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浄霊討魔譚  作者: 雷鳥
東京編
47/57

処刑

大妖怪展で殉職した刑事。

それは部下の磯野頼人だった…

悲しみに暮れながら長宗我部警部は資料を見直す。

ーーそこで人狼ゲームに隠されたある法則に気づく…!

「そうですか…」


長宗我部警部は霊安室に入って行った。

そこには長谷川がいた。


"磯野頼人"…仏前にそう書かれていた。


「うせやんな?頼人くん…嘘やったらはよ言ってや…なあ…?」


長谷川は膝を地面について床に水を垂らしていた。


「なあ…返事せぇや…ワイ、あの後必死に麻雀練習してんで?一緒に麻雀しよや…なあ…なあって!」

「長谷川さん…」


長宗我部警部は長谷川の肩に手を置いた。


「なあ、その布の先でで笑ってんやろ?自分、関西人の血が騒いでドッキリでも仕掛けてんやろ?なあ?」


長谷川は顔の布を取った。

そこに人間はおらず、燃え滓がただあるだけだった。


「うわああああああ!」


長谷川は大声を張り上げて泣いた。

それを見て長宗我部警部は心が苦しくなった。


「磯野…お前の仇、ちゃんと取るからな…」



「磯野刑事は"大妖怪展"のイベント会場の非常階段で発見されました。死因は焼死、第一発見者の八尺瓊柊哉の供述では、いつの間にか燃えていたとのことです。」

「八尺瓊…蛭間のところか…」


長宗我部警部は民俗怪異対策課へと向かった。


「長宗我部警部?またですか。」

「喜多方か…そういえばお前ここだったな。」

「ちょっと?急になに?」

「蛭間か。ちょっと八尺瓊貸してくれ。」

「おれ?」


長宗我部警部は柊哉を連れて外に出た。


「大妖怪展で燃えた刑事わかるか?」

「!?どうしてそれを?」

「刑事が死んだんだ。情報くらい回ってくる。で、誰に殺されたんだ。」

「………"不知火"っていう暗殺者ですよ。」

「暗殺者だと…?」

「金で雇われる暗殺者らしくて、俺もそいつを追って大妖怪展に侵入したんです。」

「そいつは!捕えたのか!?」

「いや…そいつは死にました。」


柊哉は残念そうに言った。


「誰にだ?」

「雇い主です…不知火はヤクザの若頭の暗殺任務を受けていましたから…」

「ヤクザの若頭の暗殺任務…?」

「はい。その刑事はついでって感じで殺されました。」

「ついでだと…!?」

「どうしてそんなに焦っているのですか?」

「その死んだ刑事が俺の部下だからだ。」

長宗我部警部は涙ながら言った。



「警部、磯野刑事の家のポストに投函されていたものです。」

「なんだこれは…?」


それは人狼ゲームのカードだった。


「"呪われた者"…?聞いたことないな…」

「その役職は人狼に殺されると人狼側として蘇る役職だそうです。」

「人狼…つまり悪者か…?そして人狼ゲームのカードは役職…つまり役割を表している…?」

「それで言うと、呪われた者は市民としての役割を全うしていたのに人狼の手によって人狼としての役割を全うすることになりますね。」

「…!?もしかして、磯野は寝返ったのか…?」


長宗我部警部は急いで準備をした。


「警部!?どこへ行くんですか?」

「ディアスミール御徒町だ!」



長宗我部警部は当事者である石野の家を訪ねた。


「すみません。マンションのことで聞きたいことがあるんですけど…」

「はい。マンションのこと?」

「マンション建設の時に起きた事件について…」

「………帰ってくれ。」


石野はドアを閉めた。

すると長宗我部警部はドアに足をかけた。


「待ってください。話しませんか?その方が気が楽になる。」

「警察なんかに話すかよ。そんなことしたら…」

「磯野が隠した意味がない…ですか?」


石野は冷や汗をかいた。そして、明らかに動揺した。


「その反応は当たりのようですね…」

「帰ってくれ!」


石野は長宗我部警部の足を踏んづけた。


「あいたー!」


石野はドアを閉めた。


「あ!…でも、いい収穫だったな。磯野はこの事件を隠蔽した。これがわかった。」


長宗我部警部はメモをとった。


「さああとは坂口殺しと正岡殺しだな…」


