再びアースツーへ
それから5日後、各ギルドを巡って指定された部屋にゲートを設置して回った。
これで、緊急時の召集にもより素早く対応できるようになったはずだ。
多分悪用されやすいので、ルールはきちんと作ってくれとお願いしてギルドを出た。
それから6日後、両親とミリスお嬢様を連れてアースツーへ向かうことになった。
まずは、両親とミリスお嬢様を引き合わせるためにアースワンへ向かった。
「父さん、母さん、この鍵のかかった部屋にゲートが設置してあるんだ。ここからアースワンへいつでも行ける」
「ここから先は別世界なのね」
母さんがしみじみと言う。
「ここは俺たちがこっちで活動して購入した拠点だから安心していいよ。メンバーを呼んでくるね」
俺はアリス、カイ、メグを呼びにそれぞれのゲートに行ってきた。
しばらくしてメンバーが集まる。
「あなたたち、うちのケイがいつもお世話になっているわね。迷惑かけてないかしら」
「いえいえ、そんなことは。こちらこそケイにお世話になりっぱなしで」
カイが母さんに答える。
「それじゃ、ミリスお嬢様のところへ行こうか」
ミリスお嬢様については両親にあらかじめ話してある。
もう何度もミリスお嬢様とおでかけしているので門番はほぼフリーパスだ。
今日は両親を連れてきていることを伝えた。
しばらくして中に呼ばれたので入る。
「ご機嫌よう、ミリスお嬢様」
「今日が待ち遠しかったわ。あら、そちらの方は?」
「俺の両親です。両親もアースツーに連れていきたいと思いまして」
挨拶されている雰囲気を感じとったのか両親がかるく会釈した。
「なるほど、よろしく伝えてくれる?」
「ミリスお嬢様がよろしくだって」
「こちらこそよろしくと伝えてくれ」
「両親もこちらこそよろしくと言っています」
「それで、さっそくだけどミスリルは前にあなたたちが持っていった量の10倍ほど用意したわ」
「それだけあれば十分拠点が購入できるかと思います」
「善は急げよ。行きましょう」
お嬢様はアースツーに行きたくて仕方がないみたいだ。
アカシックリングで調べたところアースツーにはネコミミを持っている人に近い種族はいないみたいなのでお嬢様は目立つと思われる。
「ゲート!」
俺は市役所の側にゲートを開いた。まずは両親とミリスお嬢様の国民ICカードを作らなければならない。
「まずは国民ICカードと呼ばれるものを作ってもらいます。そうしないとお金も使えないので」
区役所に向かうとドアが自動で開く。ミリスお嬢様と両親は驚いている。
「うわっ開いた。誰かが見てるのか?」
「人が近づくと検知して開くアーティファクトみたいなものだよ」
両親はそんな便利なものがあるんだなーと納得しているようだ。
「この建物にいるのはあなたたちと同じ種族みたいね。耳がないわ」
「多分お嬢様の種族の人は今この星にお嬢様だけだと思います。多分珍しがられるからそこは覚悟してくださいお嬢様」
順番待ちの券、35番をとり順番を待つ。
今日は人が少なかったのかすぐに順番が来た。
「すみません、国民ICカードの発行をお願いしたいのですが」
「あっ、宇宙人の方ですよね!?今までどこに居たんですか。今大騒ぎになってますよ」
「どこって、自分の星に帰ってましたが。それよりこの3人に国民ICカードを発行してほしいのですが」
「あっ!ネコミミ!?別の宇宙人ですか?」
「私たちとは種族が少しだけ違いますが、意思疎通は出来ますよ」
「とりあえず手続きをしますね。前回のあなたたちと同様に処理します」
俺たちが手続きをしていると、なんだか外が騒がしくなって来た。
外を見てみると、人が集まっているのがわかる。
「カリン国ミズチを住所として国民ICカードを発行したわ。使い方はケイさんが知っているわよね?」
「はい、大丈夫です。みんな質屋にいくよー」
お嬢様が準備したミスリルは、スロウボックスに入れている。
結構な量だし強奪されでもしたら大変だからな。
市役所を出ると多くの市民が集まっていた。
「キャー!宇宙人だー!こっちむいて!」
各々の携帯PCでパシャパシャと写真や動画を撮られているようだ。
「ネコミミの宇宙人も居る。可愛いー♪」
「ねぇ、何て言ってるの?」
ミリスお嬢様が聞いてきた。
「宇宙人に興奮してるみたい。ネコミミの宇宙人可愛いだって。ネコミミはミリスお嬢様だけですしね」
それから質屋まで歩くと、ギャラリーもくっついてきた。
「こんにちは、久しぶりです」
「ああ、君たちか。宇宙人だったとは思わなかったよ、また交換ですかな?」
「はい、これを査定お願いします」
俺はスロウボックスからミスリル塊を取り出した。
