篝火
大妖怪展に現れた暗殺者"不知火"
ーーその静かなる炎が2人に牙を向く…!
不知火の体の周りを炎が取り囲む。
「なんだ…?」
「焼肉屋の匂いがきついよ…」
「…まさか!?」
柊哉の脚から青白い光が発せられていた。
「これは…!?」
しゃくちゃんは青白い光にエネルギーを流し込んだ。光は次第に小さくなっていった。
「あーあ、焼き殺そうと思ったのになぁ…失敗か。」
「あんたのその技、見切ったぜ。」
「攻略法を知られるくらいなんてことないさ。」
不知火の体の周りを回っていた炎が一斉に柊哉の方に向かってくる。
「うわっ!」
柊哉は間一髪で躱す。その隙に不知火は指先に炎を溜めた。
「さあさあ、この炎は俺の意のままに操れる。お前に避けれるかな?」
柊哉は大きく右によけ、炎をいなしていく。炎が向かってくる。それを河童の被り物で受け止めた。
「引火させて火を消すか…とことんめんどくさいなお前。」
河童の被り物は燃え尽きて灰になった。炎はなくなっていた。
「へっ。あんたの炎は弱いなあ…そんなんじゃパンも焼けねえぜ。」
「ずいぶんと…言ってくれる!」
不知火は拳に炎を纏い、柊哉に殴りかかってきた。柊哉もこれに応戦する。
「しゃくちゃん行くよ!」
「うん!」
「「部分憑依!!」」
柊哉は拳にしゃくちゃんの拳を憑依させた。しゃくちゃんは一歩引いている。
「部分憑依…?ああ、お前憑霊使いなのね。」
「だからなんだって言うんだ。」
「憑霊使いってのはな、憑依霊の方を攻撃すればいいんだよ。」
「!?」
柊哉の意識がしゃくちゃんに向いた。
「敵を見ないで誰を見るんだよボケ!」
柊哉は顔面に拳をもらった。傷跡には火傷のような痛みが回った。
「ぐっ…ブラフか…」
「実際憑霊使いの弱点は憑依霊だけどな。」
「そうかい…」
柊哉は不知火の目を睨みつけ起き上がった。
「そんなに悠長にしてていいのかな?もう火は胴体にまで来てるけど?」
「は…?」
柊哉の脚から胴体にかけてを青白い光が包み込んでいる。
「柊哉!」
「やっぱり来るよなぁ!?」
不知火は炎を飛ばししゃくちゃんを燃やす。
「これで憑依霊はいなくなったな…」
しゃくちゃんから発せられる煙が消えた。
そこには青白い光を失った柊哉としゃくちゃんが立っていた。
「なに…!?憑依霊は燃やしたはず…」
「狂乱憑識…しゃくちゃんは複数いるんだよ!」
「狂乱憑識だと…いつの間に!?」
「さあ…仕切り直しだ。」
柊哉は不知火の顔面に拳を叩き込んだ。不知火は鼻血を垂らしながら立ち向かう。
「そうかそうか。そこまでやるか…じゃあ俺もガチになっちゃうぞ!」
周囲の気温が上がる。不知火の体は青白く発光した。
「なんだ…なにかが変だ…!!」
「ふふふ…さあ、恐れ慄け!」
不知火の手に炎が集まってくる。やがてそれは剣を模ったものになった。次に不知火の周りに火球を漂わせた。
「もう関係ない!行くぞ!」
「うん!」
柊哉は不知火に近づいた。
「近接しかできないのか…?」
不知火は炎の剣で応戦する。
「残念ながらリーチはこちらに分があるようだな。」
「それはどうかな?」
柊哉は不知火の目を見つめた。
「…しまった!?」
「狂乱憑識!」
柊哉はさっと距離をとった。そして、しゃくちゃの近くにいった。
「あんたが剣ならこっちは銃だぜ!」
しゃくちゃんは指鉄砲を構えた。しゃくちゃんの人差し指から弾が放たれた。
「そんなの、俺だって同じことをするに決まってるだろ!」
不知火は剣の切先から炎の弾丸を放った。
二つの弾は相殺した。
「あんた…なかなかやるようだな。」
「へっ…よく言われる。」
「うわ、言わなかったらよかったかな。」
「もっと言ってくれよ。」
「もう言わない。」
「ちっ…言えよ!」
しゃくちゃんが指鉄砲を放つ。それに便乗して柊哉が近接戦を仕掛ける。
「うお!びっくりした…」
「油断したな!」
柊哉は不知火に殴りかかる。不知火は腕で受け、蹴りを喰らわす。怯んだ柊哉に炎の剣で切り掛かる。
「ぐっ…」
柊哉は焼けるような痛みに襲われた。
「さらに…これをあんたにあげようかな。」
不知火は周りの火球を柊哉に向かって放った。
「うわっ…!まじか…!」
柊哉の目の前に火球が迫り来る。
「柊哉!」
しゃくちゃんが目の前に立ち柊哉を守った。
しゃくちゃんから煙が立ち込める。
しゃくちゃんは残り1人。
「あ!忘れてた。憑依霊が3体いたんだった…うわーミスった〜。」
柊哉は煙に紛れて不知火に蹴りを喰らわした。
「う…」
