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浄霊討魔譚  作者: 雷鳥
東京編
33/57

鬼火

侵掠すること火の如く、知り難きこと陰の如し…

翌日ーー


「先輩?不知火はどうなりました?」

「ああ….昨日はお前に頼んだけど、どこにいるとかは言ってなかったから無理だったな。」

「確かに…なにやってんすか。」

「すまんすまん。今日こそはちゃんと情報掴んだから。」

「それは良かったです。で、どこですか?」

「今、渋谷109付近でやってる"大妖怪展"ってわかるか?」

「はい。広告出てるやつですよね?」

「ああ、どうやらそこに来るらしい。そこにはあるヤクザの若頭がお忍びで来るらしくてな、そいつを狙って不知火がやってくるってわけだ。」

「なるほど…では、行ってきます。」

「おう、捕まえた後はここに連れて来い。空にしておく。」

「わかりました。行こうしゃくちゃん。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

渋谷109付近、"大妖怪展"…


妖怪展といってもおどろおどろしい雰囲気はなく、どちらかといえば子供向けな、テーマパークのような雰囲気を放っていた。


「ねえ見て!カッパだよ?」


しゃくちゃんは河童の着ぐるみを指さして言った。


「なんか思っていたのとちがうね…」

「そうだね…もっと屏風とかが厳かな雰囲気で飾ってあるものだと思ってた。」


2人は周りに注意しながら見渡した。

大妖怪展は、堅苦しいイメージのある古典的な妖怪をできるだけポップに紹介することをモットーとした展示会で、子どもも大人も楽しめる。

会場はテロップや着ぐるみで埋め尽くされており、わかりやすく妖怪を紹介している。


そんな中、2人が目をつけたのは4人。


1人目は端でコソコソと電話をしている男性。

理由はシンプルに怪しいから。


2人目はサングラスをかけて黒服を着た男性。

理由はシンプルに怪しいから。しかし、その男性はヤクザの若頭の護衛である可能性もある。


3人目はここの職員の女性。

理由はなんか怪しいから。何が怪しいかとはいえない。いわゆる直感というやつだ。妙なのが、基本的に着ぐるみの近くにいるということだ。


4人目はさっきから後ろをつけている人。

理由は後ろをつけているから。当たり前である。


「とりあえず4人ほど怪しい人はいるけど、誰が不知火かはわからないな。しゃくちゃん、何かわからない?」

「うーん…あんまわかんないけど、この会場全体がなんか変な匂いがする。前柊哉と食べに行った焼肉屋の匂いかな…?」

「焼肉…?」


その時、1人目の男性が非常階段の方に行った。


(非常階段に行ったな…)

(おっかける?)

(いや、ほかの3人の様子を見てからにする。)


2人目の男性はその場を動いていないようだ。


(あいつは、多分若頭の護衛なんだろうな。)

(うん、だからわたしたちには手出しはしないよね?)

(ああ、おそらくな。)


3人目の女性はさっきとは違う着ぐるみの近くにいた。


(あの人、河童の着ぐるみの方に移動したね。)

(ああ…移動したからと言って何が怪しいかといえば全然怪しくないけどな。)


4人目の人も相変わらず後ろをつけているだけだ。


(うしろも変わらず…)

(じゃあ、行ってみる?)

(そうしようか。)


2人は非常階段のドアを開けた。

そこには1人目の男性が電話を見つめていた。


(なにしてるんだ…?)


その時しゃくちゃんはある匂いを感じ取った。


(ねえ、なんかこの部屋焼肉屋みたいな匂いしない?)

(また?)

(いや、さっきより強くなってる…)



