只今、マリトル王国に潜伏中です。王都商業ギルド 12
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
サラの洗濯屋での研修期間のお仕事は3つ。
一つはサラのコインランドリー店で案内や使い方指導や誘導の仕事。
一つは『ランドリーマスター』に運転と操作の教えてもいマスターする事。
そしてもう一つは、計算と文字の読み書きを習得する事。
同じ条件で、孤児院でも13歳以上の子に希望者は移動ランドリー車の操作と計算と読み書きを教えることにした。
サラの宿屋は大改造し、完全に宿屋では無くなってしまったが、問題無いそうだから1階と2階の一部をマグリート商会に貸す事になった。
サラ自身も、そのままランドリー屋の店舗リーダーとして雇用する事になった。
「朝は3の鐘から8の鐘までです。3の鐘前に集合でシャワーと制服に着替えてください。研修期間中のお給金は1日銅貨30枚です。研修合格後、スタッフとして採用された方は月に銀貨20枚です。研修期間は最長で3ヶ月です。何か質問はありますか?」
集まったメンバーに説明をする。
「あの〜勉強する日もお給金は出るのですか?」
「はい。運転練習でも勉強の日でもちゃんと出します」
一人が質問すると、次々と質問が出てくる。
「私たちでも銀貨20枚もいただけれるんですか?」
「勿論です。研修に合格すれば全員関連の仕事について頂きます。長期希望としましたが、合わないと思われたら途中でやめてもらっても構いません。安心してください」
概ね納得してもらい、説明会は終了する。
「ねえ、名前ってサラだったよね」
「ええそうよ。確かペーネルだったかしら、よろしくね」
「よろしく。あのさ〜、多分ここに居るみんな思ってる事だと思うんだけど、こんな好条件辞める人いると思う?」
「いないでしょうね」
「「「「「そうだよね〜」」」」」
全員が納得して頷く。
「マグリート商会って、凄い人気のアイスクリームって甘いお菓子を売ってるお店だから、てっきり汚れたら直ぐ洗濯するから募集だと思ってたんだけど…」
「そうそう、有名な商会の仕事の下働きだから、ラッキーって思ってたのよ」
皆んな同じ考えだったようで話し出す。
「そうよ、私を含めてラッキーよ貴方達。だって名前はマグリート商会だけど、この仕事って更に超有名なアース商会の仕事だからね」
「「「「「マジで!!」」」」」
「ええ、マジで」
「な〜、何でまだ案内が必要なんだ?」
「だって道が分かんないから」
本日の案内係はビットだ。っていうか既にビットは俺の専属案内係となっている。
「金を貰ってるけど、殆ど同じ所しか行って無いじゃん」
どうやら、張り切って案内しようとしているが、いつも同じ場所ばかりで不満の様だ。
「どうしても、覚えられないんだよね〜、街の道って」
そう、前世もかなりの方向音痴だった記憶はある。そして何故か街では迷うが、森や山では迷わなかった記憶もある。不思議だ。
今日は六の月の15日、『妖精の集い』の説明会を開催日である。
その前に王都を少々回って見ておこうと思った訳だ。
「やっぱり、大手商会には力負けしてるね」
街の商店が並んでいた場所は、今では殆どの店が閉じている。
「前まではここら辺なんて、大手なんか見向きもされない場所だったんだぜ。なのに最近一気に増えて来てるんだ」
まぁ商売も戦いだから、生き残らないとならない。が、少々やり方が卑怯なのが気に入らない。
別に弱小商会の正義のヒーローになりたい訳では無い。正直、マリアヌでの支店の時もそうだったが、何かと大手商会だからと言って突っかかって来てうんざりしていた事もあり、意趣返しの意味も込めている。
さて、そんな大手商会に対して行う、俺の嫌がらせ計画に乗る商会はどれくらい居るかな?
