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浄霊討魔譚  作者: 雷鳥
滋賀編【前編】
64/68

七不思議

七不思議の調査のために大津支部に呼ばれた5人。今夜七不思議の退治に向かう…!

準備が整った7人は延暦寺高校に向かった。


「お疲れ様です。」

「浄霊師の方々ですか。どうも…」

「先生。よろしくお願いします。」

「ああ鳥海くんか!君も浄霊師やったね?」

「そうですね…」

「鳥海くん、学校内を案内よろしくね。」

「はい。」

「では、鍵を開けます。終わったらここから出てください。」

「わかりました。」


7人は昇降口から学校に入った。

悠悟は勅使河原に尋ねた。


「先輩。都市伝説の内容わかります?」

「ああ。まず1つ目はブリッヂマン。ブリッヂで追いかけてくる霊や。」

「目撃された奴ですね。」

「そうそう。2つ目は生首ドリブル。体育館でドリブルをしている奴や。そしてそのボールは生首や。」

「なんやねんそれ…」

「3つ目は異次元鏡。あるトイレにあると言われている異次元に繋がる鏡や。」

「それって異次元に繋がる条件ってあんの?」

「しらん。」

「ええ〜…」

「4つ目はポルターガイスト。家庭科室で起こると言われている心霊現象や。」

「ふーん…」

「反応薄いな…」

「なんかおもんないなぁ…」

「七不思議におもろいもクソもないやろ。」

「そうか?」

「そうやろ…で…5つ目はトイレの花子さん。ある女子トイレに現れる霊や。」

「王道やな。これは出現条件は有名なあれ?」

「いやしらん。多分そうちゃう?」

「なんも知らんやんけ。」

「しゃーないやん。俺ここの出身ちゃうもん。」

「なんか聞かされてへんの?」

「なーんも?」

「はぁ…」

「6つ目は動く人体模型。理科室にある人体模型が夜になるよ動きよるんや。」

「これも王道やな。これはどうするん?壊すしかなくない?」

「そこはなんとかやってってさ。」

「丸投げかよ…」

「で?ラストは?」

「わからん。わからんから七不思議やねん。」

「7つ目を知ると死ぬ…有名な奴やな…」

「その7つ目が七不思議を具現化させてるかも知れんな。」

「うーん…7つ目を作るがめんどいからって誤魔化す為の言い訳やろ?」

「まあ最初はそうかもしれないけど、その空白が逆に恐怖心を増大させ、結果的に具現化に繋がったのかもしれないですよ?」

「そうかな…?高校生やで?そこんとこの分別はつくやろ。」

「ああ…そうですね…」

「それも調べようよ。」

「そうだよね。隅々まで調べよう。」


その時みんなは2階まで上がっていた。


「ここが2階…なんか変な音がしない?」

「どこから?」

「あっち…」


しゃくちゃんは右側を指差した。


「職員室の方やな…見てくる。」


千里は右に曲がった。


「こっちから音がする…」


千里はさらに右へ曲がる。


…


ーー千里はブリッヂのまま廊下を歩き回っている男を見つけた。


「ブリッヂマンだ!」

「なんやて!?」

「先輩…!後ろ!」


千里の背後にブリッヂマンが現れた。


「早い‥!」


ブリッヂマンは千里の心臓を貫いた。


「千里…!」


…


その時千里の体は護符になった。そしてブリッヂマンの身体中に護符が張り付いた。

そして曲がり角から千里が現れた。


「早いね。テケテケっぽい。」


千里は手のひらを合わせた。


「封殺!!」


ブリッヂマンは爆散した。


「うぇ…」

「えぐ…」

「よし…次いこ!」

「次か…一番近いのは体育館やな…

「それはどこ?」

「左や。」

「ああ、あのドアの先…」

「行こう。」


みんなは体育館へ入った。


…


「なんじゃこりゃ…」

「ダレ…」


体育館の中にはバスケのユニフォームを着た男子生徒が1人いた。その男子生徒は首がない。そしておそらく自分の首をドリブルしている。


「な…生首ドリブル?」

「ああ。生首でドリブルしてるやろ?」

「まんまですね。」

「ネエ…フリースローシナイ…?」

「フリースロー?」

「ソウ…シッテル?」

「そら知っとるがな。」

「ジャアヤロウ…ボールハコレネ…」


生首ドリブルは生首を差し出した。


「え…?これ?」

「ソウ…ボール…センコウハボクカラネ…」

(なんで生首差し出したん…)