長宗我部警部は警視庁に戻った。



「お前あの、管理人の時の捜査の資料ってある?」

「ありますよ?これです。」

「ちょっと借りていいか?」

「全然いいですよ。」

「ありがとう。」


長宗我部警部は資料をもらい、自分のデスクで読んだ。


「ん…?そんなバカな…」

「おい。お前ちゃんと聞いたのか?」

「はい。しっかりと聞きました。何度も何度も同じ質問を繰り返しましたよ。」

「そうか…悪かったな疑って。」


長宗我部警部は資料を凝視した。


「そんなわけないよなぁ…全員に"アリバイがない"なんて。じゃあ誰が殺したんだって話だしなぁ…」

「それってなんの話ですか?」

「正岡殺しの話だよ。」

「ああ、そうですね。それは全員アリバイがないです。」

「じゃあ坂口殺しは?」

「それもないですね。」

「なんでないんだよ…!」


長宗我部警部は舌打ちをし、ため息をついた。


「どういうこと?」

「わかんないっすよ。」

「そうだよなぁ〜…」


長宗我部警部は長時間考えていた。


「よく考えてみたら、なんで正岡殺しと坂口殺しだけアリバイが全員ないんだ?他のはある人がいるのに…俺は何か勘違いをしているのか…?」

「警部!こんなのがあなた宛に届きました!」

「なんだ?」

「これです。」


それは紙であった。そこにはこう書かれていた。


"今日処刑されたのは、磯野頼人さんでした。"


「ふざけやがって…!」


長宗我部警部は机をぶん殴った。


「警部!」


長宗我部警部はため息をついて勢いよく椅子に座った。


「それよこせ!」

「はい!」


長宗我部警部は勢いよく紙を奪った。


「処刑…処刑?」

「そういえば、正岡殺しの時と坂口殺しの時の張り紙は確か…」


長宗我部警部は資料を漁った。


「そうだ。"昨晩の犠牲者は"だった。その違いはなんだ…?単に人狼ゲームになぞらえているだけなのか…それとも何か意味があるのか…?」


長宗我部警部はメモを書いた。


昨晩の犠牲者→正岡、坂口

今日処刑→猿飛、長浜、磯野


「処刑…?」

「そういえば最近、"世界の処刑展"に行きましたね〜」


刑事が関係ない話を始めた。


「今考えてるんだ。関係ない話をするな。」

「え〜いや、この3人、処刑だなって思っただけです…」

「"今日処刑されたのは"って書いてあるから処刑たろ。」

「いえ、殺し方の話です。」


その時長宗我部警部の脳に一筋の光が差し込んだ。


「殺し方…?」

「はい。まず、猿飛さんが"絞首刑"でしょ?次に長浜さんが"斬首刑"。そして、磯野刑事が"火炙りの刑"ですよ。」

「!?つまり…犯人は処刑法になぞらえて殺している!…しかし、正岡と坂口はなぜそうしない…?」


長宗我部警部に新たな疑問が浮かんだ。


「わざとそうしなかったかあるいはできなかった?」


刑事が口を挟んだ。


「殺した人すら違うという可能性もあるな…」

「殺した人すら違う…?」

「そう。正岡殺しと坂口殺しを行った犯人A、そして猿飛殺し、長浜殺し、磯野殺しを行った犯人Bがいると言うことだ。」

「あ!だから誰も正岡殺しと坂口殺しの時にアリバイがないんですね!」

「ああ!お前!そうじゃん!」


長宗我部警部は大声を張り上げた。


「ナイスだ伊佐山!」

「ありがとうございます!」


その刑事の名は伊佐山裕司いさやま ゆうじと言う


「あとは犯人だけか…」


長宗我部警部はまた資料を見た。


「猿飛殺しの時にアリバイがないのは…?まず死亡推定時刻っていつだっけ?」


長宗我部警部は資料を見渡した。


「ああ、10時か。てなると、喜多方と高島あり。他は…?全員なさそうだな…なんでだよ…」


長宗我部警部はめんどくさそうに次の資料に目を通した。


「長浜殺し…アリバイがないのが…石野、国枝、越智…西川はその時テレビの生放送に出ていたためあり…」

「とりあえずはこの3人かな…伊佐山!行くぞ。」

「はい!」


2人はまたマンションに向かった。

今更ですが、アリバイの時間とかおかしな点があったら指摘してください。直します。

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