只今、マリトル王国に潜伏中です。グランドモール 04
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
八の月の4日、今日は、マリアヌ領主様をお迎えに一路マリアヌへ、動き出したヴィーナスに騒然としていたが、演出でキラキラしながら消えるように船をしまう。
各場所には、マリアヌへ向かい明日には戻ってくると説明をしておいた。
夕方まで時間が出来たので、グランドモールで案内の仕事をしていると
「あん時のガキじゃねぇか!会長に合わせろ!」
いつぞやの会長さんのお知り合いの人だ。
「あ〜さっきまでいましたが。船で出かけて行きましたよ。タイミングが悪かったですね」
「何だと!いつ帰ってくるんだ!」
「行き先はマリアヌですからね〜」
「チッ」
舌打ちをしてどこかに行った。
別に良いけど、会ってどうするんだ?会っても「あんた誰?」状態だろうが。
まぁ、顔見知り程度にはなってしまっているがね。
しばらくすると、今度は大声で悪口を言ってる男がいた。
「アース商会は人攫いだ!」
周りに人だかりになっている。
何とか人だかりをかき分けて向かうと、グラミスさんが対応してくれていた。
「何大声で馬鹿なこと叫んでんだ!王都の衛兵に突き出すぞ!」
「てめーの仲間のアース商会が、俺の女房と息子を掻っ攫った犯罪者集団だ!」
「いつ掻っ攫ったんだよ!言ってみろよ!」
「知るか!家に帰ったら家は引き払われてた後で、既に違う人間が住んでたんだ」
マーゼアさんとマーロンくんの事かな?それともレーテナさん所の旦那かな?
「ふっ、そりゃ女房に逃げられただけだろうが、家を引き払ったのがアース商会なのか?それよりか、家を引き払われても気が付かねぇお前さんがおかしいだろうが、ってか、女房が出て行くまでお前はどこにいたんだよ」
「なっ!人攫いだと衛兵に訴えるぞ!」
今頃かと思えたが、グラミスさんの対応を周りの見物人と一緒に見ている。
「すればいいさ、しっかり探してくれるぜ、本当の犯罪ならばな。但し、てめぇもしっかり調べられるが良いのか?嘘をだと分かれば、投獄されるだろうがな」
まあ、攫った訳では無いからね。
「…め迷惑料を払えば、訴えないでいてやるぞ」
「は〜、こっちが迷惑だ。二度とくるんじゃねぇ!」
そう言うと慣れた様に両脇を抱えられ、引き摺られながらグランドモールから放り出される。
マーゼアさんかレーテナさんの旦那だろう、以前の同様の内容で金をせびりに来た男がいたと報告があった。
大方、金をせびる相手が居なくなったから、ここに来たのだろう。
「ご苦労様です」
「おう、大した事ねぇが、ああ言う輩はしばらくは増えるだろうな。教会や孤児院の方も気を付けろよ」
「そうだね、大丈夫とは思うけど伝えておくよ」
この時、フラグが立ったとは思いも寄らなかった。
「お待たせ致しました。それでは乗船券をお渡しいたします」
只今、マリアヌで領主様ご家族と護衛や侍女さんや、家臣の方々と馬車や馬などを積んでいく。船にはフェリーのように巨大な空間が存在しており馬車や馬を預ける事が出来る。
皆さん乗船されると、各自思い思いの場所に向かって行った。
「事前に船内での護衛は不要だと伝えて有るので問題ない」
領主のカーベルン様ご本人も商業ギルド長のクイントさんと一緒に、マッサージチェアーに向かって行った。
以前、アースの本店の為、従業員や普段は子供達が居るのを理由に連泊を断っていたが、『関係者が居ても構わない』と先に返事が来てしまったので今回は二泊となった。
既に、ちびっ子隊が領主様のお子様二人に接触、何やら『ヴィーナス満喫コース』なるお手製パンフレットを作り、船内を案内している。どんなコースか俺も気になる。
俺よりちびっ子隊の方が船内のことは詳しいだろう。
翌日には王都に到着しているが、誰も船から下船しようとしない。
特に社交界シーズンの為か、朝早くから奥様がうちのドレスや宝石をすごい食いつきで吟味している。
侍女さん方も真剣にドラックストアの美容品や化粧品を真剣に吟味中だ。
