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只今、マリトル王国に潜伏中ですが、グリムモア王国の現状です。

ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援ありがとうございます!!

今後とも、ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援よろしくお願いします。


今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

 定期的にクラフさんとバトにはグリムモアの各地を見て回ってもらっている。

 理不尽な状態の奴隷や浮浪児を発見したら、保護や買取を許可している。

 俺より人を見るめを持っているので信用している。


 グリムモアの噂が流れてくる。

 噂とは、グリムモア王都は既に食料事情が深刻な状態になっており、奴隷より食料品の方が高い金額となっていると。


 やはり食費がかかる奴隷をさっさと売りたいが買い手が見つからない為、どこの奴隷商も買取を拒否しており、売りたくても奴隷商に買ってもらえない家族は、自ら値段を付けて路上で売っている。

「小さな子供は1人が銀貨1枚でした。男の奴隷は肉兵として、一部を国が買い上げていますが、ほとんどが子どもなので完全に口減らしでしょう」

 クラフさんの報告は受けていた。


「全員は救えない。そこまで逼迫(ひっぱく)しているなら奴隷商ごと買えないか?」

「…可能ですね。名前はそのままで丸ごと買取できます」

「では頼むよ。犯罪奴隷などは他の奴隷商と子ども達と交換でするように、商会長の変更の通達と一緒に出して欲しい。内容はー」




『こちら所有している大人と子供とを交換一組で共通銀貨20枚。子供のみの買取りは、一人につき共通銀貨5枚で買取る。但し、こちらの定員数が満たされた時点で即終了にする』




 奴隷商の一つを買収し、部下の一部は継続雇用にした。

 規則は厳しいが今後とも雇用の意思があるなら、未払いの月給を支払うことを約束した。

 もらってから直ぐに辞める奴もいるだろうが気にしない。


「どうして良しにするんですか?」

 新たに会頭に指名されたベルデムはクラフに質問をする。

「これから行う事業に、先を考えない安易な考えの奴がおってもらっても困る。やっぱり条件が良いからって戻ってくるなんて事があっても『雇用される意思』があって未払い金を払ったのに、金もらったら逃げる奴だとして蹴れるでしょう。と、ウチのトップがおっしゃるんでね」


 会頭は古参の人物をと考え、雇用者からの信頼が厚いからだという理由で俺になった。

「大丈夫なのですか。こんな買取内容を提示して」

 心配するベルデムはクラフに更に質問をする。

「問題ないが、まずは全員を地下から一度外に出してくれ。体を洗わせ、怪我と病人にはポーションを飲ませる」


(不思議だったが、3ヶ月以上未払いだった給金をもらえた上、そのまま雇用してくれている。更に俺を会頭にしてだ。若いが何か凄みを感じる人物だが信頼はできる)

 指示されたように全員を裏庭に出し、盥(たらい)に順番に入らさせて体を洗わせる。体調不良の者にはポーションを飲ませる。

「普段はここには居ないから管理を任せる。食材は倉庫に入れるがルートは極秘だからな。料理担当にも伝えておけ。流す奴は即、販売対象だ。今なら肉兵として国に売れる」

 笑顔でさらりと言うクラフを見て、背筋が凍り付いたよう気分になり気を引き締めた。

 実はその隙に、ユートが地下室を改装する。ついでに厨房辺りも改装しまくる。



「そろそろかな、もう良いぞ。今度の部屋の配置は、紙に書いた通りの振り分けで入れさせるように。部屋には服が支給してあるから、着替えるようにさせろ。奴隷達の食事の配給が終わったら、2階で新しくなった商会の説明を兼ねた食事会を開く」

 みんなが驚く。当たり前だ、今まで雇われる者に食事会など、ほとんど無いからだ。

 急ぎ、地下へ奴隷達を戻す。

「「「「「なんじゃこりゃ!!」」」」」


 今までとは全く違い、とても綺麗で明るい。ベッドも新しく綺麗だおまけにシーツまで綺麗な新品だ。奥には水洗トイレらしきものがある。格子になっていて部屋の中が見えるが、明らかに綺麗すぎる。