生首ドリブルはゴールに向かって生首を投げた。

首はみごとにゴールに入った。


「ヨシ…ツギハダレ?」

「俺が行く。」


柊哉はフリースローの位置についた。


「ボールよこせ。」

「ハイ。」


生首ドリブルは生首を手渡した。


「いくぜ。」


柊哉はゴールに向かって生首を投げた。


「あ…」


外してしまった。


「ザンネンダ…」

「次もやらせてくれ!」

「ツギハナイヨ…」

「え?」


柊哉の首周りにオーラが発生した。


ーその時柊哉の首が空高く飛び上がった。


「え…?それはなんで?」

「柊哉!!」

「ペナルティダヨ…」

「柊哉を帰してよ!!」


しゃくちゃんは激昂し、髪の毛を逆立てた。


「いや、まだ待て。ここは境界。こいつが作り出した世界や。倒せばワンチャン元に戻るで。」


勅使河原はしゃくちゃんの肩に手を置きそう言った。


「ワンチャンって…そんな曖昧な…」

「さっさとフリースローを成功させんとそのワンチャンの賭けすらできんで。」

「じゃあなんとかして成功させんことには何も解決できへんって訳ですね…」

「せや。で、次は誰が行く?」

「私が行く!」


しゃくちゃんがコートの中に入った。


「よし!いくよ!」


しゃくちゃんは力を込めた。


…


「あれ?」


しかし何も起こらない。


「どしたん?」

「いや…力が使えない…」

「ああなるほど。力を使ってゴールを確実に決めようって訳やな。」

「ちょっとやめていい?」

「ダメダ…ハイッタラシュートスルマデデテイケナイヨ…」

「ええ…そこをなんとか。」

「ムリナモンハムリヤ。マズハオレノバン…」


生首ドリブルは慣れた手つきで生首をゴールに入れた。


「サア…ツギハキミノバン…」


生首はしゃくちゃんの手に渡った。


「誰か変わってくれませんか…?」

「入れんなあ…」

「どうしよう…」

「ハヤクシロ…」

「あーもう!!どうにでもなれ!!」


しゃくちゃんは一心不乱に生首を投げた。

生首はゴールには入らなかった。

体育館中に虚しく音が響き渡る。


「はい。」


一周回ってしゃくちゃんは冷静になった。

そして静かに立ち尽くすしゃくちゃんの首は空高く飛び上がる。


「くそ…!」

「ツギハダレ…?」

「次は俺や!」


意気揚々と悠悟が声を上げる。


「大丈夫か?」

「いけます!」


足音を立てて悠悟がコートに入る。


「マズハオレノバン…」


生首ドリブルはいつも通りにゴールに入れた。


「次は俺か…」


悠悟はゴールに向かって生首を投げた。


ーー生首は綺麗にゴールに入った。


「おお!」

「よっしゃ!」

「ゆーくんナイス!!」


…


「マダダ…フリースローショウブッテイッタヤロ?」

「そうか…勝負がつくまでって訳だ。」

「ソノトオリ…ツギハオレノバン…」


生首ドリブルはゴールに向かって生首を投げた。


「アアザンネン…」


生首ドリブルはゴールを外した。


「チャンスちゃうの!?」


悠悟は意気揚々と生首を投げた。


「やば…外した…」


生首はゴールの枠に当たり、悲しげな音を立てて宙に舞った。


「ちょっとゆーくん?」

「なんですか?」

「なにしてんの?」

「ごめん…」

「ツギハオレノバン…」


生首ドリブルは生首をゴールに入れた。


「やばい…!次は確実に入れないと…!」


悠悟は頬に汗を滴らせながら生首を投げた。


…


「ーーよしっ!」


見事にゴールに入った。


「ツギハオレノバン…」


生首ドリブルはゴールに向かって生首を投げた。


…


外れた。


「またチャンス!?」

「やばい…緊張する…」

「大丈夫だよ。ゆーくんならいける!」


悠悟は深呼吸をし、鼓動を抑えた。


「いくぜ…!」


悠悟は生首をゴールに向かって投げた。

生首はゴールの枠の周りをぐるぐると回る。


「どっちだ…?」

「頼む…!」


…


ーー生首はゴールに入った。


「よっし!!」

「ザンネン…ボクノマケダ…」


体育館の雰囲気が変わっていく。

飛ばされた柊哉としゃくちゃんの首が戻っていく。


「…………うわぁ!!びっくりした!」

「八尺瓊くん大丈夫?」

