「そうよ。覚えてる?」

「ちょっとまて、話をまとめろ。」


このページになってからの会話が何ひとつとして理解できていない祖父のためにみんなは一回に降りて話をまとめた。


「わしから話させろ。」

「まずはこいつは八尺様だ。それは間違いないな?」


少女を指差して、京平とアイコンタクトをして言った


「ええ、そうです。権蔵さん。」

「で、その八尺様の幼馴染の様な関係性なのが…」

「柊哉です。」

「なるほど…」


信じられないことだがこれが現実。祖父は受け入れるしかないのだ。


「そういえば、君、名前は何て言うの?」


勾一が尋ねた。そう言えば知らない。柊哉もそう思った。


「うーん…わかんないなぁ…」


少女は困りながら答えた。そんなことあるか?と思うだろうが、そんなことがあるのだ。


「八尺様という怪異である以上は名前がないのも仕方がないですね。」

「そうだのう…でも呼びづらいだろ?名前がないと」

「なら、柊哉が付ければいいんじゃない?」


母がとんでもない提案をしてきた。八尺瓊柊哉は名前をつけるのが苦手なのだ。


「え?俺が?」

「そうよそうよ。いいじゃない!」

「え?ちょっと待てよ」

「私に名前つけてくれる?」


少女が上目遣いで話しかけるものだから柊哉にとっても断るわけにはいかなくなってしまった。


「うーん…そうだなぁ…八尺様…」

「"しゃくちゃん"でどう?」

…………………


反応が悪い。当たり前である。八尺様の"尺"をとって "しゃくちゃん"なんて、人間だから"にんちゃん"と呼ぶ様なものだ。


「………もうちょっと他の名前とかないのか…?」


ついに勾一が口を挟んだ。そこに少女も口を挟む。


「私はしゃくちゃんがいいな。」

「だって、柊哉が付けてくれた名前だから…」


どうやら少女はこれで良いらしい。愛ゆえに認識が歪んでいるのではないかと思うのは野暮だろう。本人が良ければいいのだ。


「じゃあ名前も決まったことだし。」

「柊哉としゃくちゃん。これからどうする?」

「なにがだよ」


主語のない問いかけに柊哉は困惑した。今日の柊哉は困惑したばかりだ。

話を淡々と書く癖をどうにかしたいですね

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