プロローグ【邂逅】
八尺様に魅入られた柊哉は屋根裏部屋に監禁されることになった。そのことを知ると母は逃げるように風呂に入ってしまった
祖父は母と父に柊哉の事情を知らせた。
「ああ….なんてことなの…」
「………………」
悲しむ母、固まる父。現実を受け入れられないのは当たり前である。
「とりあえずお風呂に入るわ」
母は悲しいことがあると風呂にはいる癖がある。現実逃避ということかもしれない。
「ほら、お父さん、勾一、片付けるわよ」
祖父と勾一は重い腰を上げた。
「私も手伝いますよ」
「いや、和宏さんは休んでおきなさい」
祖父がいった。父は仕方なく座っている。
祖父と勾一が片付けている最中、インターホンが鳴った。
「誰だ?」
「多分京平の友達だ。一応呼んでおいたらしい」
台所から声が聞こえた。
玄関を開けると、少女が立っていた。白いワンピースに白いキャペリン。八尺様によく似た少女だ。しかし、背は平均的な女子高生程度しかなく、声も女声である。
「???君が京平くんのお友達?」
「あの…柊哉くんはいますか?」
京平ではなく柊哉の友達らしい。
その友達は柊哉の靴を見つけるなり、急いで家に入って行った。そのことを祖父は察した。祖父にはあの少女から禍々しいオーラを感じ取った。
「あ!君!待ちなさい!」
「和宏さん!そいつを追い出せ!」
「わかってます!」
しかし、中年と老人の父と祖父では少女の足には追いつけない。廊下の京平もその少女に気がつき、追いかけた。だが、時すでに遅し、少女は屋根裏部屋のドアの前に立っていた。
「柊哉、扉の鍵を閉めろ!」
「どうした?京平?」
少女は屋根裏部屋の扉をドンドンと叩いた。
「柊哉…ここにいるのね…」
柊哉にも伝わった。扉の先から滲み出る禍々しいオーラが。しかしそれは柊哉にとってはなぜか懐かしいものだった。柊哉はさらに困惑した。
しかし、そんなものは関係ない。今はこの扉を閉めるのみ。柊哉は急いで扉の鍵を閉めた。しかし、そんな抵抗も虚しく少女はまるで鍵がかかっていないように扉を開けた。その瞬間柊哉に死がよぎった。家族との別れ、この世との別れ。その悲しみが頭をよぎった。
しかしその扉が開いた時、柊哉に訪れたのは別れではなく出会いだった。
「柊哉……やっと会えた……」
再会のハグ。あまりに突然の出来事に柊哉は固まってしまった。
「お義父さん、早く柊哉を!」
「わかっとる!柊哉は死なせん!」
「待ってじいちゃん!」
少女を祓おうとする祖父に柊哉が言った。
「俺…この子知ってるんだ……」
「それはそうだろう、夕方会ったんだから。」
急に当たり前なことを言うものだから、祖父は困惑しながら言った。
「いや、それよりも前に…多分ここに住んでいた頃か
らだ。」
柊哉は小学校を卒業するまではこの村に住んでいた。
中学校を受験し、都会の方に出て行ったのだ。
「覚えていてくれたの…?」
「ああもちろん。」
その少女は照れながら柊哉の身体に顔をうずめた。
正直忘れていたが、人間とは不思議なもので、柊哉は一目見た瞬間全てを思い出したのだ。
「やはり、そうだったか…」
「なんだ京平、わかっていたかのような言い方だな」
「彼女、柊哉のことを見た瞬間禍々しいオーラがなく
なったんです。」
「なるほどな…」
全てを理解した祖父は柊哉にその少女のことを伝えた
「柊哉、よく聞け。」
「じいちゃんどうした?」
「………その子が八尺様だ。」
「……………え?」
なんか淡々と進みすぎ?まあプロローグだからそんなもんでしょう




