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前略、目が覚めたら、なぜかRPG世界にいたんだが……。  作者: 書仙凡人
第二章 前略、辺境の地ガルテナへ……

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Lv.70 他の同行者

   [Ⅰ]



 朝食を済ませた俺達は、暫し部屋で寛いだ後、リジャールさんの家へと向かった。

 家に到着した俺は、玄関の扉を開き、中に向かって呼びかけた。


「おはようございます。コタローです!」


 奥から声が聞こえてくる。


「おお、来たか。少し待っておれ」


 程なくして、リジャールさんはこちらへとやってきた。

 外に出たリジャールさんは、俺達の顔を順に見てゆく。


「ほほぉ……これはまた面白い構成の仲間達じゃな。アマツの民にラミナスの民、そしてイシュマリアの民か。しかも皆、中々の手練れのようじゃ」

「昨晩、仲間に依頼の内容を話しましたら、同行してくれるという事になりましたので、来てもらいました」


 それを聞き、リジャールさんはイアちゃん達に頭を下げた。


「儂はリジャールという者。すまぬな、無理を言って。事が終わり次第、報酬の方はしっかり弾むつもりじゃ。よろしく頼むぞい」

「いや、お気になさらないでください。それにコタローさんとアーシャさんは、私達の大事な仲間ですから」


 イアちゃんは中々嬉しい事を言ってくれる。

 少しジーンときたところだ。

 それはさておき、俺はリジャールさんに確認した。


「リジャールさん、もう坑道へ向かうのですかね?」

「いや、まだじゃ。実はお主達以外にも頼んでおいたのでな。もうそろそろ来るはずじゃが……お!? どうやら向こうも来たようじゃな」


 リジャールさんはそう言って、俺達が来た方向に視線を向けた。

 するとそこには、5人の冒険者の姿があった。

 堂々と歩くその姿は、かなり熟練の冒険者に見える。

 だが、冒険者達が近づくにつれ、俺は思わず目を見開いた。

 なぜなら、ここに来る途中の街道で見た冒険者達だったからである。

 向こうも俺達の事が分かったようで、少し驚いた表情を浮かべていた。


「おや、貴方がたは昨日の……」


 ダンディな剣士はそう言って、俺達を見た。

 そこで、レイスさんが冒険者達に挨拶をした。


「昨日はどうも。貴方がたと、またお会いする事になるとは思わなかった」

「なんじゃ、紹介しようと思ったのに、カディスはもうこの者達を知っておるのか?」


 と、リジャールさん。

 カディスと呼ばれた男は頭を振る。


「いえ、リジャールさん。そうではないです。昨日、たまたま、山の街道で会っただけですよ」

「なんじゃ、そういう事か。まぁええわい。では紹介するが、ここにいる者達は、儂の古い友人の知り合いでな、その腕を見込んで、儂が坑道の調査に加わってくれるようお願いした者達じゃ。じゃから、よろしく頼むわい」


 この流れだと、一応、自己紹介はしておいた方がよさそうだ。

 というわけで、まず俺からすることにした。


「コタローと申します。暫くの間、よろしくお願いしますね」

「私はカディスと言う。こちらこそ、よろしく頼む」――



   [Ⅱ]



 俺達は互いに、簡単な自己紹介をした。

 その後、リジャールさんはA3サイズほどの巻物をだし、俺達の前に広げたのである。


「さて、それでは本題に入ろうかの。今日は坑道の中にいよいよ入るわけじゃが、一応、ここにラウム鉱採掘跡の見取り図を用意しておいた。これを見てもらうと分かる通り、それほど中は深くない上に単純な構造となっておる」


 確かに単純な構造であった。

 分かれ道は幾つかあるが、それほど複雑なものではない。 

 奥まで一本道の構造だ。                          

 リジャールさんは続ける。


「今日は一応、見取り図に書かれておる所を全て確認するつもりじゃ。そこで、魔物どもと戦闘経験があるカディス達の意見を聞きたい。どうであろうの? 何か気掛かりなところがあるのなら、今の内に言ってくれぬだろうか」


