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浄霊討魔譚  作者: 雷鳥
東京編
45/57

アリバイ

刺殺体として発見された坂口。

そして、長浜殺害時のアリバイを調べる警察。

ーーそして、なにやらやばいものが…

「なんですか…これ。」

「知らないですよ…階段の下を見たら坂口さんが…」


喜多方はふとエレベーター前の掲示板を見た。そこには張り紙が貼られていた。


"今夜の犠牲者は坂口貞治さんでした。"


「また人狼ゲーム…」

「また?」


越智は聞き返した。


「知らないんですか?このマンションで殺人事件が多発してるんです。」

「知らなかった…またってことは連続殺人?」

「そうですね…」

「誰が…!誰が亡くなったんですか…?」


越智は喜多方の腕を掴み揺らした。


「坂口さんに、長浜さん、管理人さんに、正岡さんです…」

「そうですか…」


越智は現実を受け入れて落ち着いたようだ。


「一郎さん…どうしてそれを教えてくれなかったんですか…?」


後ろから高島が出てきた。


「長浜さんっていつの間に亡くなったんですか…」

「ごめん…長浜さんはちょっと衝撃的な亡くなり方をしてたから紗希ちゃんには見せたくなかった…」

「それって…今日の昼ですよね。」

「………そうだね。あの時…実は、」


喜多方は今日の昼のことを話し出した。


「そんなことが…また殺人事件に怯えて生活しないといけない…」


高島は泣きそうになりながら言った。


「越智さん。警察には?」

「言いましたよ。」

「良かったです。」


数分後、警察が来た。


「またか…」

「はい。」

「今回も喜多方が第一発見者?」

「いえ…今回は越智さんが…」


越智は会釈をした。


「そうですか。」

「はい。私が階段を使おうとしていた時に発見しました。」

「野暮ですが、なぜエレベーターを使わなかったのですか?」


長宗我部警部がそう聞いた。


「私が通った時にはエレベーターは下に向かってまして、待つのめんどくさいんで階段で。そしたらこれですよ。」


越智はため息をついた。


「久しぶりに早めに帰ってきたのに…気分が悪いですよ。」

「そうですよね…」



警察は階段を封鎖し、死体を回収して帰っていった。


「はぁ…帰ろうか。」

「そうですね…」

「俺も、今日は家で食べようかな…」


3人はどんよりした雰囲気の中部屋に戻っていった。


「ところで、越智さんって誰ですか?」

「知らないの?僕のお隣さんで、結構すごいバンカーらしいよ?」

「へぇ〜…銀行員なんですね…」


喜多方はスマホを操作しながら話を聞いていた。


「一郎さん?」

「いや何もしてないよ?」

「まだ何も言ってないですけど…」

「………」


喜多方はメールを打っていた。


「"警部、明日捜査しますか?"」

「"するけど、勝手な行動はするなよ?お前も容疑者の1人なんだから"」


「はぁ〜…」

「どうしたんですか?」

「紗希ちゃ〜ん…長宗我部警部がさ〜…」



翌日、長宗我部警部が部下を引き連れてマンションにやってきた。


「長宗我部警部。坂口さんは…?」

「坂口貞治の死亡推定時刻は18時25分から35分、死因は頸動脈を切られたことによる失血死だ。」

「なるほど…では、アリバイを聞かないとですね…」

「アリバイかぁ…俺苦手なんだよなぁ…」

「なんでですか。警部でしょ?」

「こういう連続殺人事件は初めてなんだって…。」

「それと、長浜さん、管理人さん、正岡さんの事件もしないとですね。」

「うわ〜….そんなにあんのか。」


長宗我部警部は絶望の表情を見せた。


「頑張りましょう。」



長宗我部警部は今いる住民を全員集めた。ちなみに、土曜日である


喜多方一郎、高島紗希、長谷川大悟、赤尾彩葉、国枝有莉沙、石野治、真坂智美、今津明人、晴山舞、坂口公子さかぐち きみこ


このメンバーが集まった。


「あの、越智さんは…?」

「あの人なら留守だったよ。出勤してるんじゃない?」

「えー。皆さんに集まっていただいたのは他でもありません。昨日の坂口貞治、長浜恭介の件です。」

「警部、正岡さんと管理人さんは?」

「そう言えば調べてた。」

「そうですか。」


喜多方は内心呆れながら返事した。


「では、長浜恭介の件から。10時半ごろの行動を教えてくれますか?」


まず第一に口を開いたのは長谷川だった。


「ワイは部屋で麻雀してました。警部はん覚えてるでしょ?頼人くん…磯野刑事と一緒にエレベーターから降りたの。」

「そうだったな。磯野からも聞いた。相川、赤尾、今津もいたらしいな。」

「そうっすね…ほんま怖いっすわ…」

「相川がいないのはなんか聞いてるか?」

