犬対策バッチリ
人の顔を持つ人面犬。それは噛んだものを仲間に迎え入れる…
東京支部ではそんな人面犬に対抗策を出す!
喜多方と山形は支部に戻ってきた。
「あれ?どったの?」
「一旦戻ってきました。」
「一旦?」
「一旦。」
「そう。で、なんか用?」
蛭間はハンバーガーを食べながら喜多方に問いかける
「人面犬なんですけど、危険らしいんですよ。」
「うん。」
「なんか噛まれると人面犬になるらしいです。」
「へぇ…」
「聞いてます?」
「きいてるきいてる」
蛭間はハンバーガーを頬張った。
「だからどうしようかなって感じです。」
「ふーん…」
「先輩どうします?部長使い物にならないっすよ。」
「うーん…僕たちでなんとかするしかないかなあ…」
「…あ、山形くん。いいこと思いついた!」
ハンバーガーを飲み込み言った。
「メリーさんってさ、人形を乗り換えられるのよ。」
「そうなんですか?」
「そうよ。」
「知らなかったです。」
「それで?どうするんですか?」
喜多方が聞いた。
「メリーさんにやってもらうの。」
「え?なんでよ。いやよ犬の捕獲なんか。」
「だってメリーさん人形だから噛まれても平気じゃん。」
「そんなことないでしょ…」
「噛まれても大丈夫な素材の人形を使うの。」
「あっそう…」
「てことで、メリーさんが入る用の人形を探してきてみたら?」
「わかりました。」
喜多方と山形は黒霧島に相談しに行った。
「…てことがあってね。」
「なるほど…人形か。なんかあるか?」
「ミカちゃん人形とか?わたしんちにいっぱいあるし。」
「ばか、あんな小さなサイズの人形がどうやって犬を捕まえるんだよ。」
「そっかあ…」
雲井はしょんぼりした。そこに柊哉がやってきた。
「マネキンとかどうですか?」
「マネキンかあ…いいじゃん。」
「八尺瓊持ってんのか?」
「持ってるわけないじゃないですか。」
「じゃあなんで言ったんだよ。」
「なるほど、マネキンサイズのやつならいいのか…先輩。俺ちょっと持ってきますね。」
「おお。」
山形は人形を求めて出かけた。
「人形ねぇ…」
黒霧島は後ろめたさを感じ、目元を暗くした。そんな黒霧島に雲井が絡む。
「先輩にはわたしっていう人形がいるからね?」
「いらない。」
「着せ替え機能もあるよ?」
「いらない。」
「山形くんは何を持ってくるんだろうね。」
しゃくちゃんは柊哉に尋ねた。
「うーん。マネキンサイズのやつなら…っていってたからマネキンみたいなやつじゃない?」
「例えば?」
「えー?わかんないわ。」
「わかんないの?」
「わかんない。」
二人がしょうもない話をしていると、ドアが開く音がした。そこには大きな荷物を抱えた山形がいた。
「ずいぶん大きい荷物だね。」
「はい…疲れました…」
「で?何が入ってるんだ?」
黒霧島は興味深そうに尋ねた。
「これ、父の部屋にあったやつなんですけど…」
山形が荷物を開けた。そこには人間サイズの人形が入っていた。それは、人間の肌のような感触を持った人形、俗にいう"ラブドール"だった。
「ラ…ラブドール!?」
柊哉は予想外の荷物に驚きを隠せない。雲井は胸を撫で下ろしながら不安げな顔をした。
「確かに人間サイズだけど…」
「しかも、人間のような見た目。完璧でしょ。」
山形は鼻を高くしていった。
「先輩はラブドールよりわたしを選んでくれますよね…?」
「どっちもいらない。」
「じゃあ…メリーさん。お願いできますか?」
「わたしより胸が大きい…健人はこれがいいのかな…」
「メリーさん?」
フランス人形は完全に上の空であった。
「ああ…任せといて。」
フランス人形はラブドールに手を当てた。フランス人形の手からエネルギーを放出した。
しゃくちゃんと柊哉の鳥肌が立った。黒霧島は、鳥肌こそ立たなかったが、なにかやばいことが起きていることがわかった。
ラブドールは大きなエネルギーに包まれた。が、それは次第に小さくなっていった。エネルギーが小さくなるにつれてしゃくちゃんと柊哉の鳥肌も治っていく。
メリーさんの意識はラブドールに行った。ラブドールの眼球は動き出し、手先も人間のように動くようになった。
「おお。これはすごいな。」
黒霧島は珍しく前のめりになった。雲井はそれに嫉妬した。
口や舌も人間のように動くようになった。ラブドールは山形に人間のように歩いて近づき、手を取った。
「どう?人間みたい?」
「すごいです…」
圧巻である。まるでメリーさんが人間になったようだった。
「メリーさん?」
「なあに健人?」
「その状態ってご飯食べれるんですか?」
「うーん…どうだろうね?」
「試してみますか?」
そういうと山形は蛭間のポテトを一つ盗んだ。
「あ!それわたしのポテト!返してよ〜。」
「一つぐらいいいじゃないですか。」
「はい。どうぞ。」
「ありがとう。」
蛭間から盗んだポテトをメリーさんに与えた。
メリーさんはポテトを食した。
「ああ…わたしのポテトが…」
「しっかり食べれるんですね。」
「山形くん?」
山形は背後から凄まじいオーラを感じて背筋が凍った。
「あ…あの…買うんで許してください…」
「ならゆるそう。」
蛭間の表情は一気に和らいだ。
「ぜったいだからね?」
「わかりましたよ。」
「ねえねえ健人?」
「なんですか?」
「わたしさ、人間になったらしたかったことがあるんだ…」
「はい。なんですか?」
「そ…その…わたしと"デート"してくれない?」
一瞬世界の時が止まった。
4人は顔を見合わせ驚愕した。
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「ふーん…デートなぁ…」
「わたしとデートいく?」
「ばかいうな。俺とだら姉と一緒にいたらパパ活だと思われるだろ。」
「だめかー。」
「だめ。それにしても、霊とデートねぇ…」
「これってさ。メリーさんさ。ちょっとさ。」
「だら姉はっきり言って?」
「ごめん。なんかさ、メリーさん"は人間になりつつある"よね?」
「うーん…"霊が人間に"ねぇ?そんなことがあるのか甚だ疑問だな。」
「うん。今はラブドールに入っていてジェネリック人間って感じだけどさ、これが例えば"人間の死体"とかに霊が入ると"霊が人間になる"んじゃない?」
「ああー…そうなると、霊が"霊体なし"で存在できるのか。俺みたいな憑霊使いとはまた違った形になるんかな?」
「そうじゃない?寛ちゃんみたいな憑霊使いは自分も半分霊になることで憑依霊の霊体を固定化してるけど、人間の死体に入るとなると人間という固定化されたものに入るから霊にとってはそっちの方が良かったりして。」
「へぇ〜。」
「なんか、どうでもよさそうだね。」
「ちょっと眠いわ。」
「そう?じゃあ寝る?膝貸すよ?」
「まじ?ありがたい。」
昔見たよくわからんホラーゲームのせいで犬が結構トラウマなんですよね。