 カディスさんが前に出る。


「この坑道内はそれほど入り組んではいないので、迷うような事はなさそうですが……一番の問題は魔物が持つ毒であります。それに加え、今のところ、どれだけの魔物がいるのか皆目見当もつきません。ですから、坑道内を隅々までとなると、当然、解毒手段と傷の回復手段が必要になりますが……それの対応は、この方達が対応されるので?」


 カディスさんはそう言って、俺達に視線を向けた。

 リジャールさんは頷く。


「うむ。そこにおるコタローがアグナを使い手じゃ。しかも、昨日話して分かったが、中々に優秀な魔法使いのようで、その他にも沢山の攻撃魔法や回復魔法を使えると言っておった。じゃから、坑道内では何かと頼りになるじゃろう」

「ならば、私からはもう何もありませんな。一番の懸念は奴等の毒でしたので」


 カディスさんはそう言うと、俺に向き直り、改めてお願いをしてきた。


「ではコタローさん、解毒の方はよろしくお願いします」

「はい、解毒や回復に関しては任せてください。それに俺だけじゃなく、この子もアグナの使い手ですから」


 俺はそう言って、イアちゃんの肩に手を置いた。

 するとリジャールさんは少し驚いたようで、感心したように頷きながら、イアちゃんに目を向けた。


「ほう、その年端も行かぬラミリアンの娘子もアグナを使えるのか。まだ子供じゃというのに、優秀な魔法の使い手なのじゃな。さすがラミナスの民じゃわい。彼の国は、優秀な魔法使いを数多く輩出することで有名じゃったからのぅ」

