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浄霊討魔譚  作者: 雷鳥
プロローグ
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プロローグ【浄霊師】

柊哉からしゃくちゃんと言う名前をもらった少女。京平は柊哉とその少女、しゃくちゃんに何か言いたいことがあるようだが…

翌日…京平が言っていたことを確認するために草薙神社へと向かった…


「京平さん、一体何が言いたかったのかな?」

「さあ?わかんないね。」


京平の言動に困惑をしながら草薙神社に着いた。

そこには京平と勾一が待っていた。


「話ってなんだ?」

「良くぞ聞いてくれた。」

「あんたが意味深に帰ったんだろ。」


思わず勾一が突っ込んだ。


「お前ら、浄霊師になりたくないか?」

「「浄霊師??」」


突然未知の単語が飛び出してきたもんだから2人は思わず聞き返した。


「そう。浄霊師だ。」

「そうとか言われても、なんだよそれ。」

「漢字で書くとわかるかな?」

「じょうれいのじ(・)ょ(・)う(・)は浄化の浄だ。」

「うん。」

「そして!じょうれいのれ(・)い(・)は幽霊の霊だ。」

「そっちの方は大方予想通りだな。」


漢字で説明されたら少しはわかりやすくなったと柊哉は感じた。


「つまり、霊を浄化する人ってことか?」

「そうだ。それを浄霊師という!」

「でもなんでしゃくちゃんも呼んだんだ?」

「そうだよ。どちらかと言えば浄化される側だし…」


至極真っ当な疑問を京平に投げかけた。これで京平は2日連続で至極真っ当な疑問を投げかけられたことになる。


「仕組みを説明すると長くなるから省くけど、浄霊に

は霊の力を使う。」

「???なんだそれ。わけわかんねぇじゃん。」

「今はいいんだ今は!浄霊師になりたくなったらまた教えてもらえるから。」

「で、その霊の力はどう使うんだ?」


めんどくさいのか、京平の言葉をすぐに受け入れた。


「そうだな…色々あるけど、今のお前たちにおすすめするのは、"憑霊"だな。」

「なにそれ?」

「霊を取り憑かせるって意味だ。」

「え、まさか…」

「そうそのまさか、柊哉にしゃくちゃんを取り憑かせるのさ!」

「そ….それってどうなるんだ?」

「そうだな…簡単に言うと、体が霊とリンクする。」


生成AIみたいな言い方でとんでもないことを言いやがった!と柊哉は思った。


「一心同体ってやつか?」

「そうだ。この方法は霊の力を完璧に扱えるけどとても珍しいんだ。」

「私と柊哉が一心同体……//」

「どうする?憑霊させる?」

「憑霊させるとどうなるんだ?」

「お前は浄霊師になることが確定する。」

「それって給料でる?」

「当たり前だろう。職業なんだから。」

「職業…」


進路が決まっていない柊哉にとって職業が決まるというのは将来的に大切なことだ。

将来について悩む必要もなくなると言うのも良い。

だが、突発的に決めるのはよろしくないだろう。

しかし、柊哉にそんなことを考える隙はなかった。

将来の職業がこの時点で決まると言う事実だけが柊哉の心を支配した。


「俺、浄霊師になるわ。」


就職が決まった時とは思えないような軽い返事をした


「そうか。じゃあ、憑霊の儀式を始める。」

「憑霊させるとどうなるんだ?」

「それいま聞く?」


絶対タイミングが違う問いに京平は困惑した。


「憑霊すると、人間側は霊に、霊側は人間に近づく」

「霊に近づく?」

「そうだ。でも、しゃくちゃんの場合、元々人間に近いと言うこともあってあまり影響が出ないと思うぞ。」

「ならいいか…じゃあ、始めてくれ。」

「よっしゃ!いっちょやりますか!!」


京平は大幣と神楽鈴を持ってきて舞をした。

そこには普段の京平の雰囲気からは考えられない緊張感が走っていた。


(おお、すごい。オーラが一体化していく…)


舞の様子を見ていた勾一は不思議なものが見えた。

30分くらいして、京平の舞は終わった。


「体の調子はどうだ?」

「うお!なんか若干ふわふわしてる!」

「影響が弱いとそんな感じなのか…」

「これさ、もし影響が強かったらどうなんの?」

「そのまま霊になる。」

「え?なにそれこわい」

「まあ、相性もあると思うがな。お前としゃくちゃんは相性がよかったってことかもな。」

「////」

「これで憑霊は完了した。」

「用事はこれだけ?」

「いや、まだだ。」

「まだあんのかよ」


まだあるらしいですよ?