「ああ…なんか首が取れたっぽいけど大丈夫。」

「それ大丈夫なんか…?」

「ああ…成功したんだね。」

「おおしゃくちゃん。大丈夫?」

「多分…?あれ?あの子は?」

「なんか消えたで?」

「ああそう…次はどうするんですか?」

「ツーマンセルで動こうや。俺と千里、悠悟とあやめ、柊哉君と大治郎君で。」

「おっけーです。俺たちは人体模型を探します。」

「おう。じゃあ俺らは…どうしょかな。」

「じゃあ鏡いくわ。」

「勝手に決めんで?」

「じゃあ先輩方は鏡ってことで。」

「ちょっと?」

「じゃあ解散しましょう!」

「えええ?」


柊哉としゃくちゃん、そして竜飛は3階に向かった。


…


みんながバラバラになった後、悠悟とあやめは2階の中央トイレにいた。


「よかった…よかったよ…」


あやめは涙を溢しながら悠悟に抱きついた。


「わかったから…離れてや…」

「嫌や…」

「なんでえな。」

「だって…怖かったんやもん…失敗して首が取られるって思ったら…うち…!」

「わかったから…そんな泣かんでや…誰か見てるかもしれんし…」


悠悟は不意に横を見た。そこには少女がいた。


「ほら、そこに女の子おるしさ…」

「え…?」


あやめも横を見た。そしてその女の子を認識した。


「なにみてんねん。」

「あんたらこそ。なにイチャイチャしとんねんな。」

「もしかして…花子さん?」

「せやけど?」

「そうなんや。…で、俺らになんかすんの?」

「なんも?」

「あっそ。」


花子さんから目線を外した悠悟はあやめを見つめながら抱き寄せた。


「ゆーくん…」

「ちょいちょい!またんかい!」

「なんやねんな。うっといガキやなあほんま。」

「だからイチャつくのをやめろゆうとんねん。」

「別にええがな。」

「よくないわ!!」

「ねぇゆーくん。」

「なあに?」

(急に声変えんなよきもいなぁ…)

「花子さんにさ、この学校で変わったことがあったか聞いてみようよ。」

「おお。ナイスアイデアや。」


悠悟はあやめの頭を撫でた。


「えへへ…//」

「で、なんか変わったことあった?」

「はあ?なんでお前に教えなあかんねん。」

「教えてもらうまでここにいるから。そのうち服脱ぎ出すで。」

「キモいねんやめろ!」

「やったらはよゆえや。」

「わかったから。」


花子さんは舌打ちをしながら話し始めた。


「ここにある七不思議は前までおらんかってんけど、最近現れるようになってん。」

「知ってんで。生徒が1人行方不明になってから現れるようになったんやろ?」

「なんや。知ってるやん。」

「おう。」

「で、それなんやけど、私はその生徒が七不思議の出現に関係してると思うねん。」

「まあそりゃそうよな。」

「それやねんけどさ…この学校って北館あるやん。」

「おん。」

「そこから嫌なオーラを感じるんよな。」

「嫌なオーラ?」

「そう。なんかこの世の恨み辛みが全て詰まったようなオーラ。」

「えぐそー…」

「実際えぐいで。」

「へぇー…なんでそんなこと知ってるん?」

「そらお前。長年の経験から?」

「ガキがなに言っとんねん。」

「はぁ?」


…


その頃勅使河原と千里は3階の西トイレに向かっていた。


「学校で鏡があるとこっていったらトイレやろな。」

「まさか学校中のトイレ探し回るん?」

「うーん…異次元鏡は情報が不確かすぎてわからへんねんなぁ…」

「そうなんか…どないしょかな…」


3階西トイレ。


「まずはここ…」


勅使河原はドアを開けた。その先には早速鏡があった。

鏡は懐中電灯で照らされた。


…


ー鏡には勅使河原と千里の背後に刀を構えた武者の姿があった。


2人は叫び声を上げる間も無く武者に斬りかかられた。その時鏡が割れ、そして2人の姿も消えた。

トイレに残っているのは懐中電灯のみだった。


首が飛ぶシーンのイメージは首がそのまま垂直に上に飛んでいく感じですね。シュールやなぁ。ちなみに境界っていう設定。某呪い祓い漫画の領域みたいな必殺技ではなく、どちらかといえば異世界って感じです。

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