第14話 黒き腕の伝説
「ふぅ。大変美味しくいただきました。」
「ホント。すごく美味しかったな。」
「メシ使いなら当然だろ。」
「まーオレが作った料理で文句は言わせねェってな!へへっ(笑)」
トゥイは腰に手を当て誇らしげに自分の料理の腕前を威張った。
「コホンッ…これくらい戦闘も頼もしければいいのですがね。」
リーウの辛辣な一言にまるで天国から地獄に落とされたようにトゥイは愕然とした。
「うっ…。リーダーに言われるとけっこーくるな…。」
「ハハハハハッ!辛口には辛口でってか!流石姉貴!」
「てめェは黙ってろ!」
するとハオがリーウに真剣なまなざしで問いかける。
「ところで妖魔の報告は鳥肌がまとめるとして…伝令鳥には魔砂を預けたのか?」
「ええ。摩砂は猫肌に渡すように記しました。何か重要な情報が分かるといいのですが。」
「そうだな。」
「んん?またワケわかんねー会話してら。なんだトリとかネコとかオレァ動物園でもきてんのか?」
「鳥肌とは、朱雀殿の故郷。赤の人々で構成された報告や伝令を主軸とした部隊を指します。そして猫肌は妖魔を研究している白の部隊で構成された様々な情報をもとに分析、解析を行う知略に優れた部隊を指します。」
「お、おー。なんかスゲーヤロウどもなのは伝わったけどいまいちよくわかんねーな。」
「んーわかりやすく言うと…安いお肉の値段を色んな人に買ってもらおうとチラシを配るのが鳥肌で、その買ったお肉をどう料理したら一番美味しくなるのか考えるのが猫肌かな。伝わった?」
シュエンは読書の傍らに会話を聞いており、眼鏡をクイッと上げてトゥイに問うた。
「はーなるほど!そういうことか!そりゃあ分かりやすいや!」
トゥイは伝わったのかポンッと手を叩いた。
(いやそれで伝わるか普通。)
(青龍殿はどんな人にも合わせられるのが一種の特技かもしれませんね。)
「皆さん。明日も役儀が課せられるはずです。英気を養うために寝ましょう。ではおやすみなさい。」
『おやすみー。』
「いやぁ~。すずしいね~。」
四神一同はターゲットとなる次の妖魔を倒すため、東にある青葉林に来ていた。
青葉林は呼び名の通り青色の葉で密集している。なので一般的に知られている青葉と言ってもグリーンではなく、四大国の青市の近くの影響なのかブルーの葉が生まれるのだ。
「ふんで?今度はこの森に妖魔がいんのか。」
「はい。情報はこの辺りで間違いありませぬ。」
「ウキィィーイイ!!」
「!?」
森を散策するなか、甲高い鳴き声が四人の耳に届く。
「上だ!」トゥイの指示する声に頭上を見上げると高い木の上に妖魔が出現した。
「サ、サル!?」
「あやつは山魈。普通の猿よりも高身長で体は黒く、腕の力は非常に強力と言われています。素手で虎を切り裂いたという逸話も。」
「素手で!?ホントかそりゃ!?」
「まーでもどんな妖魔にも弱点は必ずあるはず。焦らずいこうよ。」
焦るトゥイにシュエンはニコッと笑いかけた。
「皆さん戦闘準備を!」
リーウの掛け声で四人は一斉に身構えた。
「ウキィイイ!」
山魈は木々を運ていのように渡り、物凄いスピードで四神の元に近づいて来る。
まず標的にされたのはシュエンだった。
「青龍殿!」
「…っかせて!」
山魈は大きく腕を振るい大きな拳を突き出した。
「蒼帝…鱃斬!」
山魈の拳とシュエンの斬撃が交わる。カタカタと音をたてギリギリで山魈の攻撃を受け止めた。ように思えたその時、山魈の二の腕がふくれあがりパワーを増強。拳の勢いが増す。
(くっ…!抑えきれない…!)
シュエンは山魈の攻撃に耐えきれずふっ飛ばされる。
「ヒョロヤロウ!?」
トゥイは一度ふき飛ばされたシュエンの方を振り返ったが、仲間がやられた怒りですぐさま山魈に視線を戻し飛びかかった。
「てめェよくも…!!」
山魈はすぐにトゥイに気づきシュエンをふきした飛ばした反対の腕で今度はトゥイに殴りかかる。
「バカッ!ヤミクモに突っこんだら…!」
(!?ヤバい!!)
黒き腕の伝説をもつ山魈。四神は見事討伐することができるのか!?




