河童
赤い河童の正体を知った柊哉としゃくちゃん。その時例の河童が現れる!
ーーそして妖怪の正体が明らかに…!
「赤い河童…俺らはそいつを倒すためにここにきたんです。」
「そうか…あいつらは危害を加えてくるけどさ、俺たちの元仲間なんだわ…」
「あぁ…そうだよな…ごめん…」
「いいんだよ。別に俺らも虫とか殺すしな…」
「………」
気まずさから黙り込んでしまった。
「うわぁ!!」
「河童か!ちょっと行くわ!」
柊哉は急いで叫び声が上がった方に向かった、
そこには梅村に襲い掛かろうとしている河童がいた。
「うわああああ!」
「梅村!」
「へっ!?」
梅村は柊哉の方を見た。
「狂乱憑識!」
しゃくちゃんは人差し指を河童の方に向け、エネルギー弾を放った。
河童はエネルギー弾の勢いを水泡で相殺した。
「え〜もう…!」
「こわっやめてや」
柊哉は川を急いで渡り、梅村の前に出てきた。
「俺が相手だ!」
「ええ〜怖い人やん。ちょっとやめてよ。」
河童は爪を立てて襲いかかる。
柊哉は避け、浄槍を取り出した。
「くらいやがれ!」
柊哉は浄槍を投げつけた。
「あたるわけ。」
河童は軽々しく避けた。
浄槍は手元に戻ってきた。
「しゃくちゃん!」
柊哉はしゃくちゃんに浄槍を投げ渡した。
「部分憑依!」
柊哉は腕を伸ばし、その先からしゃくちゃんの腕が生えてきた。その手には浄槍が握られていた。
「ちょっとそれどこからでてきたの。」
浄槍で河童の肩を貫いた。
「いたっ…もう…!」
河童は柊哉の体に向かって水泡を飛ばした。それは弾丸のような硬さをしていた。
「痛っ…!」
柊哉の横腹に穴が空いた。
「くそっ…!」
しゃくちゃんは人差し指からエネルギー弾を何発も飛ばした。
「それほんまやめてや。」
河童はエネルギー弾を一つ一つ水泡で潰していく。
「しゃくちゃん。力貸して。」
「うん。」
しゃくちゃんは柊哉に力を貸した。
その頃河童はエネルギー弾を全て消していた。
「やっと終わったわ。」
「なあ、タイマン貼ろうぜ…」
柊哉はしゃくちゃんの力を両拳に集約させた。
「フィジカル勝負?」
「おう。」
柊哉と河童は同時に踏み出した。
二人の拳がぶつかり合った。
二人はそのまま殴り合いに突入した。
河童の顔に拳が掠る。次に柊哉の顔にも拳が掠った。
河童は爪を立てて攻撃をした。
柊哉の腕や顔に引っ掻き傷がついた。
柊哉はおかえしに顔面に拳を叩きつけた。
河童が怯んだ隙に蹴りを腹部に喰らわせ、さらに全体的に拳で殴りかかる。
河童はその隙に圧縮した水泡を手のひらに作り、柊哉の腹部に押し付けた。
「ぐわああああ!」
さらに河童は柊哉の顔面に拳を叩きつけた。
柊哉は吹っ飛び、河原に叩きつけられた。
「よっしゃ、顔面をぐちゃぐちゃにしたるからな。」
河童は手のひらに水泡を作り、柊哉の顔面に向けて押しつけた。
「僕だって…!やる時はやるんや!」
竜飛は釣竿をふるい、糸を伸ばして河童の体に巻きつけた。竜飛は勢いよくリールを巻き、河童を引き寄せた。
「そして…!」
竜飛はバケツを手に取り、河童の頭に被せた。バケツは大きくなり河童の姿を覆った。
「え…?なにしたん…」
「河童を封じ込めたんや。」
「竜飛それなに?」
「これは僕の特技…?得意技…?なんかそんなやつや。」
「なにそれ?」
「これは道具の使い方を過大解釈する技やで。」
「どういうことだ…?」
「例えばさっきのバケツ。バケツは水を溜める道具やろ?それを過大解釈して物質を閉じ込める道具として認識したんや。それを上手いことやると道具が自分の認識通りの使い方になるんや。そうやって戦う技なんやで。」
「お…おう。わかったわ。」
「絶対わかってないやろ。」
「いや難しいもん。」
「まあしゃーないな。」
その時バケツが爆発した。
「なに?」
「クソ野郎。閉じ込めやがって、怖いやろ。」
「ナイス川柳だな。」
「そんなこと言うてる場合か!」
思わず竜飛が突っ込んだ。竜飛は釣竿を構えた。
竜飛は釣竿をふるい、釣り針を飛ばした。
「切り裂いたるわ。」
河童は釣り糸を爪で攻撃した。
「いった!なんやねんこの糸!」
「多分鉄製ちゃう?」
「くそが!」
竜飛は釣り糸を河童の全身に巻いた。
「このまま巻き取ったるで!」
竜飛は全力でリールを巻いた。
河童の体に糸が食い込んだ。
そのうち糸は河童の体を切り裂き肉が見え始めた。
「かかった!」
竜飛は釣り糸で河童の全身をバラバラにした。
「おお!」
「ひぃっ…!」
一般人の梅村に今の光景は刺激が強かったようで恐怖心を抱いた。
「いたたたた…」
「なに!?まだ喋れるのか…?」
