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只今、異世界潜伏中です。  作者: おのん
9/16

只今、監獄生活中です。5

 7階層攻略中、余計な事して呆れられたが、怪我の功名か『統合』スキルの新たな活用法が発見された。

 と言うか、【エクストラスキル】自体珍しいスキルになるので未だ内容が解明されていないスキルもあるそうだ。

 『統合』は同質の物体をまとめるスキルとして知られている。

 例えば、クズ魔水晶を集めて一つに出来て、細かい鉄や石をそれぞれ纏め建材や精製しやすいようにしたり、布の端切れを集め一枚の布にする事が出来る、なかなか生活に役立つ便利スキルだが、質量は変わらず品質も向上しない。そう「下級ポーションを統合して中級ポーションにする」などは有り得ない。

 そして『統合』には普通はレベルが無い。…俺のにはレベルが存在する。

 「下級ポーションを統合して中級ポーションにする」事が可能で、「中級ポーションを統合して上級ポーションにする」「上級ポーションを統合して最上級ポーションにする」事が出来た。

 「『魔法の書』と『魔法の書』を統合して新しい魔法の『魔法の書』を製作」も出来てしまった。

「ポーションの事も驚きましたが、まさか『魔法の書』までとは」

「うむ、これが『勇者の力』か。王族や貴族たちが求めるのがわかるな」

「いえ『勇者召喚に巻き込まれた一般人』です」

 『ハウス』で俺のやらかしについて会議中。メイが美味しい紅茶を出してくれた。

「やはり早めに下層を攻略して宝箱を発見したことによる『スキル取得』、もしくは初めから『スキル持ち』として認識されるほうが良いですね」

「ん〜だが我々も16階層からはかなりキツくなるはずだ、いくらこのスキルが在るにせよユイルの体力や技術的にも今のままでは15階層が限界のはずだ」

 11階層から15階層は森になっている。モンスターは植物系 主にトレントと虫系の上位種になる。

 16階層から19階層も森だがオーク、オーガ、更に上位種までいるため戦闘になれば苦戦を強いられる事になる。

 ちなみに、20階層から24階層までは洞窟でゴーレムと爬虫類系が出現するが、ここから一気に魔水晶の濃度が増し、宝箱の出現率が一気に跳ね上がる事からこの階層を目指すものが多い。

「そうですね。まずは焦らず予定通り10階層を目指してから考えましょう」

「合流したらダンジョンに潜り続けることになるだろうからユイルもそのつもりでいて欲しい。一度帰還したらポーションの卸しや知人に伝えておくと良い、心配するからな」

 セルージュさんとアイゼルさんの案に従うことにした。

 そうだよな、外からポーションが入んないから余計心配されるし、余分に卸しておこう。

 

 またやらかしてしまった。殆ど無意識で触ったいた。

 『統合』がレベルアップし取得済みのスキル同士が結合できてしまった。

 『ディメンションエリアⅡ』と『ディメンションルーム LV.2』が結合して『ディメンションエリアⅢ』となった。

 正直に暴露しておく、今なら怒られない…かも。

「これは周りに気づかれないでしょうし、内容的にはいろいろと問題点がありますが差し支えないでしょう」

 苦笑いのセルージュさん。

 ごめんなさい。子どもに戻った弊害か気になるとついいろんなものを弄りたくなる。

 やたら触るなって、よく叱られた記憶が残ってた。

『好奇心は猫をも殺す』

 追加で『ディメンショルルーム』スキルを追加購入しておこう。


 7階層クリアできたので一度1階層に戻りポーションと化粧水をお頭のところに卸すついでに、今後の予定など話やお酒を置いていく。他にも食堂に行きセナルトさん達に湿布薬と手荒れ用クリームを渡し2階層へ赴く。

「トール爺さん!」

「おや、ユイル坊じゃないか。久々じゃのう?」

「実は、仲間と下層を目指す事になってね、しばらく会う事ができなくなるのでこれを3人に」

 涙・微笑みの上級・中級・下級をそれぞれ5本づつと雫の上級10本、中級・下級を50本づつ麻袋に入れて渡す。

「いつもすまんのう。3人分もの厚手の上着まで貰ってしまって申し訳ない」

「商人さんと物々交換品だし、明らかに今の自分では着れないサイズばかりだから」

 そう、化粧水などと物々交換していたが最後は交換したいものが無くなってしまい、押し売りのように大人サイズの衣類を代金の代わりに置いてった。ガタイの良いハンター達には小さく行き場を失っていたので小柄なトール爺さん達に丁度よかった。

 本来は暖か毛布も渡してあげたいが、弱肉強食 良い物だと分かれば取られてしまう。服であればサイズ的にも無理があれば諦めるし、いつも身につけているから取られる心配が少ないからだ。

