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前略、目が覚めたら、なぜかRPG世界にいたんだが……。  作者: 書仙凡人
第二章 前略、辺境の地ガルテナへ……

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Lv.89 城での夕食

   [Ⅰ]



 俺達は暫しの間、グレミオさんとの世間話や魔導器の話で盛り上がった。

 リジャールさんとグレミオさんのマニアックな単語が飛び交う場面も多々あった為、俺達も少々面食らったが、2人の錬成技師の話は勉強になる事が多かった。

 また他の皆も魔導器について興味があるのか、リジャールさんとグレミオさんに色々と質問をしていたのである。

 皆が訊いていたのは魔光の剣についての事や、他の魔導器の事であったが、そこで俺は興味深い話を聞けたのだ。

 それは何かというと、幾ら高い魔力圧の魔光の剣といえども、そう簡単には斬れない物があるという事である。

 グレミオさんはこんな事を言っていた。


「実を言うと魔光の剣はね、魔光の剣は斬れないんだよ。魔力は人それぞれ波長が違うからね。その他にも、魔法が付加された魔法の鎧や魔法剣の類も、そう簡単には切り裂けないだろうね。まぁとはいっても、それを超える強力な魔力圧の刃なら、何れ切り裂けるだろうけど」と。


 要するに、魔法が付加された武具や同じ魔光の剣だと、そう簡単には切断できないようだ。

 これは非常に重要な話であったので、俺はこの言葉を深く肝に銘じたのである。

 この他にも、皆の口からは色んな道具や武具の名前がでてきた。

 ちなみにそれらはゲームにでてきた物ばかりで、一般的な物から伝説級の武具に至るまで、それは様々であった。

 そして俺は皆の会話を聞きながら、ゲームをしていた頃を1人懐かしんだのである。


   *


 話は変わるが、そこでの話の流れから、他の皆も魔力圧を計ってみたいという事になった。

 で、その計測結果だが、アーシャさんが138ベリアム、イアちゃんが131ベリアム、レイスさんが30ベリアム、シェーラさんが40ベリアム、といった感じであった。

 こうして他の皆の数字を見ると、俺の203ベリアムという値は、かなり突出しているのがよく分かる。

 以上の事から俺は、ここまで鍛えてくれたヴァロムさんに、今更ながらも深く感謝したのであった。

 というわけで、話を戻そう。


   *

 

 太陽も少し傾き始めた頃、俺達はグレミオさんの工房を後にした。

 その後、俺達はリジャールさんを送り届ける為、風の冠を使ってガルテナへと一旦戻ったのである。

 俺達は出発地点であるリジャールさんの家の裏手に降り立った。

 リジャールさんの感心する声が聞こえてくる。


「しかし、凄いもんじゃな、古代魔法文明というものは……。馬でも往復で4日から5日は掛かる距離を、一瞬じゃからのぅ」

「同感です。こんな凄い物をアーシャさんが持っていたなんて知りませんでした」


 イアちゃんはそう言って風の冠に目を向けた。

 羨ましそうな表情だったのは言うまでもない。


「本当よね。コタローさん達と旅して、まだ3日ほどしか経っていないのに、驚かされる事ばっかりだわ」

「全くだ。だが、私は運が良かったとも思っているよ。これほど頼もしい人達は、そうはいない気がするからな」

「ですが、この事は内密にお願いします。色々と面倒な事になりかねないので」


 アーシャさんはそう告げると、口元に人差し指を立てた。


「ああ、それはわかっておるよ。アーシャ様にこれ以上ご迷惑はかけられぬからの」

「私達も他言はしませんから、安心してください」


 と、イアちゃん。


「ところでリジャールさん……ティレスさんに直談判した事を、村長にはどう説明するんですか?」


 俺の質問にリジャールさんはニコリと笑みを浮かべた。


「ああ、それか。まぁそれに関しては、儂の昔の肩書を利用して、アレサンドラ家に書簡を前もって送っておいた事にでもしとくわい。儂がクレムナン家の者という事までは村の者も知らぬから、この事実を話せば納得するじゃろう」

「それがいいかもしれません。ある程度事実を伴わないと嘘はバレますからね」


 リジャールさんには身分という強力なカードがある。

 流石の村長も信じるだろう。


「まぁそれはともかくじゃ。お主達、明日はまたここから出発するのか?」

「ええ、そうですが」

「ならば、出発する前に一度、儂の家に立ち寄ってくれぬか? お主達に渡しておこうと思う物がある。まぁある意味ガラクタと呼べるかもしれぬが、何かの役には立つかもしれぬからの」

「えッ? これ以上貰うのは、流石に悪いですよ。先程頂いた報酬ですら、ちょっと身に余る気がしますし」


 これは本心である。

 流石に悪い気がしたからだ。


「コタローさんの言うとおりです。魔導器はどれも貴重なものばかりでしたから、これ以上は悪いですよ」


 アーシャさんも同じ意見である。

 だが、リジャールさんは首を横に振った。


「そこまで気にせんでもええ。それほどの物ではないわい。ありゃ、1回使ったらダメになる失敗作じゃからな」

「へ? 1度しか使えない……何ですかそれ?」

「カッカッカッ、それは明日になってからじゃな。まぁそういうわけじゃから、明日の朝、儂の家に立ち寄ってくれ。その時までに揃えて用意しておくからの」

「そうですか。では明日の朝、また立ち寄りますね」――



   [Ⅱ]



 その夜、俺達はティレスさんに夕食の席へと招かれた。

 席に着いたのは、ティレスさんと俺達の5人だけであった。

 サブリナ様やエルザちゃんはこの席にはない。

 別の所で食べているのだろう。

 それはさておき、ティレスさんとイアちゃん達は初顔合わせとなる為、食べる前に簡単に自己紹介をする事となった。

 ちなみにだが、イアちゃんは俺が忠告した通り、ラミナスの王族であるという事は伏せておいてくれた。

 なぜそんな指示をしたのかと言うと、やはり、どこから秘密が漏れるかわからないからである。

 たとえティレスさんと言えども、迂闊に話すわけにはいかないと俺は判断したのだ。

 イアちゃん達の自己紹介が一通り終わったところで、俺達は旅の話や世間話などを交えながら、次々と出される豪勢な料理を楽しんだ。

 それは楽しい夕食ひと時であった。

 だが、夕食を終えたところで、俺はティレスさんからこんな事を耳打ちされたのである。


「大事な話がある。暫くしたら、執務室の方に来てもらえるかい。2人だけで話をしたいので、君1人で来てほしい」と。


 まぁそんなわけで俺は、皆と客間で少し寛いだ後、ティレスさんの待つ執務室へと1人向かったのである。

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