卒業
実践練習から数ヶ月後…5人は専門学校を卒業する…!
ゾンビ看護師の事件から数ヶ月…柊哉たち5人は卒業を迎えた。
「今日でこの学校ともおさらばか…」
山形が切り出す。
「薄気味悪いところだったけど…でもいい生活が送れたんじゃない?」
「そうだな…まあなかなか大変なこともあったけどな。」
「ああ…あれね。大変なのは八尺瓊でしょ?」
「いや俺もな?」
「え?」
雲井は相変わらずの態度だ。
「あの実践練習がターニングポイントだったかもね。」
「そうそう、あの日から八尺瓊と憑依霊の関係がぎこちなくなっててさ。」
あの日、柊哉はしゃくちゃんの力を目の当たりにした。それと同時にしゃくちゃんに対して恐怖心と嫌悪感を覚えた日。その翌日には一応和解はしたが、その感情が消すために数多の時間を費やした。
「でもまあ…関係は修復しているしいいんじゃないかな?」
「ですね。」
みんなが思い出を語り合ってる中、教官が入ってきた。
「お前たちは今日でこの学校を卒業することになる。その前にお前らの四月からの勤務先について伝える。」
「ああ…そうか。俺たちもう浄霊師なんだ…。」
実感の湧かない柊哉はそう言った。
「では発表する。霧峰大輝。お前は北海道支部だ。」
「俺せっかく東京に来たのに…」
「ふふ。また逆戻りね。」
「次に雲井幽依。お前は東京支部だ。」
「よかった…地方じゃなくて。」
「お前ずる!」
「ははは。運が良くってよ?」
「次に竜飛大治郎。お前は大阪支部だ。」
「僕も地元ですね…」
「次に八尺瓊柊哉。お前は東京支部だ。」
「俺もか…」
「あんたも東京?なんか新鮮味がないわね。」
「最後に山形健人。お前も東京支部だ。」
「俺もかよ…」
「3人一緒?なんかあんま変わんないわね。」
「悪かったな東京で。」
「勤務先を伝えたところで、私の役割は終了となる。最後に私の話を聞いてくれ。」
「まずは卒業おめでとう。浄霊師の仕事というのは非常に危険な仕事だ。常に危機感をもって職に臨んでくれ。支部に着いたらまずは還具を使うか霊の力を借りるかの診断があるだろう。」
「そうなのか?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いた覚えはないなぁ。」
「まあいいや。とにかくその診断がある。その時霊の力を借りるってなったら気をつけることがある。それは過剰に霊の力を使わないことだ。浄霊師は危険な仕事だと言ったな。それは任務でもそうだが、霊の力を借りているという点でも危険だ。だが、お前たちなら心配する必要はないだろう。なんせ私の教え子だからな。」
「教官。驕ってるね。」
「な。」
霧峰と雲井がコソコソ話す。
「だが、そんなお前たちに一つ忠告だ。都市部には強い霊体を持った霊がたくさんいる。それはシンプルに人口が多いからだ。だから都市部の浄霊師は基本2人以上で行動する。つまりチームワークが大切となる。お前たちで組むのならいいが、知らないやつと組むこともあるだろう。そんな時、自分勝手な行動はするな。死にに行くようなもんだ。だかな、お前たちならできる。実践練習の時も霧峰の指示通りに動いた。その調子でこれからも頑張るんだ。」
「教官最後の最後に講義ですか〜?」
山形が突っかかる。
「悪いな。俺の口調がちょっと講義チックだった。」
「こんなやりとりも今日で最後か…」
みんなが卒業の瞬間を噛み締める。そんな中、柊哉だけが不穏な顔を浮かべる
「どうしたの?」
しゃくちゃんが問いかける
「いや…なんもない」
「そう?なんかいつもと違うよね?」
柊哉にはわかっていた。あの日から少しだけ体の様子がおかしいのが。どうおかしいとは言えないが、なにかがおかしい。肩こりも治ったし寒気もない。感情が揺らいでいるとでも表現したらいいのか?確かなことは、少しばかり涙脆くなったということだ。
柊哉の瞳には水溜りができていた。一年も一緒にいなかった仲間との別れだが、柊哉には悲しいものだった。不思議なことに、高校の卒業式よりも泣けるものだった。
「あ!あんた泣いてんの?」
雲井が絡みに来た。霧峰もそれに気づく。
「お前ってそんなに涙脆かったか?」
「泣くなって。私とは勤務先も一緒だろ?」
「お…う。そうだな…」
瞼を赤く染める柊哉。そのせいでうまいこと話さないでいた。そこに教官は素晴らしい提案をする。
「お前ら。写真でも撮るか?」
「いいね!さんせーい!」
雲井は乗り気だ。それに他の4人も乗っかった。
「はいじゃあ並んで!」
雲井がスマホをセットする。シャッターを押す。急いで端に並ぶ
「はい。チーズ!」
撮影が終了した音と同時に固定されていた身体が崩れた。
「どれどれ…いいじゃん!じゃあこれ送っとくね。」
雲井はグループチャットに写真を送った。柊哉は早速保存した。
「竜飛と霧峰は引越しの準備とか大丈夫なのか?」
「ああそうか。引越しだ…」
霧峰は一気に現実に戻された。
「大丈夫?手伝いに行こうか?」
「いらん。自分でできる。」
「へぇ〜。素直じゃないなぁ。」
「お前らはいつまでこっちにいるんだ?」
山形が問いかける
「僕は26日までですかね…」
「俺は24日に…」
「てことは後少しか…」
「じゃあ、みんなでご飯でも行くか?」
山形が提案する。
「いいじゃん。」
「いいですね。」
「さんせー!」
「八尺瓊たちも行くよな?」
「もちろん。」
涙を堪えた声で言った。
「どこにしようか?」
「焼肉かな?」
「いいねー焼肉!」
どこで飯を食べるかで騒いでる中、柊哉としゃくちゃんは上の空だ。
しゃくちゃんにも違和感があった。あの日からだ。本来ならありえないくらい号泣している。しかし、悲しくはあるが、涙が流れるとはいかない。瞳には涙はある。だがあるだけで溢れはしないし流れもしない。
「柊哉。」
「なに?」
「一緒にみんなと話そ?」
「うん……そうだな….」
柊哉は下唇の震えを前歯で押さえながらみんなの元へ向かった。
「おお、どうした。まだ泣いてんの?」
「あんたも可愛いところあるじゃん。」
「う…うるしゃい…いうな。」
「そうだ。おまえ、焼肉とファミレスだったらどっちがいい?」
「焼肉だろ。」
「じゃあ焼肉で!」
打ち上げは焼肉に決まったようだ。柊哉としゃくちゃんは後ろの方でひっそりと着いていった。
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「ねぇ知ってる?佐々木先輩、殺されたの。」
「え?」
「久保田先輩に、前山ちゃん…それに佐々木先輩まで…」
「しかも、みんな下半身が無かったんだって…」
「なにそれ…怖っ…」
「それな。もう外出たくないんだけど…」
「じゃあね。私はこっちだから。」
「あ…バイバイ…」
2人は別れて帰った。
(ひとり…怖いな…)
遠くから音が聞こえる
(何この音…?)
遠くから影が見える。それは遠目に見たら車のように見えるが、近づくにつれてその正体が分かったきた。
人の上半身である。
「え…!?なにあれ…!」
声を出す間もなく近づいてくる。あまりの恐怖に腰が抜け、失禁もしてしまった。
「あ………あ……………」
考える間もなく全ての思考が止まった……
翌日、上半身だけの死体が発見された…
ーこれで4人目である。
卒業の描写ができなすぎてビビる。




