12.
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「ここかしら?キョウ様ー!会いたかった!!許嫁。あなたの木崎早苗です!」
誰??
とりあえず、親父に聞こう。
『えーと、名前が木崎早苗さんというらしい。突然うちに来た。俺の許嫁とか言ってるぞ?どういうことだ?』
『木崎?――おい、財閥乗っ取ったやつって俺の弟か……。ってことはお前のイトコだな。はっはっは』
『笑えねーんだよ!許嫁ってどういうことだ?』
『遠い昔に口約束でもしたんじゃねーの?そして、木崎による洗脳だな』
俺は気が遠くなった。……口約束ねぇ。都とはきっちり書面で許嫁になってたんですけどね。
「親父に確認したところ、小さい時に口約束をしたのでは?ということですが?」
「そうです!キョウ様は忘れてしまったのですか?」
サッパリすっきりと忘れてた。
「ああ。そして、こちらの都と正式に書面で許嫁となり、今はラブラブ新婚だ」
「――なんですって?新婚……?」
「ああ、既に結婚している。家族公認だ。中学の時には許嫁だったかなぁ?その前から都はうちの使用人として働いてたな」
「使用人と結婚なんて……」
「そういうわけだ」
叔父がうちに送り込んだんだろうか?うちの事情を知らなすぎる。こういうツメが甘いから経営に向いてないんだよなぁ。
「都さん!料理勝負です!」
一方的だな。都は料理をずっとしてるけど、大丈夫か?
「勝者、都!」
「贔屓ですわ。なんで私の料理がいけないの?」
なんでって、『私の料理』はケシズミにしか見えないからだ。食材もったいないなぁ。
「都の料理は今晩のおかずにしようか?」
「そうですね、あなた」
洗濯も掃除も木崎早苗は壊滅的だった……。
これでよく『勝負!』とか言えたなぁ。
「そういうわけだから、お引き取り下さい。イトコ様」
「キョウ様のイジワルー!」
子供の喧嘩か?帰ったけど。
都には小さい時に口約束したかもなぁ。ってことを説明した。しかぁし!許嫁のなんたるかも知らなかったし(おそらく漬物の一種だと思ってたのだろう。‘いいな漬け’みたいな?)、都に出会う前の2・3歳の頃の話だ。と言い訳をさせてもらった。