「お集まり頂きありがとうございます。只今より『妖精の集い』の説明会を開催いたします」
9の鐘、マグリート商会で開催する説明会は、ハイエルさんが主催となってスタートした。意外と人が集まったことで、商会内では手狭になり、急遽100名乗りの馬車の入り口に設置し、その中で開催する事にした。
俺はサポート役として参加する。
「アースの品を扱わせてくれるのかい?販売禁止されてるものを?」
早速チャキチャキの女将さんが質問してくる。
「正確にはアース関連の品となります。全てではありませんが、条件をクリアしましたら、その範囲での品と情報などを提供致します」
司会進行のハイエルさんが答える。
「その条件とは?大した事は書類には書かれて無いけど」
先に配布しておいた条件や、品目などを提示した紙を見て質問が出る。
「事前にお渡ししてあります書類以外には特にございません。強いて付け加えるなら、イベント情報を告知してもらうぐらいですね。扱う品については店のジャンルによりますし、数量も制限があります。おおよその目安としましては、本日お渡ししました資料に記載されてある一覧をご覧ください。入会された商会様は個別で取扱商品をご相談を受け致します」
皆んな参考資料をチェックする。
「なるほど、どのコースかで扱う品が変わってくるんだね」
「この許可証店の『妖精の集い』の目印を店の前に張り出すって、大手商会に睨まれないかい」
「はい、『妖精の集い』は大手に対抗する為に集う新しい組合です」
その言葉に皆んながざわつきだす。
「そんな事したら、余計に睨まれるじゃないか!俺はゴメンだな」
初めっから、不機嫌そうに参加している中年の男が叫ぶ。
「そうだ!そうだ!アンタらに関わってたら商業ギルドにまで睨まれて、商売がやってられなくなる!」
「そんなことより、アンタらのメリットは何だい?特にお宅らにはメリットがないと思うんだが」
「仕入れ値はどれくらいなんだい」
全てに否定的な中年の男性達に対して、率先して質問してくる恰幅の良いおばちゃん達。
「メリットと言うならば、大手に対抗する団体作りでしょうか。勿論、皆様のご判断にお任せしますが、締切は六の月末で次回の入会募集は来年以降とになります。ですので今後の動きを見てからの入会でも構いませんが、条件は変更になりますことはご了承ください。仕入れ値と販売価格については、入会後に詳細にご説明いたしますが、売値の5割から6割程を予定しております」
その言葉に、検討するかのように小売価格が掲載した説明書を真剣に見る者とそうでない者に分かれる。
「はん!なんか上手いこと言って、俺達を入会するように仕向けてるみたいじゃねぇか?!俺は嫌だね!これ以上大手に睨まれたらゴメンだ」
先程からやたらつ突っかかる人物が数人いる。
大方、商業ギルドか大手商会のスパイであろう。スパイと言っても素人だ、撹乱させようとしているのがバレバレだ。
「承知しました。入会しなくても何ら問題ありません。先程もお伝えしましたが、今後の動きを見てからの入会でも構いませんし、大手に対抗するのがお嫌でしたら無理にはお誘いしません。ただ、我々はここでの入会店が0でも開始致しますので、一応、ご報告を兼ねてEランクの商会にお声がけをしたまでです」
ちゃんと開始宣言をしたので、俺たちが起こす波に乗り損ねても文句は受け付けない。
「俺も、これ以上大手に睨まれたらやってけない。悪いが俺は降りるぜ」
そう言って立ち去る人物がで出ると、釣られて出て行く人達もいる。
初めは70組以上居たが、残ったのは36組だった。
「どの道、もう後がないんだ。大手と張り合えるアースさんと組めれるなら最後に掛ける価値はあるな」
「王都の商業ギルドに喧嘩を売るんだ。気合い入れんとな!」
「ギルドは大手の味方さ、何かあっても助けてなんてくれないんだ。自分達で動いて何が悪い」
「そうさね、今までだって扱いは最低だし、大手の出店で周りの商店が困ると言ったらアイツら『商人だから負けないように商会を大きくしてください』って言いてるだけだよ。なら文句はないさね」
「いちゃもんしか付けて来ない奴らに遠慮はいらん。どの道このままだは、1、2年で店を手放さんとならん状態だ。掛ける意味はあるじゃろうよ」
残った36組はかなり、やる気十分だ。
それからさらに9組の商会を加えて45商会が『妖精の集い』グルナル組合メンバーとなった。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 17時30分
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★同日 21時に更新★
『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。