「これは大物ですな。少々お待ちください」
しばらく待つと店主が戻ってきた。
「合計で9000万スイになります。また人数割ですかな?」
「いいえ、このお嬢様のカードに全額入れてください。後、俺のカードからこの2人にお金を少し移したいのですがやり方わかりますか?」
「じゃあそのお嬢様のカードに入金しますな。お金の移し方は、カード同士を近づけてそこについてるボタンで金額を入力して送信すればいけますよ」
「父さん母さん、50万スイずつ渡すからカードを出して」
父さん達の出したカードにカードを近づけて50万と入力し送信ボタンを押した。俺の残高はちょうど100万スイぐらいになっている。
前に210万スイ入れてもらって携帯PCに10万スイ使ったからな。
「それじゃ、ありがとうございました!」
「またのご利用をお待ちしてますな」
「お嬢様、ミスリルは9000万スイになりました。スイはここのお金の単位です。携帯PCは10万スイぐらいで買えますよ」
「そうかそうか、私も携帯PCが欲しいぞ」
「今から買いに行きましょう」
そして外に出るとさっきよりも人が増えていた。30人ぐらいだったのが100人ぐらいになっていた。
「握手してください!」
「サインください!」
「握手してって人とサインしてって人がいる」
俺が通訳すると、お嬢様は握手にサインに応じていた。
他のみんなも拙いながら握手にサインに応じた。
100人もいたので結構時間を食ってしまったが、その後ツナガルショップに向かい両親とミリスお嬢様の携帯PCを購入した。
前と同じらくらくホンだ。
「くふふ、これで私も写真や動画が取り放題だわ」
アセロスフィア組は全員連絡先を交換したが、ミリスお嬢様は言葉が違うので俺とだけ連絡先を交換した。
電話などの機能を一通り教えた後、本日の目玉である意思疎通の魔道具を探しに出発した。
アカシックリングで売っている場所はあらかじめ調べてあるのでそちらにゲートで移動した。
大手家電ショップみたいな建物だ。
ついでに、ひっついてきた人たちをまくという副次的効果もあった
「すみません、意思疎通の魔道具はどこに売ってますか?」
俺は1Fの受付にいる人に尋ねてみた。
「それでしたら3Fのメガネユニットコーナーです」
「わかりました。ありがとうございました」
3Fのメガネユニットコーナーにつくと店員に聞いた。
「もしかしてあなた方はニュースでやってた宇宙人では?」
「そうです。この人達は言葉が話せないので意思疎通の魔道具を買いに来ました」
「そうでしたか、当店を選んでいただき光栄です。意思疎通の魔道具にも色々種類がございましておすすめはこちらの脳波反応タイプのメガネユニットとなっております。メガネユニットを装着している人同士で言葉を介さない意思伝達が可能となります」
「メガネを装着している人同士でしか話せないのか。なら少し多めにメガネを買っておいた方が良さそうですね。とりあえず試してみても?」
「どうぞ。私もつけますので」
「みんな、このメガネをつけるとつけてる人同士で意思疎通ができるそうだ。ここにある試用品でテストしていいそうだよ」
「はいはーい、あたしやってみたい!」
メグが元気に反応して、メガネを装着した。
「こんにちは、店員さん」
「こんにちは、元気なお嬢さん」
「すごーい!言葉が通じる!ミリスお嬢様、こちらメグです」
「すごいわ、メグの言ってる事がわかるわ!これは買いね、20個ぐらいどどーんと買うわ。あなたたちにもプレゼントしてあげる」
「このメガネはいくらぐらいしますか?」
「一つ2万スイです。でもまとめ買いしてくださるなら値引きして20個で35万スイにいたしましょう」
「それじゃ、契約成立ね。ちなみにこのメガネ、度の入ったやつもあるのかしら?」
「度数調整機能がついておりますので後から変更することができますよ。メガネ横のボタンを押してみてください」
「ああ、よく見えるようになったわ。ありがとう」
ミリスお嬢様は購入後俺たちにメガネをプレゼントしてくれた。
「最後に、拠点を買いに行きましょう。お嬢様、申し訳ないですが建て替えてもらってもいいでしょうか。後で必ず返しますので」
「建て替えるといわず、プレゼントするわよ。それに私もその拠点を利用するつもりだし」
「それはさすがに悪いです。かなりの額になりますよ」
「いいのよ、ケイがいなかったらここまで連れてきてもらうことは出来なかっただろうしそのお礼もあると思って。原資のミスリルだってケイが鉱山を見つけてくれたわけだし」
「それじゃ恩に着ます。不動産屋までゲートで移動しますね」
俺はゲートを開いて不動産屋までやってきた。




