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浄霊討魔譚  作者: 雷鳥
プロローグ
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プロローグ【邂逅】

草薙神社からの帰り道。謎の人物を目撃した。そんな話をしていると、祖父がいきなり声色を変えて質問をしてきて…

「???なにそれ。」

「八尺様というのは悪霊だ。そいつはお前を気に入ったらしい。」

「は…?わけわかんねぇよ…」


そうしているうちに京平が到着した。狭い村というのは非常に便利なものだ。


「権蔵さんどうしたんですか?お札と塩を持ってこいだなんて」

「柊哉が八尺様に魅入られた。」

「なんですって!?それは大変だ!」

「何なんだよ一体!?」


柊哉は状況が飲み込めずにいる。


「いいか柊哉。今日は屋根裏部屋にいろ。睡眠もそこだ。」

「は?なんで。」

「お前を守るためだ。盛り塩と札も一緒に持って入れ。」

「わかったよ。いつまで?」

「明日の朝7時までだ。それまでは絶対に部屋を出てはダメだ。」


いつもとは違う京平の真剣な表情に柊哉は状況が飲み込めてきたようだ。


「わかった。盛り塩は持てないから持ってきてくれ」

「おう、理解したようだな。」


柊哉と京平は屋根裏部屋へと向かった。

そこは殺風景で、正面には小さめの仏壇、四隅には盛り塩。控えめにいって人が住んでいいところではない部屋だった。


「これまじ?ここで一晩?」

「まじだ。扉は開けるなよ?」

「それさっきも聞いたぜ。」

「まじだからな。この扉には誰も話しかけない。話しかけても開けるなよ。」

「わかったよ。スマホは?」

「一応いいぞ。」

「よかった。尚更この扉を開ける必要がない。」

「いいか?7時までだぞ?絶対だぞ?」

「わかった。わかったよ」


こんな感じで適当に会話していたが、内心は焦っていた。俺は死ぬのかも知れない。柊哉は気を紛らすためにスマホで動画視聴した。


権蔵は両親に事情を話した。


「そんな…」

「だからもうあいつがこの村に来るのはこれっきりだ。」

「悲しいけど、今は柊哉の無事を願うしかないよ。」


そういうと父は台所へ向かった。


「全く、薄情なやつだな。」

「あの人、あんな感じだけど多分内心すごく焦ってると思うよ。」

「そうか?」

「そうよ。皿洗いなんか滅多にしないのにさ。」


父が皿を洗っていると、玄関のドアが叩かれる音がした。


「和宏さん、気をつけて。」

「わかってます。」


父はゆっくりドアを開けた。そこには少女が1人立っていた。


「君は?」

「あの…柊哉くんいますか?」

「柊哉?お友達かな?」


少女は靴を見た。するとすぐさま靴を脱ぎ捨てて家に入っていった。


「ちょっと君!」


少女は屋根裏部屋へ続く階段の方に向かって走っていく。


「うわ!なんだ?」

「京平さん!そいつを捕まえて!」

「え?え?」


少女は京平の間をするりと通り抜けて扉の前まで来た。


「柊哉!鍵閉めろ!絶対に開けるなよ!」

「え…?」


柊哉は急いで扉の前に行き、鍵を閉めた。


しかし、その鍵はいとも簡単に開けられてしまった。


「え…鍵…」


柊哉は死を悟った。


(ああ…俺、呪い殺されるんだ…)


しかし、柊哉に訪れたのは死ではなかった。


「やっと会えた…柊哉…」


少女は部屋に入るとすぐに柊哉に抱きついた。


「………え?」

「わたしのこと、覚えてる?」


柊哉に訪れたのは死ではなく、友人との再会だった。


「……ああ!覚えてる!」


柊哉は完全には覚えていないが、断片的には覚えている。その少女とは昔よく一緒に遊んでいた。


「よかった…覚えていてくれて…」

「柊哉!」


京平と祖父が上がってきた。


「…………は?」

「どういうことだ?誰だあんたは?」

「なんか…俺の昔の友達。」


少女はニコニコしながら抱きついている。


「………いいか。柊哉。そいつが例の八尺様だ。」


京平は不思議な顔をして言った。


「………え?」


4人は一階に降りていった。


「え?じゃあ、あんた八尺様と知り合いだったの?」

「知り合いっていうか友達っていうか…」


気まずそうに柊哉が話す。横で少女は赤面しながら肩を寄せていた。


「そ…そうか。じゃあ、問題はないかな?」

「え…村に来たらダメみたいなのは?」

「八尺様がそんな感じだからなしだろう。」

「ああ…そう。」



静寂が訪れた。


「てかさ、この子名前は?」


勾一が静寂を破った。


「え…?知らないなぁ…」

「なんであんた知らないのよ。」

「いやだって…」

「じゃあさ、柊哉がわたしの名前決めて?」


少女は上目遣いで頼み込んだ。


「え?おれ?」

「まあ…霊には名前がないか…?」


京平は無理やり納得させた。


「うーん…八尺様でしょ…じゃあ…しゃくちゃん!」


あたりが静かになった。


「あんた、いくら八尺様だからって…」

「しゃくちゃん…!これがいいな…」

「この子はこれでいいらしいぞ?」


勾一が母に言った。


「ほんとにいいの?」

「柊哉がわたしのために考えてくれた名前だもん。どんな名前でも嬉しい…」

「あんた…いい子ね…もしよかったらわたしたちの家来る?」


母は感動して家に勧誘までした。


「ばか。それはできないな。」

「どうしてよ?こんなにいい子なのに!」

「八尺様というのはこの村に根付いた霊だ。実際にこの村には東西南北に地蔵があってな。それが八尺様を封じ込めてるんだ。」

「そうなんだ…」

「そうだ。お前たち。明日神社に来い。」


京平が急に話しかけてきた。


「え?なに?」

「いいこと教えてやるよ。じゃあ、夜も遅いし俺帰るわ。」

「え?いいことってなんだよ?」

「俺も京平んとこ泊まるわ。予想外の来客がいるしな。」


勾一も神社に向かうようだ。


「そうか。」

「おう。じゃあ柊哉。また明日な。」


そうして2人は神社に向かった。


「…さーて、お風呂入りましょ?」


母は風呂場へと向かった。


「俺たちはどうする?」

「わたし柊哉とお話ししたいな…」



(くそ…母さんめ。"ひさしぶりなんだから一緒に寝なさいよ"とかぬかしやがって…)


柊哉としゃくちゃんは同じ布団で寝ていた。


「柊哉?顔みたいな…」

「あーもう!めんどくせぇ!」


柊哉は勢いよく振り返った。


「ふふふ。顔赤い…」


しゃくちゃんは柊哉の顔に触れてそう言った。

そのうちしゃくちゃんは眠りについた。それを見届けた柊哉も続いて眠りについた。

東京編の"怪異と少年"っていう話を一番最初の話にしたいんだけどどうしらたいいの?

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