 食事も今日の分は準備してあると言われており、指示通りに配給した。

 パンが違う。スープも具が多い。今の王都なら銅貨50枚は軽く超える品だ。それもパンが2つもだ。

 奴隷達も涙を流しながら食べている。分かる。商会が買い取られる前は、食事は1日置きで硬いパン一つと水だけだったからだ。


 奴隷達の世話をした後、2階行くと、豪華な食事が用意されていた。

「ご苦労様、足りなかったら追加で出すからまずは食事をしよう」

 その言葉と同時に、次から次へと見た事ないすごい食事が出てくる。

「悪いが、この後に今後の話があるので酒は控えさせてもらうよ」

 酒なんかより、今は久々の食事に大興奮でみんな食べ始める。

 給料未払いもあり、しばらくまともな食事が出来ていなかった者が多く、皆、扱い勢いで口に運ぶ。

 今まで食べた事が無い美味しい食事だった。


 しばらくして、クラフが話だす。

「落ち着いた様なので今後の商会に付いて話をしよう。質問があれば答える。まだ食べ足りないなら、話が終わった後でも食べればいい。家族がいる者もいたね、器を用意しておくから後で家族にも持っていきなさい」

 まさか!家族の分まで!これには普段は無表情な古参集も驚く。

「今後の方針だが、正直ただの奴隷商では見ての通り、立ち行かなるところが増えている」

 真剣な表情で話を聞く。

「なので、職を身に付けた奴隷の派遣を考えている」

「職をつけた奴隷の派遣ですか?」

 今まで聞いた事がない。


「例えば、計算が出来る奴隷を繁忙期に貸し出せば、相手はわざわざ高い金額を払い、通年、雇い入れる必要は無くなる。要はハンターギルドの頭脳版だ。知的能力や技術を習得させて貸し出す。本人達は貯めた金で自分を買い戻せば良い。貸し出しが無かったら、新たに入った者への教育係の仕事をすればいい。ただ、牢の中で新たな主人を待っているより、効率が良い。例えば、料理一つでもここの厨房は楽になるし、貸し出せば新たな技術を身に付けてくるやもしれない」


 正直な感想は、凄い!の一言だ。そして理解した。だから奴隷達にあんなに凄い部屋を与えたのだと。

「子ども達を買い占めるのは何故(なぜ)ですか?大人は既になんらかのスキルがあるはずなのでは」

 気になり、質問をしてみる。

 今までは、会頭の言葉は絶対だった。が、今はクラフから気になる事は質問をするようにと言われているからだ。


「犯罪奴隷は、誰かが購入予定だと示している人物が多い。買取予定の人物は要らない。下手に置いておくと仕組みを真似される可能性がある。次に借金奴隷だ。騙された奴や家族に売られた奴もいるが、そうで無い人物は金になる技術は持っていない。持っていたらここまで落ちぶれないよ」

 確かに、犯罪奴隷は基本的に家族が買い戻し予定の人物ばかりだ。借金奴隷も、技術が持っていてもそれを食い潰すだけの粗悪さがある奴が多い。


「今は少ないが、捕虜奴隷も反抗的で手間が掛かるだけだ。なので、磨けば光る原石の子ども達に習得される。若ければ若いだけ覚えが早い。元からの資質も必要だが通常の読み書きなら子供の頃から教えれば早いし、自分を買い戻せると思えば頑張るだろう。大人はこのままでもと手を抜く事が多くなるだろう。勿論、子供でもそう言った考えをする者は居るが、余りに怠けるなら普通の奴隷として売れば問題ない」

 凄いぞ!まるで違う、今までと違い過ぎる。


「最初は資金が掛かるが、どの道今は売れない。だが逆に優秀な人材が買い放題だ。なら今の内に下準備が必要だ」

 ここに残っている従業員の殆どが、元孤児院や元浮浪児、よくても貧しい家の者達だ。

 必死で良い職をと頑張ったが、学が無ければ、まともに仕事はつけなかった物達だ。

 必死に前の会頭に叩き込まれ、文字や計算を習ってきた奴らだった。

 だから3ヶ月も未払いがあっても、今までの御恩があるから離れられなかったし、離れても他に働ける仕事が無い奴等(やつら)ばかりだ。


 「俺はもう歳だ。次の未来へは行けねえが、お前ならまだ行ける。この商会に残れ。間違いなくあの人は変える力はある」

 前会頭が去る時、俺達全員を集め伝えた言葉だ。


 あの人とはクラフさんなのか、その上の人物なのかは分からないが、次の未来を見てみたいと思った。

引き続き、お付き合いくださいませ。

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 【更新スケジュール】

 火曜日・木曜日・土曜日  17時30分

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無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 21時に更新★

『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。

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