 3人と挨拶をかわし、最近会っていなかったサテスさんの所へ向かう。

 時間的に留守かもしれないが、居なければメモを書いておこう。

「サテスさん居ますか?」

 穴部屋の中はいつもうす暗く、少し空気が淀んでいる。奥の寝床に誰か居るようだ。

「サテスさん!?」

 そこには痩せ細ったサテスさんが横になっていた。丁度戻ってきた同室のマイロスさんとフェスナさん、もう一人。初めて会う人物だ。

 サテスさんは10日程前にモンスターに襲われ大怪我をおった。持っていた涙ポーションでは治らず。俺にポーションをお願いしようとしたが、丁度その頃ガナス2号の煙幕事件やガナス2号の「命で償え!」事件が起こり、直接のポーション依頼は禁止になってしまった。

 代金を工面しようと同室の3人は頑張ってみたが4人分の食事代までしか賄えない。どうにも出来ない状態のまま今に至ったようだ。

 実はサテスさん達も冬の草原エリアを目指そうと思っていた時、同じように目指すグループ達の呼び掛けでメンバーに参加して、ダンジョンを進んでいたが、モンスターに襲われ途中リタイアになってしまった。

「多分、囮要員として仲間に加えた可能性があるな」

 護衛のため一緒に行動していたアイゼルさんが指摘、3人も「やはりそうか」という悔しそうな顔をして俯いている。

 まずは、サテスさんを治さなければ。

「〈往診〉」

 怪我が原因で、傷口が化膿し涙だけでは最上級でなければ完治しない状況になっていた。

 涙と微笑みの上級を飲ませると、直ぐに効果が有ったようでサテスさんが目を覚ます。

 4人は肩を抱き合い喜んでいた。

 4人分の食事とまだ在庫がある厚手の服を数枚手渡し明日の朝、俺の穴部屋に来てもらうことにした。

 

 穴部屋に戻り二人に相談してみた。

「ご相談なのですが、目的である宝箱からの『解除の鍵』『解呪の鍵』を取得は勿論ですが、首輪の効力を発動させない為に、役人達が来られないよう下層を目指す仲間として、出来れば私たちと同じような冤罪の方もメンバーに入れたいのですが」

 俺の言葉に二人とも渋い表情をした。

「お気持ちは分かりますが数名ならまだしも、かなりの人数になれば食糧や守れる戦力的に無理が生じます」

「すまんが俺もセルージュの意見にと同じだ。役人達から逃げるには最低でも20階層は潜れなければ捕まってしまう」

 やはり、と言う答えが返ってきた。

 いくら元王宮魔導士長や元王国第三兵団 団長でも戦えない多数の人を少人数で守りながら長期の攻略には無理と言うものだ。そこで俺のアイデアに意見を求める。

「みんなで階層攻略するのでは無く、戦闘出来ない方は私の『ハウス』内で待機、スペースが足りなければⅡの『箱庭』を解放すれば、一時避難としては可能です。私だけは下層階まで行かなければダメですので、頑張ってスキルやランク上げをがんばります。勿論、事が起きるまではバレないように関係者以外ギリギリまで秘密にする予定です」

「「……」」

 え!ダンマリだけどダメだった?

「なるほど!素晴らしいです!これはユイルさんでしか出来ない方法です!」

「おお!確かにそれなら無理をして全員連れて行く事もない上に安全に回避できる!ダンジョンに逃げた者に役人達は兵糧攻めを結構し、転移水晶の前で待ち構える策をとるはずだ。ひと月耐えればこちらの勝ちだ」

 各階層を囚人者を探し回るより転移水晶の前で待ち構えた方が効率がいい。ダンジョンに食の木が有ったとしても何十人いや何百、何千人もの人間がひと月もの間食い繋ぐのは無理がある。

 俺の案は採用された。

 その為に『女神の涙』を使いHPを増やす事にした。

「ユイルさんの持ち物です。誰に言われる事はありません」

「ポイントが要になる作戦でもあるなら、使わないと言う手は無いだろう」

 『女神の涙』は現在8本存在する。一つでHPが200増える。「心配性なので半分残し、来月また増えたら使う」と伝えたら「本来は1本でも国宝級。毎月手に入るものでは無いですけどね」と苦笑いされた。


 HP800が足されHP1179になり『HP回復速度上昇』にもレベル表示が追加され『LV.2』になっていた。

 試しにHPをポイント利用した後、回復しないで経過観察してみた。結論:通常五刻ほどで回復するHPが二刻ほどで完全回復される。つまりフル消費で回復するのに10時間かかるのが4時間で回復……うん、ポーションの節約になるからよし。

 同時に『即死回避』が『即死無効』に……よし!よく分からんが死に難いってことで。


【即死無効】即死魔法、即死級の一撃を受けてもHP50を必ず残す。(クールタイム:なし)


 これからいろんな人を巻き込むんだ、一々細かいことには気にしない!気にしない!