お子様達はちびっ子隊と一緒に船内を隈無く探索しており、妖精の楽園の試作で制作のしたミニグリフォンとミニペガサスに乗せて移動していた。
男性陣のように真夜中まで遊んでいないので、今日が本番の案内のようだ。うちのメイドさんや侍女さんが付いているから問題はないだろう。
今日も『妖精の楽園』は大盛況だ。噂が噂を呼んでの超大盛況振りだ。
九の月以降は買い占め防止の為に人数制限付きの当日券のみの販売にした。
『妖精の集い』からは嬉しい悲鳴と同時に、商業ギルドからの圧力があった。内容は、
「『妖精の集い』から脱会しなければ、商業ギルドから強制脱会させるですか」
同船していたマリアヌの商業ギルド長のクイントさんに相談してみた。
「はい。何か良い手はありませんか?」
「うむ、これはかなり悪質ですな。本部商業ギルドへ報告案件ですが、即時対応は難しいでしょうし、私が言うのも憚られますが、商業ギルドは街の商いを円滑にし、そこで発生する通行税などの細かい税を手数料を頂き、立て替えて回収するのが役割です。それ以外にもギルドからの買い物には会員にならなければ売買出来ない仕組みですがありますが、それさえ使用しなければ自分で税を支払う形でも問題ありません。要は自由市場などと同じです」
「なるほど、勉強になります」
システムの内容がわかれば、対応が可能だ。
「いえ、ですが気をつけなければ成らないのが、役人が王都の連中の息がかかっている可能性ですね」
なるほど、これは少々厄介だな。流石に俺もそこまで手を出すことが出来ない。
あっそういえばグラミスさんの所に王都の役人が来てたな。…よし!まずは相談してみよう。
「忙しいところ呼び出してごめんね、グラミスさん。ちょっと厄介な事になってね」
急遽、グラミスさんを船に招き、今回の話をした。
「なるほどな。で、俺って事か」
「そう、Dランクまでの他国出店以外は各国の裁量で回収方法が作れるってされてるから、マリトルのみの新たなギルド作成を条件にして欲しいなって」
この条件は、以前ヴァルさんから教えてもらっていた。
「マリアヌの商業ギルド長がいらっしゃるのにいいのかい?」
ちらりと、クイントさんを見る。
「逆にお願いします。同じギルド長として恥ずかしい限りです」
クイントさんも本部商業ギルドへ報告をすぐさましてくれるとの事だ。
実は昨日、王都の役人が来て『グランドモール』と『妖精の楽園』の税の回収に現れたが、既に買い上げた土地に税を掛けるのは契約違反になる。
そういった後からの拗れを防ぐ為に、初めっから衛兵配置のや支援不必要として王都から離れた場所に建てたのだ。
「余りに執拗いから『更地にして土地を返すから買い取ってくれ』ってブルファムが言い放ったから、俺も『アースと一緒に隣の国に引っ越す』って訴えたら顔を真っ青にして帰って行ったぜ」
と、話を酒のつまみにしていた事を昨晩聞いたところだった。
「んじゃまぁ、ブルファムにも声を掛けて新たにマリトル限定の『妖精の集いギルド』を立ち上げようか」
何だか王都の商業ギルドからの嫌がらせを受ける度に、お返しの規模がデカくなっていくが仕方ない。
翌日、マリアヌ御一行が下船され、渋々王都に向かわれた。
領主のカーベルン様が、今回の商業ギルドの件と新ギルド立ち上げの口添え頂けることになった。
「案ずるな、この功績が他国へ全て移されるなど有ってはならん」
と、ふさふさのお髪を掻き上げながら語った。
ブルファムさんとグラミスさんは、昨日の内に条件などをまとめ、役場に向かってくれた。
さてさて、相手はどう出るかだな。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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火曜日・木曜日・土曜日 17時30分
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★同日 21時に更新★
『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。




