只今、マリトル王国に潜伏中です。王都商業ギルド 10 オークション
ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援ありがとうございます!!
今後とも、ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援よろしくお願いします。
今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
4人からの冷ややかな視線に耐えて、夜の部は少し時間が有るので近くの食堂に入り夕食を取る。
「は〜箱庭や箱舟での生活に慣れてしまって、昔だったら大喜びした食事も感動が無くなってしまったわ」
近くの食堂で食事中、グレンデがため息混じりで語る。
テール達やセルジュオさんまでも大きく頷く。
「私も昔は宮廷でお勤めをしてましたから、それなりに良いものを食してきました。ですが、どれもアースでの食卓には負けますね」
「だからか、俺たち最低生活と最高生活しか送ってないから、ヴァルモア様が偶には外の世界を見てくるようと言われた意味が分かったよ」
そう言いながら俺をジーっと見ないでくれたまえ、テール君。
結局、少しだけ食事をしてボックス席に戻り、俺が持っている軽食をつまみながら夜の部を待つことにした。
バタバタ大変そうなハンターギルドの皆んなにも、ついでに軽食を差し入れをしておいた。
さあオークションメインの夜の部が開催です。飲み込まれないように気合いを入れて参加しましょう。
「只今より、夜の部のオークションを開催いたします」
午前、午後の部の司会者とは明らかに違い、ベテラン司会者さんがステージに上がり開催の挨拶をする。
既に異様な熱気に包まれている。
会場自体は先程までより静かだが、今までの熱気とは違い怖さを感じる熱気だ。
「…怖え〜」
テールの呟きにハルス、ニデル、グレンデに俺も一緒に頷く。
「そうさせてるのは、ほとんどアース商会の品々ですよ」
にっこり笑いながら答えるセルジュオさん。その笑顔も怖え〜です。
「ユートが『グリムモア王国に嫌がらせ』って言ってたけど、あの時は半分以上冗談だと思っていたわ。でもこの様子を観て理解したわ、本当に可能なんだって」
グレンデが納得したように会場を見つめている。
会場では既に金の殴り合いが始まっている。プライドを掛けた殴り合いだ。
「No.125アース商会の一回限定会員カードキー『パティスリーカフェ』10枚セットです。金貨1枚からのスタートです」
一気に金貨3枚まで値が上がり、金貨4枚と銀貨35枚で落札となる。
続けて『ラウンジバー』の10枚セットが金貨6枚と銀貨30枚で落札した。
「No.127アース商会の一回限定会員カードキー『エステサロン』10枚セットです。金貨1枚からのスタートです」
怖いわ〜、女性の美への追求が。初手から金貨10枚なんて、男性陣はどよめいているが女性陣は動揺もしてない。
想定内なのか!?男性陣よりエグい殴り合いが始まっている。殴り合い参加中であろうご婦人の隣にいらっしゃる男性の顔が引き攣っているぞ。
結果、他国の上級貴族であろうご婦人が金貨26枚でゲットした。
男子禁制だが俺の使用はOKなので物は試しにと一度受けてみた。
気持ちは良かったけど、元々ピチピチなお肌のお歳なので良さがさっぱり分からなかった。
元々、アース商会は野郎集団で『エステサロン』男子禁制だ。
色街のお姉様方やギルド関係者の女性陣の使用後の姿は見た事が有るが、風呂上がり?ぐらいの感覚でしか思えなかった。
なのでグリムモア脱出メンバーのご婦人方に試してもらった。
元々が妙齢な女性陣ばかりしか使用していなかったエステサロンだ。細かい差が分からなかったのでご感想を兼ねて体験してもらった。
その結果、「女性達が群がるのが分かった」と結論に至った。
使用した本人達も驚いてたが男性陣も相当驚いていた。
だってサテスさんを筆頭に、自分の奥さんを見て顔を真っ赤にして照れていたからよくわかる。
いくら人気でも一枚ずつではイマイチ盛り上がらないと思いセットにしてみたが、こっれ一枚ずつの方が良かったかもしれないね。