 セルージュさんとアイゼルさんの部下の方にも夕食時、集まったところで色々と攻略変更点と俺のスキルの説明、『ハウス』の案内をする事に。説明する中で一番驚いてたのは俺が勇者転生(巻き込まれ)者と言うことでも、女神ランクを幾つも所有していることでもなく、『ハウス』内の快適さでした。

 『ディメンションルーム』の時も驚いてはいたが『ハウス』での興奮度は異常なほどだった。

「デカい風呂がある!」「洗濯してくれる魔道具!!」「ベッドがふかふか♡」「知らない酒が大量に!」「メイドさんがいる!」「何この肌触りのいい下着は!」「食べた事ない食材がいっぱい!」

「後日、部屋割りしますが下層階攻略中は基本ここでの生活が中心になりますのでご不便な事がありましたら、お声かけください。」

「「「「「「「今、人生で最高の生活を手に入れた!!」」」」」」」

 いえいえ、プリズンでの生活は最高の生活ではありません。


 夕食は直接『サポートメニュー』から選んでもらう。どうやらタブレットと大型スクリーンが繋がるようで、みんな写真画像メニューに釘付け、メイが注文操作をしてくれた。

 食事と入浴が済み、落ち着いたところで細かな計画を再度決めていく。

 当初の目的に加え戦争への強制参加を防ぐ為のシェルターである俺のスキル活用のなどの他に、高品質の武器や防具、魔法の書、高ランクのポーションが入手可能な事実確認をしている。


「………マジか!」

「これ飲んで良いのか?」

「俺に聞くなよ」

「みんなに渡されたと言うことは良いんじゃないか?」

「団長も飲んでたし…」

「まさか本物を目にする事が訪れるとは…」

「これ一本で金貨500枚以上」

「「「「「「!!!」」」」」」

 皆さんに【薬箱】により貯まっていた『天使の涙』を渡した。


【天使の涙】即死回避スキル取得。HP回復速度上昇スキル取得。下位の効能追加。

【即死回避】】即死魔法、即死級の一撃を受けてもHP20を必ず残す。(クールタイム:1日)

【HP回復速度上昇】通常より回復速度が上がる。


 ささ、遠慮なさらずグイッといっちゃってください。グイッと!


「………マジで……」

「これも飲んで良いのか?」

「だから俺に聞くなよ」

「みんなに渡されたと言うことはこれもじゃないか?」

「団長や魔導士長様も飲んでたし…」

「これも本物なんですね…」

「これ一本で金貨1000枚以上」

「「「「「「!!!!」」」」」」


 同じく【薬箱】により貯まっていた『天使の微笑み』です。


【天使の微笑み】状態異常無効スキル取得(老化は除く)。下位の効能追加。

【状態異常無効】猛毒、石化、麻痺、呪詛、魅了などの状態異常無効果する。感染症など病に罹らない。但し、アルコールによる酔はステータス表示画面で調節可能。


 下位の効能追加の為、老化(年齢)が5年間止まってしまいます。ごめんなさい。


 武器や防具、魔法の書はポイントが貯まり次第取り揃えていく。

「前衛の我々にとっては『身体強化魔法』は何かと役にたつ憧れの魔法の一つだ」

「じゃぁ『身体強化魔法』を全員分を購入しますね」

「いや、それでは効率が悪い。ポイントの余裕があれば良いが、魔導士方には『防御魔法』有線の方が良いのでは?」

「そうですね。ゆくゆくは他の魔法を取得するのも、ですがこの先の事を考えると確かに『防御魔法』は欠かせませんね」

「あの、出来れば団長が履いているブーツが欲しいのですが」

 ただいま会議中。セルージュさんとアイゼルさんの三人で話していると、ポーション飲んで固まっていたで兵士さん方がこっちの会話に(ようや)く戻ってきた。

「それなら直ぐに用意できますよ。でも練習が必要ですよね」

「なら、しばらくは3階層あたりで練習しよう。春になると新しく収容された者がたまに居るが、今の時期まず人が来ない」

「そうですね。初級レベル魔法の練習相手としても丁度ですし、まだ目撃されたくはないですからね」

「なら、オートマタたちも練習できますね」

「「「「「「「オートマタ??」」」」」」」

 あ、まだ7人には紹介していなかった。

「え〜と、ご紹介します。『オートマタ』の『ピノ』『キオ』『メイ』です。分類としては魔道具になるのかな?」

 アイテムBOXから『ピノ』と『キオ』を出し、キッチンから『メイ』がやって来て皆にご挨拶。

 『オートマタ』は物として認識されており『ピノ』と『キオ』はアイテムBOXに入ることができる。

 

 今日の一番の衝撃は『ハウス』ではなく『メイ』だったようだ。

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