第19話 封炎解放!!
「いやぁ~あんたらよぉ~やりよるわ!この妖魔親父のお気に入りやからごっつ強いんのになぁ~…」
「誰だ貴様⁉」
その男は後ろ髪を止めた金髪で黄色と黒色の縦じまの着物姿に下駄を履いており、何やらひょうひょうとした様子で四神に話しかけてきた。
「あの人…妖魔と同じ妖术を感じる…」
そのシュエンの言葉に一同は驚愕した。
男は獏が摩砂となった中心まで移動。その場でしゃがみこみ、何やら魔砂を手に取りサラサラと地面に落とす怪しげな行動を取り始めた。
「何をする気だあいつ…⁉」
トゥイは怪しげな行動に目を見張る。
「悪いねんけどもう一回この妖魔と戦ってもろうて…死んでもろうてええか?」
バチバチと電気を散らし、魔砂がみるみると集まっていく。そのとき、リーウは確信した。
「そうか⁉魔砂には砂鉄が含まれている…そこに電気性の妖术を流し込み次々と呪妖魔を生み出していた…貴様によって前四神は滅ぼされたのですね‼」
リーウは怒りをあらわにし、男を激しく睨みつける。
「そのとおりや姉ちゃん…せやけどこいつにはまだ試したことないねん…わいの妖术でどこまで化けるか…楽しみや!」
男は不吉な笑みを浮かべた。すると摩砂はみるみる集まっていき、獏の形状をなしはじめていく。
「さぁ…!ショータイムの始まりや‼」
男は目をかっぴらき、両手を広げて妖魔を称える。
そして再び魔砂は獏に姿を変え、鼻を三本に増やした姿で現れた。
「バオオオォォォォォオオオ~ン‼」
「嘘…だろ…」
四神は絶望の表情を浮かべ呆然としていた。そしてシュエン、ハオ、トゥイに対して鼻を伸ばす。
「危ない‼」
しかしリーウがトゥイを庇い、三人が巻き付けられる。
「お前ら⁉」
トゥイは一人取り残され、またその様子をただ傍観し悔しさの余り砂を握りしめた。
(まただ…また助けられた…‼悔しい‼もう見てるだけなんてたくさんなんだよ…‼頼む‼力をくれ‼あいつらを…仲間を助けたい…助けたいんだよ‼)
「いやぁ~ごっつ強さやなぁ!流石に驚いたわ…やっぱり上位の呪妖魔となるとスケールが違うっちゅう訳か…ほな四神さん…またいつかあの世で会いま…」
「无限…灵魂‼」
獏の三本の鼻は凄まじい烈火によって燃やし尽くされた。
「バオオオオオオ~ンッ‼」
(うわつ‼なんちゅう規模や‼)
「これ以上‼助けてもらうばかりじゃ…いられねェ‼」
絶望的なピンチに遂にトゥイは能力を解放した。
「お前⁉その姿は⁉」
「あぁ…待たせたな…」
「なんやお前…しゃ~しのぉ~…まずはあいつからや…やれ…」
男は獏に命令し、獏は三本の鼻を四方からトゥイに向けて放った。しかし、朱雀は鮮やかな赤色の翼を駆使して、颯爽と飛び獏の攻撃を躱す。
「くっそたれが…‼」
そして鮮やかな翼で獏の周りを迂回し、腰に刺さった赤霄剑を勢いよく抜いた。
「あれは⁉赤霄剑⁉」
そして赤霄剑を両手に構え、めいっぱい横一閃に振り切った。
「おりゃああああああ‼」
スパンと真っ二つに斬られた獏はあっという間にまた魔砂に戻された。
「…バオオオォォォォォオオオ~ンッ‼」
「やりやがったあの野郎…⁉」
ハオは脳裏にトゥイが言っていた言葉を思い出し、土壇場でみせた快進撃に驚きを隠せず敬意を表していた。
しかし、喜びも束の間、男は一瞬にしてトゥイの目の前に瞬間移動した。
「黄帝…駁落雷。」
バチバチと黄色い帯電を足に執着させ、落雷のごとくトゥイを地面へと蹴り落した。
「朱雀殿⁉」
「調子に乗るんもそこまでや…お前さん…」
これから謎の男と解放したばかりのトゥイの戦いが始まる…‼




