闇
少年の影から現れた強力な霊。その正体は…?
ーーそして、このマンションの闇が明るみになる…!
喜多方は少年に近づいた。
「それ以上近づくとあんたの命はないよ?」
霊は喜多方の首を掴んだ。
「レイコ姉ちゃんやめて…」
少年はその霊の腹部に抱きつき止めさせた。
少年の目には涙が浮かんでいた。
「!?ごめん…また私蒼真を傷つけちゃった…」
レイコ姉ちゃんと言われていた霊は首から手を離して蒼真を抱きしめた。
「これですか…」
「はい…」
「レイコ…うーん…」
喜多方には何か思い当たる節があるようで、霊に近づいた。
「あなた…もしかして"カシマレイコ"さんですか?」
「え…お兄ちゃん知ってるの?」
「そうだけど…?」
「まじか…そりゃ鼻血も出るわけだ…」
「どういうことなんですか?」
舞が質問した。
「蒼真くんに取り憑いてる?のはカシマレイコと言って、私の仕事関係の中では"伝説の怪異"と言われています。」
「伝説の…?」
「はい。カシマさん。どうしてあなたがこんなところに?」
「なんで知ってるのかと思ったら、あんた浄霊師なんだ。」
「ちょっと…!それを口にしないでください!」
喜多方は必死で止めた。
「いいじゃない減るもんじゃないし。」
「いやでも…!」
「はぁ〜…あんたらのその秘密主義なとこ嫌いなのよ。」
カシマレイコは喜多方を指さして言った。
「そうですか…まあ私も息苦しく感じる時はありますよ?特に、"職業を言ってはいけない"とか。彼女にも言えないのがキツイです。」
「でしょ?だからそんなところにこき使われるなんて嫌。だから私はずっと蒼真くんと一緒に過ごしたいの。」
蒼真は少し嫌な顔をした。
「蒼真くんは嫌そうですけどね。どうせあなたが変なことしたんでしょ?」
「してないよ。ただ蒼真くんに近づく害虫に呪いをかけただけだし…」
「いやそれでしょ。何してるんですか。」
「ええ?どうしてよ。」
「だから嫌そうな顔をしてたのか…ごめんね蒼真くん。」
「近づかないで!」
「だからそれだって!」
喜多方は大声をあげた。
「その排他的な性格が蒼真くんを傷つけてるんだよ。」
「そうなの…?」
「はいたてき…?はよくわからないけど、周りの人を傷つけてほしくないよ…」
「そうだったの?…ごめんなさい…ごめんなさい…」
カシマレイコは泣き崩れた。
「レイコ姉ちゃん泣かないで…」
蒼真はカシマレイコの頭を撫でた。
「蒼真くん…ありがとう…」
カシマレイコは蒼真の首元に顔を埋めた。
「レイコ姉ちゃんくすぐったいよ…」
「あのー…質問いいですか?カシマさん。」
「なに…?」
泣きそうな声で答えた。
「最近霊目線から見て変わったことはありましたか?」
「変わったこと?うーん…ずっとだけど、このマンションにはなにか良くない過去があるみたいね。」
「よくない過去?」
「そう。多分、誰かが不幸に見舞われた過去よ。」
「不幸とは?」
「多分この感じだと…自殺かしら?」
「自殺…このマンションのせいで自殺した人がいる…?」
「そうね…誰かまではわかんないわ。」
「そうですか…ありがとうございます。」
喜多方は感謝を伝え、部屋を去ろうとした。
そんな喜多方を舞は引き留めた。
「あの、この子はどうしたら?」
「学校に通わせたらいいんじゃないですかね。」
「でも、また人を傷つけるかも…」
「蒼真くん自体にそんなことはできませんよ。したとしたならカシマさんの方です。カシマさんが人を傷つけないことを誓ったら学校に通わせるべきだと思います。」
「そうですか…」
「はい。何かあったら連絡ください。」
そういうと喜多方は帰った。
…
「一郎さん?首どうしたんですか?」
喜多方の首には痣ができていた。おそらくカシマレイコに首を掴まれた時だ。
「ああ、なんでもないよ。」
「なんでもないことないですよ…湿布貼りますから…」
高島は喜多方の首に手を当てた。
「早く治してくださいね?」
高島は喜多方の首に唇を当てて、湿布を貼った。
「あ…大丈夫かな?」
「なにがですか?」
「いや…なんでもないよ。」
高島は頬を膨らました。
「一郎さん。私に隠し事ありますよね?」
「え?ないよそんなの。」
喜多方は指を組んだ。
その手を高島は掴んだ。
「ほら、指組んでる…嘘ついてるってことですよ。」
「はぁ…隠し事はやめよう…紗希ちゃん…よく聞いてね?」
喜多方は仕事のことについて話した。
「つまり…危険な仕事なんですか…?」
「うん…まあそうだね。」
「さっきの件も?」
「さっきのは比較的安全だったけどね。」
「でも…首に痣が…」
「今回は霊と話しただけだから…そんなに泣かないでよ…」
高島は途中から泣きながら話を聞いていた。
「だって…一郎さんに何かあったらわたし…」
