蝋燭の灯火
人面犬の任務から約1ヶ月。
ーー柊哉は京平の情報を求めて秘密任務を行う!
「「「ハッピーバースデートゥーユー」」」
「「「ハッピーバースデートゥーユー」」」
「「「ハッピーバースデーディア柊哉〜」」」
「「「ハッピーバースデートゥーユー」」」
「さあ、火を消して!」
柊哉は蝋燭に息を吹きかけ、火を消した。
「「「お誕生日おめでとー!!」」」
「ありがとー!俺もこれで20歳!酒飲むぞー!」
柊哉はビールのプルタブを開け、飲んだ。
「うわっ…!なんだよこれ!美味しくない!」
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人面犬の任務から1ヶ月が経ったある日。
柊哉にある任務が科された。それはある人物の捜索。
そして、捕らえて尋問する。
「なんですかそれ?」
「"不知火"、やつはそう呼ばれている。」
「でもなんでそいつを尋問するんですか?」
「なにやらそいつは"仮面"をつけて行動をする。」
「仮面?」
「そうだ。やつも"仮面"を付けていたよな?」
「!?」
柊哉は背筋が凍りつくような感覚に侵される。そしていやな記憶も蘇ってきた。
「京平か…」
「そうだ。そいつと何か関わりがあるかもしれない。だからお前に頼んでいる。」
「わかりました。」
「これは"部長にも"言っていない。"秘密の任務"だ。わかったな?」
「もちろん!しゃくちゃん。行くよ。」
「うん!」
黒霧島は柊哉を送り出した。
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「"不知火"…そいつは裏社会で暗殺を生業としている雇われの殺し屋。実力は確かで、これまでに失敗した暗殺はない。…だって。勝てるのか?」
「わかんないね…」
「うーん…しょうがない。教官のところに行くか。」
柊哉は黒霧島にメッセージを送った。
「"多分勝てそうにないんでまた教官のところに行っていいですか?"」
「"しょうがない、任務はまた明日な。"」
「耐えた〜。じゃあ行こう。」
二人は大学病院に向かった。
「まさか卒業後にこんなに行くとは思わなかったな。」
「ね。確かここのボタンだよね?」
「そうだな。」
しゃくちゃんは非常電話ボタンを押した。
二人は祠があるフロアについた。
「教官、また教えてください。」
「え?また来たのか…?」
「はい。」
「そうか…また教えるのか…わかった。」
教官はしぶしぶ協力した。
「だら姉〜きて〜。」
「なに〜?寝てたんだけど…」
「八尺瓊だ。」
「ああ…今度は何を教えるの?」
「うーん…どうしようかな?」
姦姦陀螺はしゅるしゅるとしゃくちゃんに這い寄る
「ねぇ、しゃくちゃん?」
「はい?」
「あなたの力ってどんなの?」
「わたしの?そうですね…"体を自在に変える"…ですかね?」
「?どんな感じ?」
いまいちピンと来ていない姦姦陀螺はしゃくちゃんに説明を求めた。
「例えば、身長を自在に変えたり、声帯を変えたり、筋肉量を変えたり、って感じですね…」
「それって、例えば手を剣に変えたりとかはできないの?」
「多分できないと思います…」
「そうか…」
姦姦陀螺は教官の側により耳打ちする。
「どうしよう、しゃくちゃんの力、あんまり応用が効かなそうだけど…」
「そうだな…じゃあ"アレ"やるか。」
「"アレ"ね。」
姦姦陀螺と教官が横並びに立った。
「今からお前たちに教える技術だ。よく見とけ。」
「「はい!」」
二人は教官を凝視している。しかし、何も起こらない。代わりに姦姦陀螺の輪郭が徐々に滲んでいくのがわかった。
「なんだ…?輪郭が…?」
滲んだ輪郭はだんだんと増えていき、ついには二体目の姦姦陀螺が姿を現した。
「は…!?」
姦姦陀螺は次第に姿を増やしていく。最終的には15体までになった。
「これは…?」
「憑依霊の認識を狂わせて数を増やすの。」
「"認識を狂わせる"…?」
「そう。これは相手の精神に作用するんだけど、相手が思い描いている霊への認識を変えて本来とは全く違う認識に"書き換える"。これがこの技術の種。」
…
柊哉は考えていた。この技術、何かがおかしい。
「説明されて認識を改めたはずなのに分身は消えないですよね?なんでですか?」
「お!よく気づいたね。」
姦姦陀螺は嬉しそうに言った。
「これ、実は"霊本体の霊体を変える"ことができるの。」
「つまり?」
「相手の認識を変えることで、その霊の霊体は相手の認識の形になるの。」
「え…それは一定時間で戻るんですか?」
「いや?相手にまた同じことをしないと戻らないよ?例えば今ここでこれを解いてみるよ?」