「ところで君。しゃくちゃんだっけ?」


京平は問いかけた。


「はい。なんですか?」

「君は自分の能力をどれだけ使える?」


京平がしゃくちゃんに問いかけた。どうやらしゃくちゃんには固有能力があるらしい。


「ある程度は使えると思います。」

「ちょっと待て。なんだその能力って。」

「なんだ。教えてないのか。」

「はい。なんだかよくわからなくって…」

「じゃあ俺が代わりに教えてやろう。」

「君の能力、それは身長、声、体型を自在に変える能力だ。」

「ああ、だから最初見た時は男声だったし身長も高かったわけか。」

「そうだ。」

「え?ちょっと待ってください体型も変えられるんですか?」


京平は驚愕と落胆を含んだ視線をしゃくちゃんにむけた。


「知らなかった?」

「知らなかったです…」

「まあ一回やってみたら?流石にできるでしょ」


えげつないキラーパスを勾一が放つ。京平は若干引きつつもしゃくちゃんをじっと見る。


「や、やるんですか…?」

「やってみてよ。じゃあそうだな…筋肉質な体型になってみてよ。」

「や、やってみます…」


お題を課されたしゃくちゃんは緊張しながら能力を使った。しゃくちゃんの身体はみるみるうちに筋肉に飲み込まれた。まるで湧いて出たカビのようにしゃくちゃんの体を筋肉が包む。


「おお!すげぇ!」

「成功だな…と言うことは大体は使えると言うことか…」

「き、緊張した…」

「な、なぁ。その能力って俺も使えるのか?」

「ああ、おそらく使えるはずだ。」

「よし!やってみるぜ。」

「あー待て…今は使えない」

「ええーなんだよー。」


柊哉のワクワクは一瞬にして崩れ去った。


「お前な…憑霊してまだ一時間も経ってないのに使える訳ないだろ。」

「…まあ確かに…」


柊哉は腑に落ちた。腑に落ちてしまったと言った方が正しいかもしれない。柊哉にとっては受け止めたくない事実だったからだ。


「これで、俺の用事は終わりだ。」

「そう言えばもうそろそろ出発の時間じゃないか?」

「そうだな、家に帰ろう。しゃくちゃん。」

「じゃあ…またな…いつでも待ってるからな。」

「おう!」


背中を向ける柊哉としゃくちゃんに向けられた京平の眼差しはどこか父性を感じさせるものだった…


柊哉としゃくちゃんは家に帰った。家に着いた頃にはもう出発の準備は出来ていたようだ。


「一時はどうなるかと思ったが、柊哉が生きていてよかったわ。」

「そうだ…母さん。」

「どうしたの柊哉?」


突然の呼びかけに母は疑問を投げかける。


「俺、浄霊師になるわ。」


皆が固まった。母と父は心配そうに柊哉を見た。呆れた祖父が声を掛けてきた。


「柊哉。浄霊師というのは一般には知れ渡っていない職業だ。あんま言うもんじゃないぞ。」

「それを先に言ってくれよ。」

「んなもん知らんわい。お前が急に言うのが悪いんだろう。」


小声でコソコソ言っていると父が口を挟んできた。


「まあ…進路が決まったのは良いことじゃないか。」


その父に対して柊哉も口を挟んだ。


「あと、しゃくちゃんも都会《あっち》に連れていく。」


「「「「は、はぁ〜!!?」」」」


皆んなが息を揃えて驚愕した。リズムゲームだったら1番いいスコアが出るくらいには息が揃っていた。その後すぐに静寂が訪れた。対の現象が短いスパンで起こったのだからよほどの衝撃だ。その静寂をいの1番に破ったのは祖父だった。


「お、お前….まさか…憑(・)霊(・)させたのか?」

「そうだよ。俺にはしゃくちゃんが憑依している。」

「まじかお前…まじで憑依してるのか…」

「そ、その憑霊ってなんだ?」

「簡単に言えば、俺としゃくちゃんが文字通り一心同体になったって訳だ。」

「つまり…?どう言うことなの?」

「俺の体は半分しゃくちゃん。つまり、半分は幽霊?なんだ。」


両親は驚きのあまり声が出ないようだ。そんな両親を見かねて祖父が口を挟んだ。


「まあ、柊哉が決めたことだ。いいじゃないか。」

「で、でも…そんなことって…」

「自分のことなんだから自分で責任を取る。それが大人ってもんだろ。柊哉は大人になったんだ。」


両親は言いたいことが山ほどあるだろう。明らかに動揺しているし、口もモゴモゴしている。


「まあ、俺1人じゃなくて、しゃくちゃんもいるし、大丈夫だよ。」


両親も飲み込めたようで、ようやく口を開いた。


「そうね、自分で決めたんだもの、好きにしなさい。」

「さて、家に帰ったら部屋をどうするか決めないとな。」

「あっ…そうじゃん…」


予想だにしていないところで問題が発生した。部屋を増やすにも増やせないし、かと言って同じ部屋といってもベッドが足りない。


「正直なところ、そこが一番な問題だぞ。」


父が浅く絶望しながら言った。


「まあ、最初はシングルで2人寝るよ。しゃくちゃんもそれでいい?」

「私はそっちの方がいいかな///」

「いや普通に寝づらいでしょ…」


問題点を有耶無耶にしたところで、両親と柊哉、そして新しい家族のしゃくちゃんは家に帰った。


プロローグ圧縮したら3話にまとまったわ。やっぱ分けるべきじゃないね。

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