「ああ、秀雄くんなら今日はバイトらしいですわ。」


これまでの情報をメモした。


「そうか…じゃあ、次。晴山さんは?」

「10時半だと、夫の会社にお弁当を届けてましたね。」

「なるほど、ちなみにどこの会社にお勤めで?」

「月島商事です…」

「なるほど、一応確認しといて。」

「はい。」


警察が隅に行って電話をかけだした。

長宗我部警部はメモをとった。


「じゃあ次は石野さんと国枝さん。教えてください。」

「俺たちは寝てたかな。」

「金曜ですよ?」

「昨日はなにも無かったんですよ。」

「そうですか。じゃあアリバイはないというわけですね?」

「まあ、そうですね…」

「はい。じゃあ真坂さん。教えてください。」


メモをとりながら言った。


「私はその時コンビニに行ってたはずです。」

「コンビニというのはそこの?」

「はい。防犯カメラに写ってると思います。」

「そうですか。確認しに行ってきて。」

「はい。」


長宗我部警部は警官に指示を出した。


「最後は坂口さん。何してました?」

「わたしは家事を…」

「それを証明できる人は?」

「もういません…」


坂口は泣きそうな声で言った。


「なるほど、貞治さんと一緒だったと…ありがとうございます。」


長宗我部警部はメモをまとめた。


「で、越智さんは?」

「仕事じゃないですか?」

「仕事…なんのですか?」

「なんかバンカーだと聞いています。」

「それはどこかわかりますか?」

「いえ。わかりません。」

「そうですか…」


喜多方はさっきからチラチラと周りを見ていた。

その時気になるものを見た。


「では、皆さん。失礼します。」


長宗我部警部はみんなを部屋に帰らせた。


「紗希ちゃん、僕ちょっと用事ができたから先帰っといて。」

「え…1人ですか?」

「すぐ帰るから。ね?」


高島は寂しそうな目をした。


「…わかりました。」


高島は3階で降りていった。

喜多方はそのまま五階へと向かった。


「晴山さん。あなた、何かのお札持ってますよね?」

「え?…はい。」

「何かあるんですか?」

「なんですか?そんなこといきなり聞いてきて。」

「実は私、霊関係を仕事にしてまして、なにか霊でお困りなのかなって。」

「そんなんじゃないんで…帰ってください。」


晴山はドアを開けた。

その先から明らかに禍々しいオーラが出ていた。


「ちょっと待ってください!」

「もう!しつこいですよ!」

「あなたの部屋、なにかやばいですよ!」

「やばいのはあなたでしょ?」

「いや、やばいのはあなたの部屋です。これ、命の危険があります。」


喜多方は冷静に言った。対照的に、晴山はその言葉を聞いて落ち着きを失った。


「!?………やっぱりやばいんですね…」

「やっぱりということは、何か隠しているんですね?」

「はい。」

「部屋に入っても?」

「いいですよ。」


喜多方は501号室に入っていった。


「うわっ!」


ドアの裏側にはさっき晴山が持っていたお札がびっしりと貼られていた。


「これのおかげでなかの瘴気が漏れていないのか…」


部屋の中は明らかに暗かった。

カーテンは空いていて、日光が入り込んでいるのにも関わらず。


喜多方はリビングの方についた。

瘴気を特に強く感じる壁を発見した。


「この先、なにかがありますね…?」

「やっぱりわかるんですか…?」

「はい。この先からこの部屋のオーラの源泉があるような…そんな感じがします。」

「そうですか…じゃあ、開けますね…」


晴山は壁を押した。

すると壁は自動ドアのような動きをしながら開いた。


「ママ…?」


その先には少年が座り込んでいた。

瘴気はその少年から放たれているようだった。


「お兄ちゃん誰?」

「…!?」


喜多方の背筋は凍りついた。息遣いが荒くなり、耳鳴りもするようになった。

少年の背中から瘴気が見えた。それは今までよりも数十倍、いや数百倍強かった。瘴気は人を型取った。


喜多方の鼻から血が滴ってきた。


「あの…鼻血出てますよ…」

「すみません。ティッシュをください…」


晴山は怯えながらティッシュを手渡した。

喜多方はティッシュで鼻血を拭き、鼻口をティッシュで塞いだ。


喜多方は少年の背中から出てきた人に語りかける。


「お前は誰だ…?」

「あんたこそ…なに?蒼真そうまに何か用?」


喜多方は直感でわかった。

こいつは今まで出会ったやつの中で

ーーダントツでやばいということを…

時系列的には人面犬の後です。そうしないと、矛盾が生じるからです。

てかコンテストってなんなんですか。あんまよくわからないのでわかる人教えてください。

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