「いや…そこの兄ちゃんが恐怖心を抱いてくれたおかげでな。復活できそうや。」
千切れた河童の頭に向かってバラバラになった体が寄ってきた。
「まずい!頭をつぶせ!」
竜飛は河原の石を持ち、河童の頭に向かった。
「はやく!」
竜飛は河童の頭に向かって石を振り下ろした。
その時すでに腕は完成しており、手のひらに作った水泡を竜飛の手にぶつけた。
「ぐわっ!」
竜飛の手のひらはぐちゃぐちゃに潰れてしまった。
手のひらに握られた石は真紅に染まった。
その石は河原に戻った。河原に赤が一つ残った。
「あああ…いてぇよ…」
竜飛は血をダラダラと流している手のひらを抑えた。
「じゃあ、お前も殺すわ。」
河童は手のひらに水泡を作った。
その時手のひらの水泡に浄槍が直撃した。
「こいつだっる…」
「油断したね!」
浄槍はしゃくちゃんの手に戻る。その時河童の背中に浄槍が直撃した。そのまま背中を貫通して戻ってきた。
「いった…」
「このままケリを…!」
突如4人に嫌な気配が走った。それは身体中を病原菌かなにかで蝕まれているような感覚だった。
「なに…これ…?」
茂みが揺れている。
「だれ…!?」
茂みの中からノコギリを持った男性が出てきた。それはこの前空き家の中で見た男性だった。
「あ…!こいつ!」
「…?よさそうなのおるやん。」
男性は河童の方を見た。
「へっ…?」
男性はゆっくりと河童に近づいていく。
「に…逃げないと…!」
河童は引けた腰をあげて逃げ出そうとした。
「逃さんで!」
竜飛は潰れていない方のてのひらで釣竿をふるい、糸を巻きつけた。
「おい…やめろ!」
そのまま糸を巻き、河童を引き寄せた。
男性は竜飛の方へ向かっていく。
「そのままにしとけよ…」
男性は竜飛の前まできた。
竜飛は河童を下ろした。
「そこに置いとけ。」
男性はノコギリで河童をバラバラに分解し出した。
「ぐわああああ!」
「次は腕やな。」
ノコギリは河童の腕に切り込みを入れる。
「うわあああああ!」
「次は脚やな…」
…
そのうち河童の全身はバラバラになった。
男性はその河童を甕に詰め込んだ。
「ありがとう。ほんまはお前らにしようとしたけど、さすがに妖怪のがええわ。」
「もう僕たちを追いかけへんの?」
「ああ。もうどうでもええ。」
男性は茂みの中に帰っていった。
「え…助かった…?」
柊哉が起き上がりながら言った。
「た…たぶん?」
「君らすごいなぁ!あんなんと友達なんて!」
「あんなんって?」
「ほら、前空き家に入った時にいた…」
「え?あいつ?友達じゃないよ!」
「そうなんか?普通に話してたけどなぁ?」
「竜飛はそうかもな。」
「ちょっとやめてや?」
「ちゃうんや。まあええわ。ありがとうな。」
「いえいえこちらこそ。」
「ほな帰らせてもらうわ。ありがとう!」
梅村は手を振りながら帰ったいった。
「じゃあ俺らも帰ろう。」
「せやな。」
3人は支部に帰った。
「ただいま帰りました〜。」
しゃくちゃんは支部のドアを開いた。
悠悟とあやめは横に並んでハンバーガーを食べていた。部屋中にファストフードの匂いが充満していた。
「あ!おかえり〜!」
あやめは3人に手を振った。
「終わった?」
「はい。終わりました。」
「そう。じゃあ報告書書いといて。」
「報告書?」
「そう。任務が終わったら報告書を書くのがこの仕事やから。」
「そうなんですか?」
「八尺瓊知らなかったんか?」
「はい。知りませんでした。」
「ほーん。代わりに書いててくれたんかな…?」
「まあいいや。指示通りに記すだけやからやっといてな。」
「はい。」
柊哉は部長デスクの隣にある紙束の中から一枚手にとった。
柊哉はソファに座った。
「ゆーくん。」
「なに?」
「口にソース付いてるよ?」
あやめは顔を近づけ、舌でソースを舐めとった。
「ごめんありがとう。」
「えへへ//」
悠悟はあやめの頭を撫でた。
「いたた…ちょっとしゃくちゃん代わりに書いて。」
「え?」
「どうしたん?」
「ちょっと負傷しまして…」
「ちょっとはよいってや!」
「そう言えば竜飛も手押さえてたな。」
「僕は大丈夫です…」
「あかんよ。治さな。二人ともこっちきて。」
あやめに連れられて2人は部屋へと入っていった。そは医務室と書かれていた部屋だった。
中に入って一番に目につくのは巨大な装置だった。
「はい。染みるからね。」
あやめは慣れた手つきで竜飛の手のひらを消毒し、包帯を巻いた。
「ありがとうございます…」
「はい。次は君ね。ちょっとこれはひどいな…」
柊哉は顔と腕の切り傷、腹部にある打撲痕。そして横腹の風穴が空いていた。
