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浄霊討魔譚  作者: 雷鳥
東京編
24/57

囮捜査

山道のドライブの先に待っていたのは素敵な温泉宿。

ー裏の顔は…

温泉宿に着いた柊哉たち。まずは地元の寺を訪ねることにした。


「ねぇ〜温泉は?」

「まだ待て。聞き込みが終わってからだ。」

「も〜。」


雲井は口をとんがらせながら言った。黒霧島は寺に入って行った。


「こちらは草安寺そうあんじです。何か御用でしょうか?」

「私たち、昔話を調べてるんです。それで、ここの温泉宿の話を聞きましてね。それについてお聞きしたいんですが。」


黒霧島がそういうと、坊主は軽蔑した目を向けた。


「あんたたち、死にたいのか?」

「いや、死にたくはないですけど。」

「じゃあそのことについては調べないことだな。あと、男女で来るな。同性だけで来い。」

「えっと?それはどういう…」


黒霧島は困惑しながら聞いた。


「はぁ…あんた達何も知らんのだな。」

「ははは…」

「本当はこの話はしたくないし、したらいけないんだけどな。これであんた達が死んだら私が気負いしてしまう。これは決してあんた達の為ではなく自分のために話す。いいな?」

「はい。」


黒霧島はよくわからないまま返事した。


「この地域では性的交わりが禁止されている。それはなぜか。仮母女の怒りを買うからだ。」

「仮母女か…」

「仮母女は知ってるのか?」

「はい、一応…」


坊主は黙り込んでしまった。長い間静寂が訪れる。その後坊主が静寂を破った。


「じゃあ話す必要はないな。帰りたまえ。」


坊主は黒霧島を除け者にするように追い出した。


「どうだったの?」

「だめだ。こいつら、何か隠してやがる。」

「じゃあどうするんですか?」

「任務は遂行する。最悪の場合、何としてでも逃げて帰る。」


黒霧島の口調がいつもよりも強くなった。


「…で、どうします?」


柊哉が質問した。


「この任務は"囮捜査"で行く。」

「囮捜査?」

「そうだ。誰かがわざと霊の逆鱗に触れて、そこを残り2人で浄霊する。これで行く。」

「で、囮役は誰なの?」

「もちろん八尺瓊だ。」

「おれ?なんで。」


特別自分が囮適正高めというわけでもないので、柊哉はいささか疑問だった。


「今から泊まりに行く宿には"男女で泊まること"が禁じられているはずだ。八尺瓊は兄妹だなんだと嘘をつけ。」

「え!いやですよそんなの。絶対やばいじゃないですか。」


柊哉が全力で拒絶する。


「隣の部屋には俺と雲井が泊まる。何かがあったら俺たちが行く。」

「え!?あんたと一緒に泊まるの?」

「その方が効率がいい。」

「で、でも男女で泊まるのはダメだって…」

「これは予測だが…男女で泊まること自体は問題ないだろう。問題なのは男女が一つ屋根の下にいる時にする行動、俗にいう"セックス"というやつだ。」


雲井としゃくちゃんは顔を赤らめた。


「じ…じゃあ私たちも別々にしないと…」

「誰がお前とするんだよボケ」

「は…はぁ〜!?私だってあんたなんかとしたくないわよ!」

「…その感じだと俺たち2人で泊まることに問題は無さそうだな。」

「そ、そうね。」

「ちょ、ちょっと待ってください!」


柊哉が会話に割り込んできた。


「じゃあ、俺たちがセックスするんですか?」

「そうだが?」


柊哉の顔が青ざめた。


「な…何でそんな危険なことをしないといけないんですか?」

「柊哉は私とセックスするのは嫌なの…?」

「そういうことじゃない!それをすることで命に関わるんだ。いくら仕事だからってそんな…」

「隣の部屋には俺たちが泊まる。そして、何か異変を感じたらすぐに駆けつける。これでいいか?」

「嫌です。命を危険に晒すなんて…そんなことでません!」

「お前、何のために俺たちが隣の部屋に泊まるか聞いていたか?何かが起きた時に対処するために泊まる。」

「知ってます。でも…!」

「お前は仲間を信じないのか?」


黒霧島は追い討ちを掛けるように言った。


「隣の部屋で待機している俺と雲井という仲間を信じていないのかと聞いている。」

「そ、それは…信じてますよ。」

「じゃあお前が囮になってくれるか?俺たちを信じてくれるか?」



「わかりましたよ。信じます。でも、もし死んだら霊になって出ますよ。」

「出てきたら俺が浄霊するだけだからいいぞ。」


4人は宿のチェックインをしにいった。


「いらっしゃいませ。こちら"海鳥の宿"でございます。何名様でしょうか?」

「2人です。」


柊哉としゃくちゃんがチェックインをする。


「申し訳ないのですが、当宿は基本的に男女で一緒の部屋というのはできないんですけど…」

「あ、あの…俺たち兄妹なんですけど、それでもダメですか?」


柊哉が嘘をついた。柊哉は真剣な眼差しをしている。


「…でしたら問題はありません。では、お部屋へご案内いたします。」


柊哉としゃくちゃんは部屋に案内された。

"桔梗の間"。これが2人が泊まる部屋だ。


続いて黒霧島と雲井の番だ。


「すみません。男女での宿泊はできないんです…当宿は淫らな行為をすることがないように徹底しておりまして…」

「あんた、わたしがこんな奴とそういう行為をするとでも?」

「そ…そうでございますか。では、ご案内いたします。」


雲井と黒霧島は部屋に案内された。目論見通り柊哉たちの隣の部屋である。

"秋桜の間"。これが2人が泊まる部屋だ。黒霧島は2人を呼び出した。


「八尺瓊、お前達は22時になったら初めてくれ。」

「はい。先輩は?」

「俺は隣の部屋で待機だ。」

「わかりました。では、また明日。」


柊哉としゃくちゃんは部屋に戻った。


黒霧島は蜘蛛を1匹出した。


「こいつに小型カメラを仕掛ける。これで中の様子を伺う。」

「覗きなんて…あんた性格悪いわね…」

「仕方がないことだ。」


黒霧島は小型カメラを仕掛けた蜘蛛を桔梗の間に行かせた。


「雲井、中の様子見れるか?」

「見れるわよ。」

「よし。では、作戦開始だ。」

これの元ネタは個人的にかなりトラウマです。これのせいで結構マジで寝られなくなりました。

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