「そ、そうでしょうか」


 イアちゃんは照れたのか、はにかんでいた。

 こういうところは年頃の女の子っぽくて可愛い部分である。


「ええっと……イアちゃんだったかしら?」


 声の主は、カディスさん達のパーティにいる胸のデカい女性であった。


「は、はい……そうですが」


 予想外の所から声を掛けられたからか、イアちゃんは少しキョドっていた。

 やはり、今までが逃亡生活だった事もあって、どうしても人見知りするのだろう。無理もない。

 それはさておき、この人は確か、自己紹介の時にゾフィと名乗っていた女性である。

 右目の下に小さな黒子があり、スタイル抜群の体型をしている。

 ウエーブがかったブロンドの長い髪には、銀の髪飾りがキラリと輝いていた。

 顔立ちも整っており、切れ長の目と潤んだ唇が印象に残る艶っぽい女性であった。

 上背は160cm程度だろうか。とりあえず、この中にいる女性だと、シェーラさんに次ぐ背の高さである。

 だが、この女性の一番の特徴はメロンのような胸だろう。

 しかも、やたら胸を強調するけしからん紫色のローブを着ている為、収穫を待つかのように、仲良く並んだ2つのメロンが3分の1ほど顔をのぞかせているのである。

 収穫祭があったならば、是非参加したいところだが……あまり胸ばかり見ていると、アーシャさんがまた足を踏みつけてきそうなので、この辺にしておくとしよう。

 というか、もう既に、俺に睨みを利かしているし……。


「アグナのような初歩的な回復魔法は使える者が沢山いるけど、アグナやレアの使い手は少数派なの。だから、自信を持っていいわよ」

「は、はい、ありがとうございます、ゾフィさん。でも、私はまだまだ未熟なのです。回復魔法と補助魔法だけで、攻撃魔法は全然ですから……」

「あらそうなの。でも、回復と補助と攻撃の3系統を修得した魔法使いなんて、そうそういないわよ。大抵、どちらかに傾くそうだから」


 そういえば以前、ヴァロムさんも同じような事を言っていた。

 回復系と補助系と攻撃系の3系統の魔法を高いレベルで修得できる者は、余程の魔法の才がないと無理だと。

 それもあってか、俺がそれらを習得できたのを知ってヴァロムさんは少し驚いていたのだ。

 確かにゲームだと、それら3つの系統をネイティブに修得できるのは、賢者と呼ばれる特殊な職業の者だけだった。

 それを考えると、この世界もある程度は準じているのかもしれない。

 とはいうものの、俺が賢者なのかどうかは、甚だ疑問だが……。


   *


 話は変わるが、もう1人の魔法使いの女性もゾフィさんと似た感じの方であった。

 名前はカロリナという。

 だがそれは背丈や雰囲気が似ているというだけで、着ている衣服とかはごく普通のベージュのローブであった。

 勿論、美人ではあるが、顔立ちも違う。

 どちらかというと、艶っぽいゾフィさんよりも幾分穏やかな感じの方なのだ。

 また、髪の長さは同じくらいだが、ゾフィさんのようなウェーブがかったブロンドではなく、ストレートな茶髪である。

 というわけで、似ていると思っていたが、全然違う雰囲気の女性なのであった。

 2人が似ているように見えるのは、恐らく、ゾフィさんが隣にいるからなのだろう。

 つまり、ゾフィさんがカロリナさんをエロくしているのである。

 全く持ってけしからん話だが……暗い洞窟内ではメロンを堪能できないので、今の内にゾフィさんの胸を観賞しておいた方が良さそうだ。

 などと、しょうもない事を考える俺なのであった。

 ちなみにだが、このけしからんローブからは魔力を感じるので、多分、魔導師用のローブの一種だろう。

 それと右手には、俺と同じく魔導師の杖を装備しており、一目で魔法使いとわかる出で立ちであった。

 大人の色気がムンムンのセクシーな女魔法使いである。

 では、話を戻そう。


   *

 

 カディスさんへの質問の後、リジャールさんが俺に視線を向けた。


「さて、コタローよ。お主は何か、気になる事があるかの?」

「そうですねぇ……」


 俺はそこで見取り図に目を落とした。


「他に入口はないみたいですが、この坑道の入口はここだけなのですか? それと坑道内に水が流れていたり、湧いていたりする所とかあるんですかね?」

「ふむ……入り口はここだけじゃ。他から入れるところはない。それと、坑道内に水のある場所はないの」

「そうですか、ではあと2つ。昨日、坑道の入口付近に、冒険者を常に十数名待機させていると仰いましたが、それはいつ頃からなのか? という事と、ここ最近、坑道から出て行った魔物や、新たに入ってきた魔物がいるのかどうかを教えてください」

「待機しているのは、マルディラントに陳情にいった後じゃから、もうかれこれ20日は経つかのう。それと魔物じゃが、警備についておる者達からの話じゃと、今のところ、坑道の外へは出ていないと言っていた。じゃから、魔物の出入りはないとは思うがの」

「そうですか……20日も経っているのですか、なるほど」


 するとリジャールさんは首を傾げていた。

 俺の質問の意図が、多分、わからないのだろう。


「今、妙な事を訊いてきたが、それがどうかしたのかの?」

「ああ、大したことではないのですが、最近、新しい魔物の出入りはあったのかなと思いましてね。それで聞いてみただけですよ」


 とりあえず、俺はそう返事しておいた。が、実を言うと、この質問をしたのは色々とわけがあるのだ。

 勿論、ソーンのオッサンが言っていた死体を操る者の存在とも関係している。

 そして、今の話を聞いて漠然とだが、腑に落ちない点も出てきたのであった。


「ふむ、そうか。他に気になる事はないかの?」

「とりあえず、今のところはわからない事だらけですので、またその都度、訊く事にしますよ」

「まぁそうじゃろうな。では、何か気になるところがあったら、その時は遠慮なく訊いてくれ」

「ええ、そうさせてもらいます」


 リジャールさんはそこで、皆の顔をゆっくりと見回した。


「さて、それでは各々方、そろそろ坑道に参るとしようか」――


 その後、俺達はラウム鉱採掘跡へと移動を開始した。

 この先に何が待ち受けているのか……それは分からない。

 だが、リジャールさんから得た情報に少し引っ掛かる部分があった為、俺は移動しながら、それらについて考える事にしたのである。

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