第24話 归来
一方、敵のアジト「老巢」では、麒麟と嘲風らが先ほどの戦闘から帰ってきており大広間には竜生九子と、そのトップである応龍が勢揃いしていた。
「いやぁ~。ホンマにええとこやったのにぃ~。」
「こらっ!応龍様の前ばい!文句言わんと!」
不満げな麒麟に嘲風が活を入れる。すると低くのぶとい何ともおぞましい声で応龍は麒麟をなぐさめた。
「まぁそう急くな。麒麟よ。ちゃんとした場はもうけてやる。」
薄暗い大広間でおぼろげではあったが、微かに笑う姿がうつった。
「ボスの言う通りじゃけん!」
「んだ…大人しく言う事聞くべきださ…」
他のまだ正体を明かしていない竜生九子の連中も麒麟をなぐさめた。
「…わぁったよ…こればっかりはしゃーない。ほな、わいは昼寝でもしておとなしゅうしときますわ~。」
眉をくねらせ耳をほじりながら、大広間を後にした。大広間を後にしながら麒麟はトゥイのことを思い返していた。
(あの朱雀とかいうやつ…他の三人の連中とは少し違うようやったなぁ。せやけどまだ妖术は完璧に扱えてもないようやった。まぁ、楽しみに待っとくとしようやないか…歴代継がされてきたその力というやつを…!)
麒麟は不適な笑みを浮かべていた。身体中の雷をバチバチと轟かせながら…。
「久し振りだなー。…つっても一週間ぶりくらいか。」
トゥイは故郷の赤都に帰り、里帰りをしていた。玄関のドアの前で久しぶりの里帰りに思いをかみしめていた。
「ただいまー。」ドアを開くと、ドアの向こうから体にエプロンを身に着け、家事真っ最中の恰好をしたミンリンが現れた。
「あらぁ!トゥイじゃない⁉どうしたの⁉」
「いやぁ~、ちょっと落ち着いてよぉー、久々に家族の顔が見たくなった…っていうかー、何というかー。」
トゥイは人差し指で鼻をさすり、ミンリンと目線を合わさず恥ずかしそうにしていた。
「なにはにかんでんのよー!ほれ!入った入った!」
ミンリンはトゥイの恥ずかしい様子に気にも留めず出迎えた。
「みんなー!お客さんよー!」
「ういっす!おひさ!」
「!トゥイ兄⁉」「トゥイ兄ちゃんだぁ~!」部屋に入ると、兄弟たちが一斉ににトゥイに飛び掛かった。
「うおっ⁉」
トゥイは押し寄せてくる何人もの兄弟たちの山にたまらず倒れてしまう。
「ちょ…お前ら落ち着けって…!(笑)。」
言葉ではいうものの、トゥイは嬉しそうに少し笑っていた。ミンリンは微笑ましくその様子を見ていた。
「ちょうどご飯出来そうだから…あんたも食っていきなさい。」
ミンリンは台所へ戻ると、作りかけの料理を再開した。
トゥイは気を使い、「手伝おうか?」と声をかけるが「いいわ。四神の仕事で疲れてるでしょ?座ってて。」と逆に気遣いされてしまい、「りょーっす。」返事をして椅子に座りこんだ。
その様子を見ていた次男の十二歳のルイが、「あら~。夫婦共に仲がよろしいようで。」と目を細め二人をおちょくるとすかさず二人同時に、『誰が夫婦じゃあ~‼』と顔を赤くして大きな声を上げた。
「で、どうなの?四神になってからの生活は?ちゃんと妖魔を倒せてる?」
「まぁ…ぼちぼちだな。」
コップに注がれたお茶をゆっくり飲み、答える。ミンリンも「そ。いいじゃん。」と落ち着いた表情で言う。するとトゥイは、バックの中から「ヨッ…と!」掛け声を言いながら大量の金貨を机にジャラジャラと机にばらまいた。音がするほどのとんでもない量の金貨だった。
「どうしたの⁉この量の金貨⁉まさかあんたまた盗んだんじゃ…」
「なわけ。まぁ…国の代表ともなると…こんくらいは当たり前みてーだ。これで兄弟たちの学校代とか生活費とか。いろいろ使ってくれや。あー。もちろん。お前の好きな服とかちょっとは買える金も含んでっから、好きなように使ってくれ。」
ミンリンは「分かったわ。あんたも言うようになったはね。」とトゥイの成長に目を輝かせて嬉しそうに言う。そうすると今度は、ミンリンの方から、「私からも。これ。次会ったら渡したいなと思ってて…」ごそごそとカバンの中をあさるミンリンを「なんだなんだ?四神就任祝いか?」と興味深々にその様子を見る。
ミンリンが渡そうとしているこれからの戦いに役立つものとは…?