「まずは切り傷から。」
あやめは消毒を施し、絆創膏を貼り付けた。
「次は打撲痕ね…」
あやめは氷嚢を持ってきた。
「これを当てといて。」
「はい。」
次にあやめは注射器とメスを持ってきた。
「何するんですか…?」
「君の血液と皮膚をとるの。」
「なんでそんなこと?」
「風穴が空いている横腹を治すため。ちょっとごめんね?」
あやめは反対側の横腹を消毒し、注射器で採血した。
「次はもうちょっと痛いかも…」
あやめはメスにエネルギーを流して皮膚を薄く切った。
「ちょっと痛い…」
ペトリ皿に皮膚と取ったあやめは巨大な装置の左側に入れた。
「これは?」
「君の組織を複製するの。そして横腹を再生させる。」
「なるほど…?それは何日かかるんですか?」
「この程度だったら…もうできた。」
「はや!」
あやめは鉄トレイに生成された横腹を置いて持ってきた。
「ちょっと麻酔するね…」
柊哉の横腹に麻酔を打った。
「どうするんですか?」
「縫合するの。」
あやめは慣れた手つきで複製した横腹と風穴を縫い合わせた。
「終わりですか?」
「待っててね。」
あやめは縫い目に手を置いた。次第に縫い跡が消えていく。
「おお!」
「はい。終わり。安静にしといてね。」
「はい。」
3人は医務室から出てきた。
「終わったん?」
「終わったで。」
「柊哉書けたよ!」
「ありがとうしゃくちゃん。」
「書けた?じゃあFAXで送るわ。」
「どこにですか?」
「"大津支部"や。」
「大津支部?」
「ここはもともと大津支部から分裂した支部やからな。本元は大津支部やねん。」
「そうなんですね…」
「そう。あやめはよ食わな冷めるで?」
「ほんまや!はよ食わな!」
あやめは急いでソファに座った。
…
「ではお疲れ様でした!」
「おつかれ〜じゃあまた明日ね。」
現在17時。退勤時間である。この支部はホワイトなので残業という概念はない。もし残業してしまったら翌日は休みになるという仕組みがある。すごいね。
「あやめ。」
「なあにゆーくん。」
悠悟はあやめの頭を掴み、唇を無理やり押しつけ、舌を絡ませあった。
「んっ…//あっ…//…なに?今日は積極的やん?」
「医務室…嫉妬しちゃった…」
「ああ…ごめんね?」
「ええよ。今日は俺がするだけやから。」
悠悟はあやめをソファに押し倒し、さらに続けようとする。
その時電話がかかってきた。
「も〜今ええとこやのに…」
悠悟は電話をとった。
「はいもしもし。……先輩。……わかりましたよ。」
「"妖怪"というものは村や町、大きくは国の集団的な恐怖心から生まれた存在らしいです。妖怪は霊の先駆けのような存在ですが、一つ決定的に違う点があしまして。」
…
「それは"霊体なしで存在している"という点です。」
…
「そうですよね。混乱すると思います。集団的な恐怖心が語り継がれ、その度に恐怖心は増大します。その分エネルギーが強まり、結果的に霊体を形成し、現れているんだと思います。」
…
「原因はおそらく昔の日本文化にあります。昔の日本は不可解なこと、疫病や飢饉などの自然災害が起こると妖怪や物の怪の仕業だと決めつけていました。そしてそれは一般的な考えで、陰陽師が広まった原因でもあります。その考えは明治維新まで続いていました。それが原因です。1800年以上妖怪や物の怪を恐れてきたせいで恐怖心が増大し、結果的に霊体を形成したんです。」
…
「そうですね。科学技術が発展した頃、妖怪や物の怪の仕業だと恐れられていたことが解決し始め、次第に妖怪の力も弱まっていきました。それにあやかって封印したんです。これは推測ですが、その封印が解かれてしまった。だから最近いきなり出てきたんだと思います。」
…
「つまり霊体を崩さなくても良くなった分、基礎的な力は霊よりも圧倒的に強いんです。」
「良かったです。ではまた。」
悠悟は電話を切った。
「今の話なあに?」
「妖怪の話や。先輩から調べとけって言われてな。」
「誰から聞いたん?」
「早乙女さんって覚えてる?」
「覚えてるで。その人から?」
「そうや。」
「ふーん…で、続きしないの?」
「せやった。じゃあ部屋いこ?」
二人は手を握りあい、指を絡ませて部屋の中に消えていった。
まあなんか東京編から結構雰囲気変わったよね。妖怪という概念が出てきてから東京編みたいな霊が出てくることは少なくなったかな?まあどっちが好きかは人それぞれやと思うけど、滋賀編は基本的に妖怪がでます。妖怪との戦闘は浄化するというフェーズを挟まなくても良くなってしまったので少し見劣りするかもしれませんね。