柊哉は流れで顎に拳を喰らわし、腕からしゃくちゃんの腕を伸ばして不知火の首を掴み、睨みつけた。
「ぐ…」
「さあ…お前ももう終わりだ!」
「さあ…どうかな?…俺に変わったところはあるか探してみたらどうだ?」
「意識を逸らそうとしても無駄だぜ。」
「あーあ。せっかくヒントを出してあげたのに。」
不知火の手にはさっきまで持っていた炎の剣がなかった。その剣が上からしゃくちゃんの腕に向かって落とされた。
「…やばい!」
柊哉は上から降ってくるその剣を避けきれなかった。
「うわあああ!あつい!」
「だから言ったのにさ。」
柊哉が怯んだ隙に不知火は土手っ腹に拳を叩き込む。
柊哉は焼けたような痛みに襲われながらアスファルトに叩き落とされた。
「あんたももう終わりかな?じゃあ、殺すわ。」
不知火は柊哉に向かって走る。
柊哉は立ち上がった。
「おお。まだ動けるか。じゃあもう一発喰らわすまでだ!」
不知火は柊哉の顔面目掛けて拳を放った。
柊哉はそれを間一髪で引き、地面に背中から倒れ込んだ。
「部分憑依!」
柊哉の腕からしゃくちゃんの腕が伸びてきた。その腕は不知火の腹に到達した。
「…は?」
しゃくちゃんの掌から炎が勢いよく飛び出した。その炎は不知火の腹部を貫通した。
ーー柊哉が不知火の首を掴んだ時、狂乱憑識をした。その時、しゃくちゃんの認識が書き換えられたのだ。
不知火はその場に倒れ込んだ。
「はあ…やったな…」
柊哉は不知火を縛り上げ、黒霧島にメールした。
「強かったね…でも、勝ててよかった。」
「いや、まだこれからだ。尋問をする。」
「そうだった。いこ?」
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2人は支部に戻ってきた。支部には人が誰もいなかった。
柊哉は不知火を取調室の椅子に縛り付けた。
「おい、起きろ。」
柊哉は不知火の頬をはたいた。
「…う、うーん。」
「起きたか。今からお前に尋問をする。」
「なんだ…何も話すことはないぞ?」
「お前、"草薙京平"を知ってるな?」
「くさなぎ…きょうへい?…だれだ?」
「惚けるな。お前の懐に入っていたこれ、仮面だろ。京平も仮面をつけていた。なんの関係があるんだ?」
柊哉はペストマスクを取り出した。
「な…それを返せ!」
「返せと言われて返すやつがいるかよ。さあ、京平との関係を話せ!」
「………」
その時、扉の方から音がした。
(誰だ…?先輩が留守にさせたはずじゃ…)
柊哉は扉の方を見に行った。
そこには京平の姿があった。
「京平…!?なんでここにいる!」
「ちょっと用事だよ。そんなかっかすんなって。」
「黙れ!ここからは行かせるわけにはいかない!」
「そう。じゃあ、無理やりどかすわ。」
京平は柊哉に回し蹴りをかます。
柊哉は地面に叩きつけられた。
その隙に京平は護符を壁に投げつけた。護符から鎖が飛び出し、その鎖で柊哉は拘束された。
「くそ!離しやがれ!」
「残念ながら、無理な話だな。」
京平は取調室に入っていった。
「!?」
「草薙さん…!」
「君さぁ…なに捕まってんの。」
「すみません…」
「すみませんじゃないの。君、もういらないから。」
「い…いらないって…?」
「そのままの意味だけど?」
京平は懐から拳銃を取り出した。
「あ、おい…やめろ…」
「やめろ?口の利き方がなってないよ。」
京平は引き金を引いた。
大きな銃声が部屋中に響き渡る。
不知火の脳天に鉛玉がめり込んだ。
「びっくりした……………くさっ!もうなんだよこれ…二度と使わんわ…」
京平は拳銃を机の上に置き、取調室を出た。
「まて…これを解け…」
「それは30分で勝手に解ける。それまで待て。」
「待って…京平さん。」
しゃくちゃんが京平に話しかける。
「なに?しゃくちゃん。どうかした?」
京平は優しく聞き返した。
「あの時、全員殺したって言いましたよね…」
「そうだけど?」
「じゃあ、あなたの親友の"勾一さん"も殺したんですか…?」
「…………」
京平は黙りこむ。
「しゃくちゃん…ごめんな…」
京平はしゃくちゃんの肩に手を置きそういった。
そして大幣で壁に裂け目を作り出した。
「え…?それって…?」
「またね。柊哉、しゃくちゃん。」
京平は手を振り裂け目の中に消えた。
ーー京平は別れを惜しむ時の目をしていた。
この作品にAIのタグみたいなやつをつけるとしたら多分「AIの補助利用」だと思う。
でも、補助利用といってもAIを使ってることに対してどうしてもマイナスイメージを持つ人もいるからどうなんでしょうね。