「も〜…だから言いたくなかったのに…」
その時長宗我部警部からメールが来た。
喜多方は高島の抱擁を受け入れながら返信した。
「また仕事なの…?」
「うん。そうだね…」
「やだ…行かないでよ…」
「んー…そうなるよね…」
喜多方はメールを打ち返した。
…
「"このマンションの件で自殺した人がいるらしいです。今回の事件に関係しているかもしれません。"」
「"ですが、今回は捜査に参加できません。"」
「はい。わかりましたよ。」
長宗我部警部はマンションに向かった。
喜多方から追いメールが届いた。
「"ちらっと聞いたんですけど、真坂さんかなんか知ってるっぽいです。"」
「真坂…205号室のか…」
長宗我部警部は205号室に向かった。
「すいませーん…真坂さん?」
「はい?」
「あのー…このマンションのことでお話を聞かせて欲しいんですけど…」
「……入ってください。」
変な間を開けて、真坂は長宗我部警部を部屋に招き入れた。
「マンションの過去のことですか?」
「やっぱりマンションで何かあったんですね?」
「はい。このマンションを建てる時、近隣住民と一悶着ありまして…」
「一悶着?」
「環境権のことなんですけど…」
「ああ。あれですよね。日光がどうとかってやつ。」
「はい。このマンションが建つことで日光が遮られるんですよ。」
「そうでしたか。で、それはどうなったんですか?」
「実は、私はその住民の抗議団体の一員だったんです。」
「え?そんな人がどうしてこのマンションに?」
「ご覧のとおり抗議団体が負けてマンションが建つことになって近隣住民は立ち退くことになったんです。その時に新しい物件を探すのがめんどくさくて…」
「はあ…そうでしたか。」
「その時どうしても立ち退きたくないとおっしゃった人がいまして。」
「その人は?」
「自殺しました…」
「!?」
例の自殺した人かもしれない人である。
「それは…?」
「マンションの建設に関わる人たちからの嫌がらせ、もとい脅迫です。それが原因で自殺してしまいました。」
「そうですか…」
長宗我部警部はメモをとった。
「では、国枝さんと口論をしていた時に口にした"あんなこと"とはそのこと…?」
長宗我部警部は本題を口にした。
「どうしてそれを…?」
「とある人から。」
「喜多方さんね…」
「ま…まあ、そのことについては?」
「……………言うしかないのかしら…」
「言ってください。」
「そうね。言いましょう。」
真坂は姿勢を改めて言った。
「抗議していた私たちですが、少し…いやだいぶ過激な抗議だったんですよ。」
「過激とは?」
「マンションの建設会社に脅迫メールを送ったり、窓ガラスを割ったり、殺害予告を送ったり…まあ、いろいろです。」
「そして…?」
「その結果…マンション建設派の1人が自殺していました…」
「また自殺…」
この件で2人目の自殺者が出てきた。このマンションは2人の自殺の元建っているのである。
「でも、それが長浜さんが殺される理由に…?」
「その時の私たちの士気はとても上がっていました。何がなんでもマンション建設を阻止すべくスローガンを決めようって話になったんです。」
「スローガン…?」
「はい。建設派の1人が自殺した時、もう1人殺してるんだから突っ切っちゃえって言うメンタルを全員が持ただしたんです。そんな時に私が冗談半分で言ったスローガンが罷り通っちゃって…」
「それと言うのは…?」
「"建設派の奴全員殺してでもマンション建設を阻止しよう!"っていうスローガンでした。」
「そんなふざけたスローガン通るわけがないじゃないですか。」
「そう思いますよね?通ったんです。」
真坂はため息を吐きながら言った
「しかし、その自殺を皮切りにマンション反対派で脅迫メールなどを送った人たちが逮捕されていきました。」
「そりゃそうでしょう…」
「そのせいでマンションは建設されることになり、今ここにあるんです。」
「そんなことが…」
長宗我部警部もため息をついた。
「そんなこと知らなかった…もし知ってたら…」
「知らなくて当然ですよ。その事件はある刑事に揉み消されてしまったんですから…」
「隠蔽!?それは誰が…?」
「そこまでは知りません…」
「そうでしたか…ありがとうございました。」
長宗我部警部は部屋を出た。
(隠蔽か…そりゃ知らないわけだ…。)
(だとして、誰がそんなこと…?)
…
1ヶ月後、あるイベント会場にて刑事が殉職した。
死因は焼死。
ーーそれは火炙りの刑で罪人を焼き払うようだった…
伝説の怪異というNARUTOみたいな設定が出てきましたが、あんまり関係ないです。
で、現段階で人気なキャラクターって誰なんですかね?
知りたいので教えてほしいです。




