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プロローグ【黄昏】

夕方…逢魔時。魔に逢う時。柊哉は奇妙なものを見た…

もう空が橙色に変色した頃、柊哉は来た道を戻っていた。

夕暮れ時…一日の終わりを感じさせる時。人はその時に哀愁を感じる。しかし、人ならざるものにとっては人間との接触のチャンスが訪れる時。

そんな時間帯に、柊哉は奇妙なものを見た…

八咫家の塀の近くを差し掛かった時だ。白いキャペリンがその塀上に乗っているように見えた…

これだけ聞いたら普通に塀の上に帽子があるだけに思える。しかし、その帽子の付近から低い音が聞こえてくるのだ…まるで人間の声のように。


「ぽ…………。ぽぽ……………。ぽぽぽ…………。」


そんな声がしていたが、実際柊哉も大して気にしていなかった。誰かが「六本木〜GIROPPON」でも歌っているのだろうくらいにしか思っていなかった。


そのまま柊哉は家に着いた。




夕食だ。田舎らしく、山菜に、根菜など野菜が多めの食卓だ。外はもう暗く、カエルの合唱コンクールが行われていた。家族団欒の声は、カエルの合唱団の歌声を蹂躙するかの如く家中に響き渡る。


「どうだ柊哉。村を歩いてみてどうだった?」


祖父が柊哉に尋ねた。


「久しぶりにみんなに会えて良かったよ。」

「そうか、それは良かったな。」

「お前あの後無事に帰れたんだな」


いつの間にか横に座っていた勾一が言った。


「あんた、いつ帰ってきたの?」

「さっきだよさっき。京平と喋っててさ。」


母が心配そうに尋ねた。柊哉は勾一に質問した。


「そういえば、八咫家って何人いるんだ?」

「今は3人だろう。それがどうした?」


勾一が再度疑問を投げかけた。


「いやなんか、さっき八咫家の前を通ったら白い帽子の人があれを歌ってたんだ。」

「あれ?なんだあれって。」

「ほら、ねずみ先輩のやつ。」

「ああ、あれな。ぽっぽぽぽぽぽってやつな。」


それを聞いた途端、祖父の顔色が悪くなった。


(いや、まだ正雄が歌っていた可能性だって…)


訳分からん可能性に縋るくらいには祖父には信じがたい出来事だった。


「でもさ、なんか違うんだぜ、なんていうか、途切れ途切れというか。」

「ふーん」


祖父は重い口を開けてこう言った。


「その話、よく聞かせろ。」




プロローグ長いな

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