4 木は土を剋する
「……詳しく調査してみないとわかりませんが、そういうことでしょう」
「でも、なんで天使だってバレたんですか? それに天使は人間世界の鎖じゃあ、捕まれない。なにか大事件が裏にあるのではないでしょうか?」
そうだ、そう考えればおかしい。きっとシェリーシェはなにかに巻き込まれたに違いない。
(((((大事な妹に手を出したやつは、誰であろうとふさわしい罰を与える!!!)))))
ここにいる兄弟の全員が思ったことだろう。
もちろん、俺──ノアもそう思った。
「そうかもしれませんね……なら、その真実を知ってからシェリーシェの処分について会議いたしましょう」
地界の者の言葉にほっと息を吐いた。
周りの張り付いていた空気も緩んだ瞬間、次の言葉で凍りついた。
「しかし、シェリーシェ様を保護したのち、闇落ちをなんとかしていただきたい。それができなければ、処刑という話もでてきます」
「!?」
「な、話が違うじゃないか!」
レオン兄さんがみんなを代弁して聞く。
「いえ、違っていませんよ。闇落ちしままでいれば、また掟を破るのではないかと言う者たちが出てくるでしょう。そうならないためにも、闇落ちから戻ってきているだけでもいいので、なんとかしていただきたいです」
(なるほど、とりあえず絶対にではなくなった。俺たちがフォローしていけばいい。我らの妹だから)
「保護した後は、私たち家族が養護するでいいですか?」
ララが質問した。
「……はい、構いませんよ」
(いまの間は何だったんだ?)
まるで、前代未聞だから、ちょっと観察したいけど、天界の主一族を敵にまわしそうだから、渋々諦めますよ。のように感じた。
そう感じたのは俺だけではなかったようで、家族全員の視線が鋭くなった。
……でも、そうか、俺たちに保護される前に、そういう目で見られることもあるだろう。ここは、家族の誰かが保護した方がいい。
「俺が調査しにいきます。その許可をもらいたく」
「ノア!? なにを言い出すんだ!」
兄さんたちの言いたいことはわかる。みんなシェリーシェが心配だから、抜け駆けするなと視線が語っているから。
「木は土を剋する、ここは俺がシェリーシェを保護するに一番適任ではないでしょうか? 何かあったときも、力が同じで、それを剋せる者がいいではないでしょうか?」
「確かに……」
「ゆるそう」
そうやって無事に許可をもぎ取った俺は、シェリーシェの神気が観察されたという場所を教えてもらい、向かった。




