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第21話  竜生九子

「貴方方は…いったい何者なのです!告げなさい!」


 リーウのその言葉に謎の男と女はニヤリとほくそ笑み腕を組んで答えた。


 「我が名は『麒麟きりん』!雷を好むものなり‼」

 「我が名は『嘲風ちょうほう』!遠望を好むものなり‼」


 得体のしれない二人の自己紹介に四神は驚いた。そしてリーウに続きハオもたまらず二人が話していた内容を質問した。


 「名前を()いてんじゃねェ!お前たちは人間なのか⁉それとも妖魔なのかどっちなんだ⁉それに貴様らが言ってた応龍(おうりゅう)ってのは何者でその計画っての何だ⁉全て答え…」「うっさいねん。」


 ハオの乱暴な口調にむしゃくしゃした麒麟は人差し指でハオの方を指し微小な電気性の妖术ヤオシュを操りハオに飛ばした。


 「⁉クハッ…!」「玄武殿⁉」


 ハオは僅かな攻撃ではあるがたまらず膝をつく。


 (コイツ…ちょっと妖术しか使ってねーのにどこにこんな力が…⁉いや違う。極限まで妖术を抑え込んでより洗練された妖术を放ったたんだ。こんなヤツ初めてだ。)


 「へへっ…」


 ハオは倒れながらにも新たな強者が実感し武者震いをたてた。


 「武者震いですか。肝をつぶしますね。」


 「あぁ。オレ様が求めてたのはこういうヤツだからよぉ。ついな。」


「やかましい質問が多いねん。まぁええわ。全部答えてええやんな?」

 「よか!」


 麒麟は耳の穴をかっぽじりながら嘲風に確認をとり仕方なさそうに答えた。


 「そこのあんちゃんの最初の質問は両方や。人でもあり妖魔でもある。つまり、妖魔を超越した人妖魔…っちゅう訳や。」

 麒麟の物言いにリーウは疑問を抱き、すぐに言い返す。


 「戯言(ざれごと)です!訊いたことがない!過去何百年もの歴史の中でそのような事例は一度も…

‼…⁉まさか⁉」


 「そうや。何千年も前に一度だけ応龍と呼ばれた人妖魔が生まれ、そして滅ぼされた。

せやけど親父は復活したんや。何千年もの時を経てな!」


 「あり得ない…そんな恐ろしいことが…」


 麒麟の真実のような口ぶりにリーウは口元を隠し焦った様子で声が震える。


(チーフがここまでおびえるなんて…応龍はどれだけ恐ろしいヤツなんだろう?)


 麒麟の信実のような口ぶりにシュエンも驚愕(きょうがく)していた。


 「そして!親父は自分の遺伝子を持つ九体の子供を産んだ…そう!それが【竜生九子りゅうせいくうし】‼」


 「竜生九子…。それがお前たちって言いてェのか⁉」


 「その通りやで。ワイらの他にもまだ七人の妖魔がいてなぁ。そいつらもごっつ強いねん。せやからもし戦うときがきたら覚悟しといた方がええで?」


 「ふんっ!勝てる訳なか。」

「まぁそういわんと…」

「ほんでや。最後に計画っちゅうんはたった一つ!四大国を滅ぼし、黄帝国を再建すること!それがワイらの計画やぁ‼」


 麒麟は両腕を広げ高らかに笑う。


 「四大国を滅ぼす?ざけんな。そんなことさせる訳ねェだろ。」


「阿呆やなお前さん…わざわざ敵さんに言うのはそれだけ成し遂げる自信があるから言うてんねんで?」


 「…ねェよ…」


 「ん?」


 麒麟の物言いに苛立ちをみせたトゥイは立ち上がり地面に刺さった剣を抜き取る。


 「だからそんな事させねェよ!その為の四神オレたちだ‼」


 自らを親指で差し、四人が横一列に並び堂々とした様子でいい放った。


 「ヒャッヒャッヒャッヒャッ!ええなぁお前らぁ!そこまで自身があるんならもう一つええこと教えたる。三日後。三日後や。わいらは今ある全勢力をもって総攻撃を仕掛けるで。それまでにせいぜい…うおっ⁉」


 麒麟が喋っている際中だったが、嘲風は麒麟の襟をつかんで入口のゲートへと引っ張り込んだ。


 「もう帰るばい!あんたしゃべりすぎやけん!それに応龍様がまっとーと!早う連れて帰らんとうちが怒られるっちゃん!」


 「わかったわかった。いねばええんやろいねば。」


 麒麟は言われるがままに嘲風に連れていかれる。入口のゲートが閉まりかけたその時。大きな声で麒麟はトゥイに話しかけた。


 「おい!赤髪のお前さん!」「!」「…名は?」見下ろす麒麟にすっと顔をあげ答えた。


 「トゥイ…いや、朱雀だ!」


 「へぇー。朱雀か。ええ名前やないか。なら覚えとけよ。朱雀。」


 麒麟はトゥイを激しく睨み、そのままゲートは閉じられ二人はどこかへ消え去る。トゥイはゲートが閉じてからもその方向を見続け何かを覚悟するように拳を握りしめた。











 何千年の時を経て眠りから覚めた応龍。その龍から生まれし九人の人妖魔VS三十二代目の個性豊かで(まと)まり始めた四神との壮絶な戦いが幕を開けようとしていた…。






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