姦姦陀螺は柊哉を見つめた。次第に15体の姦姦陀螺は一つに収束していき、最終的には一体になった。
「いま、あんたの認識を戻した。"狂わされた認識は狂わせた本人にしか戻せない。"これを覚えておいて。」
「はい。」
「じゃあ、やってみろ。俺にかけるんだ。」
「やってみます。なんかコツとかは?」
「これは基本的に憑依霊が行う。さっきはなぜか知らないが俺の方を見ていたので、だら姉が俺の目に部分憑依してかけた。が、基本的には憑霊使いはできない。」
「なるほど…じゃあしゃくちゃんだ。」
「わたしだね…」
「じゃあコツを教えるよ?」
姦姦陀螺は腕を蛇のようにしゃくちゃんの肩に這わせた。
「まずは相手の目をしっかり見る。今は寛ちゃんの目を見て?」
耳元で囁きながら教える。
「次に寛ちゃんの黒目に向かってエネルギーを放出して。そのエネルギーは細く、小さく出すのよ?」
「細く…小さく…」
しゃくちゃんは集中している。そんなしゃくちゃんに姦姦陀螺は囁く。
「そして、瞳に映った自分を思い描く自分に書き換えて。今回はしゃくちゃんを2人にして?」
「わたしが2人…」
しゃくちゃんの目には教官の瞳に映る2人に増えた自分が見える。
「そこで細さはそのままでエネルギーの勢いを強くして?」
「強くする…!」
しゃくちゃんの隣にはもうひとりのしゃくちゃんが現れた。
「成功だ…!」
「成功したな。しかし、これでは実戦ではまるで使えん。なんせ発動までが遅すぎるからな。」
「ええー…」
「だからこれからは慣れる作業だ。だら姉はこの作業を2〜3秒でできるぞ。」
「はや…!」
「まあやってみろ。」
「はい。」
しゃくちゃんは必死になって練習した。
「教官、これって俺もできますか?」
「したところで何をするんだ?」
「いや、強くないですか?」
「ねえねえ、寛ちゃん。この子もう1分切ったよ!」
「はんや。まじで?」
練習開始1時間、発動までの時間は53秒。
「ここまで成長が早いなんて…しかも、八尺瓊との息がさっきからあってることが多い…」
教官はある結論を出した。
「お前たち…もしかして"セックス"した?」
「え!?いきなり何を言うんですか?」
「俺は真剣に聞いている。」
「…したよ。」
「やっぱりか。この前より確実に憑依霊との一心同体が進んでいる。このままだとあと2時間しないうちにだら姉のタイムは越すな。」
「えー。嬉しいような悲しいような…」
ーー練習開始2時間、発動までの時間は2秒。
「は…はやい…」
「まさかだら姉の発動スピードを超えるとはな。驚きだ。」
「やはりな、八尺瓊との同調が進んでいる。だから成長も速い。」
「えへへ…」
しゃくちゃんは若干気まずそうに笑った。
「じゃあ、応用までいけるな。前やった部分憑依との応用だ。私たちが見本を見せた時にやったことだ。八尺瓊の体の部位に憑依霊の目を憑依させる。」
「難しそうですね…」
「いや、そんなことないぞ?多分今のお前たちなら余裕だろう。」
「ほんとですか?」
「ほんとほんと。やってみて。」
柊哉は教官の目を見つめた。しゃくちゃんの目を部分憑依させた。しゃくちゃんは認識を狂わせた。しゃくちゃんの姿が増えた。
「ほらな?」
「すごい簡単にできた…!」
「これでもうできるな。」
「ちなみに、部分憑依みたいにこれにも名前があるんですか?」
「うーん…たぶん"狂乱憑識"みたいな名前だったはず。あんま覚えてないけど。」
「わかりました。これで呼びます。」
「お、お前技名を呼ぶのか?」
「そうです。アニメとかで叫んでるじゃないですか。」
「そうだな。それは正しい。黒霧島も鴉とか蜘蛛とか叫んでるだろ。あれは"言霊"の力で強くしてるんだ。ほら、霊体を崩す時とかと同じだよ。」
「なるほど…よかった叫んでて…」
「あと、憑依霊。お前にこれをあげよう。」
教官は布に包まれた棒状のものを渡した。
「これは?」
「憑依霊専用の還具、"浄槍"だ。」
「浄槍?」
「そうだ。この槍は憑依霊の一部とすることができる。つまり、認識を狂わせて数を増やすとこれも増える。」
「なるほど…だから憑依霊専用の還具なんですね。」
「そうだ。」
「でも、だら姉さんは使ってないですよね?」
「ああ。だら姉の場合は、元々"神具"を使っている霊だったからな。別にそれを使う必要はなかっただけた。」
「まあわたしは巫女だからね〜。」
姦姦陀螺は笑いながら言った。
「では、俺たちはこれで。今日はありがとうございました。」
「おう。じゃあな。」
2人は帰っていく柊哉としゃくちゃんを見送った。
「ふーん。したんだ、セックス。」
「したらしい。」
「うーん…やっぱりあの2人、"アレ"だね。」
「そうだな…」
まだ任務してないやん。前書き嘘つくなよ。