突然男性のシャツから青白い炎が現れた。それは静かに燃えていた。


「「!?」」


青白い炎は男性の体を素早く包み込み、悲鳴を上げる間もなく全身に回った。2人が駆け寄った頃にはもう真っ黒な人影しか残っていなかった。


「急に発火した…?」

「おそらく、不知火だ。」

「不知火…」


2人は手袋して焼死体の懐を探った。胸ポケットから手帳を見つけた。


「警察手帳?」

「張り込みをしていた警察官だったのかな…?」

「そうだろうな。」


2人は非常階段を後にして展示会場に戻った。

2人は例のヤクザの若頭らしき人を発見した。


「あの人かな?若頭。」


しゃくちゃんの目線の先には高そうなスーツで身を包んだオールバックのお兄さんがあった。そのすぐ近くに2人目の男性もいた。


「そうだろうな。そして、あのサングラスの男性は護衛のようだ。」

「そうだね。じゃあ、他の人に焦点を当てよう。」


2人は3人目の女性に注目した。女性は今度は一つ目小僧の着ぐるみの近くにいた。


「また移動してるね。」

「ああ、なんか移動量が多いな。」

「近づいてみる?」

「そうしてみよう。」


2人は3人目の女性に近づいてみた。その女性の隣を通りかかる時、しゃくちゃんはある違和感に気づいた。


「この人ってさ、何してるのかな?」


その女性はスタッフの格好をしているが、何かをしている様子はなく、ただただ着ぐるみの近くに立っているだけだった。


「うーん…ますます怪しいな…」


2人は女性から離れ、遠くから観察することにした。



その女性が今度は唐傘お化けの着ぐるみの方に移動した。その時、会場内にアナウンスが流れる。


「"今から百鬼夜行を行いまーす!」

「百鬼夜行?」

「多分、遊園地とかのパレードに近いものかな?」


奥のスタッフ専用の扉が開く。その中から大量の妖怪の着ぐるみが登場した。先陣を切っているのはイルミネーションを施された"朧車"である。

その後に続いて続々と妖怪が出てきた。


「おお。すごいね。」

「あんま屋内でするものじゃないけどな…」


パレードにはさっきまで会場にいた唐傘お化けや河童、一つ目小僧の姿もあった。

しかし、女性の姿はなかった。


「ねえ、あの女性は?」

「あ…見失った。…いや、あそこにいる。」


その女性はパレードの観覧客を押さえつけていた。


「あぶねー見失うところだった。」



「若。この後ですが…」

「話しかけるな。今はパレードの時間だ。」

「すみません。」


若頭はネクタイを緩めた。


パレードでは、妖怪の着ぐるみが風船を手渡すという内容が取り行われていた。


「風船…」

「いらないよ?」

「知ってるよ。」


パレードの妖怪たちは若頭がいる方に目線を向けた。

若頭は嬉しそうに手を振っている。


「若頭、楽しそうだね。」

「そうだな…」


パレードも終わりを迎え、人々の歓声も落ち着いた。


「若?どうしました?」

「暑い。なんか冷たいものを買ってこい。」

「かしこまりました。」


2人目の男性は自動販売機の方へ向かった。

若頭の顔には汗がはっきりと写っている。

その時、しゃくちゃんが何かを感じ取った。


「ねえ、なんか焼肉屋の匂いしない?」

「!?」

「ま…まさか…!?」


2人は会場を見渡した。違和感はなかった。2人は安堵した。


「…?なんだ…これは…」


若頭の首筋には青白い光があった。それは身体中に這い回るように広がり、次第に全身が青白く光る。


若頭は静かに倒れ込んだ。地面からは青白い光が発せられている。


少し経ってから悲鳴が聞こえてきた。その悲鳴の方向には2人目の男性がいた。


「なんだ?」「きゃー!人が!」「焦げ臭っ!」


そこにあったのは焼死体だった。その焼死体からは微かにスーツの跡が見えた。そのスーツは一見すると高級そうなスーツだった。2人目の男性から冷えたペットボトルが滑り落ちた。床には水滴が付いていた。


「まさか…!?若頭が…?」


すぐにサイレンの音が聞こえてきた。すると、しゃくちゃんは柊哉を連れて会場の外に駆け出した。


「どうしたの?」

「いいから来て!」


しゃくちゃんに言われるがまま外に出るとそのまま路地裏に連れて行かれた。


「あれ…?見失った…」

「ええ…なにしてんのん。」

「ごめん…」

「ん…?何かが聞こえてくる?」


2人は声のする方を覗きこんだ。


「任務は成功です。では、報酬は口座の方にお願いします。」


そこには河童の着ぐるみがあった。しかし、その着ぐるみは動いていなく、中の人もいなかった。なぜかというと、中の人とは電話をしている彼だからだ。柊哉は彼の前に飛び出した。


「そうか…あんたが不知火か。」

「ん…?誰だお前。」

「暗殺者なんかに教えるわけにはいかないな。」

「そうか…俺の正体を知っているのか。」

「ああ、まさか着ぐるみの中にいるとはな。全く、死角だったぜ。」

「ははは。すごいよな。我ながら天晴れだ。」



2人の間に沈黙が流れた。


「もういいか?帰っても。」

「ダメに決まってんだろ。」

「はぁ〜…だる。クソガキ、仕事の邪魔をするな。」

「すまんな。俺の仕事はここからなんだ。」


2人の目線は鋭いものとなった。今、戦いの火蓋は切られた。

なんかAIを使うと表記しないとダメになるらしいね。

AIに全てをやらせて投稿だけするみたいなのはダメだけど誤字の指摘くらいは許してほしいよね。

まあ、この機会にAIから独立するのもありかもね。

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