「では今宵最後になります。No.175『若返り限定女神の微笑み−20歳』です。こちらは同じ品が2本ご用意されています。特別ルールとしまして、事前にご説明致しました『複数ルール』を採用させていただきます。落札表示パネルには上位金額の二つが表示されます」
説明途中で天井からもう一つ落札金額が表示されるパネルが降りてきた。
魔法の書の落札時にも仕様された『複数ルール』とは、同じ種類の物は高値を付けた人物から購入可能で、2つ3つまとめても購入可能なシステムになっている。
「入札パネルにはお1つ分の価格をお願いします。2本お求めの方は送信前に横にある『2』ボタンを押して送信されますと、落札パネルに二つの落札者として表示されます。勿論、お一つでも構いません。その場合、二番手の入札者の方がお二つで登録された場合は、お一つ分が落札される事となります」
さあ、クライマックスですよ〜怖いですよ〜。特に上級貴族様の奥方様、いや王妃様達が。
「ユートさん、カタログ通販で購入できる女神の微笑みの必要なポイント数は幾つですか」
急にセルジュオさんに質問された。
「えっ、確か2万Mだから2万ポイントだったと」
「M計算では、およそ銀貨2枚ですよね」
そう言うと、唖然としていた4人に、セルジュオさんが語り出す。
「初めに伝えましたがアース商会が扱う品、いえユートさんが作り出す品が世間に大きな火種になる可能性を頭に入れて置いてください。際ほどの会員カードは、女性の美への憧れがさせる物ですが、これが権力者が永遠の命欲しさに我が商会、それに関係する仲間達に襲いかかるかもしれません。これから皆さんはユートさんの補佐役と成るにあたり、今日のこの光景は忘れずにいて下さい」
神妙に話を聞く4人と反省する1人。
終始無言で会場を見つめる。
ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさい。
落札価格1本金貨2570枚と1本金貨2568枚となりました。マリトル王国の王妃様と犬猿の仲である隣の大国の第一側妃様が落札した。
お隣の第一側妃様が購入後、その場で飲みほしたら、大勢の目の前で一瞬にして20代前半のまで若返ったことで更に注目が集まる。そして
「我が国への出店、心より歓迎しますわ」
と高らかに宣言された。
何処とは語ってはいないが、誰もがアース商会だと分かる。
このことで更に商業ギルドの肩身が狭く成る。
だって王妃様の耳までアース商会の営業禁止や偽物騒動が入ってるし、昔からライバルだったお隣の第一側妃様に『この国よりウチは待遇良いですよ』とウチの商会むけてのアピールだ。
隣の国に美容関係が先取りされたらどうする気だ!と、王妃様筆頭に上位貴族のご婦人方から商業ギルドに苦情が殺到した。
他にも『エステサロン』の落札出来なかった他国のご婦人方がアース商会の化粧品を購入しに大商会を駆け回ったが手に入らず、理由が商業ギルドがアース商会の営業禁止と偽物騒動でアース商会が製造販売中止にした事が原因と分かると、これまた大勢のご婦人方が商業ギルドに乗り込んで行ったと、ハンターギルド長のブルファムさんが楽しそうに教えてくれた。
そしてトーイさん達もこの噂を聞いて。
「そんな凄い品を父さんは僕たちに飲ませたんですか!」
とトール爺さん、いやトールさんは奥さんと息子に怒られたようだ。
「金貨2500枚以上、金貨2500枚以上、………」
ぶつぶつ金貨2500枚以上を繰り返し言っている、精神を病みそうなトーイさん。
「アースの国では上級ポーションの様な感覚ですし、本店を見たら気にならなくなりますよ」
と伝えて置いた。
「本当に私の父はアースの民でしょうか。万が一違ってましたら到底、返金など出来ましん」
半泣き状態で俺に縋り付く。
「間違い無いですよ。安心して下さい」
丁度そんな時、隣の街で働いていた娘さんと息子さんが帰って来ており、引っ越しをした新しい家が立派になってた事と、自分達のお爺ちゃんが今、超噂のアースの民だと分かって孫達にトールさん大モテ中だ。
ニッコニコのトールさん、可愛い孫にお小遣いあげると言って金貨を渡そうとしたから、奥さんのカリーナさんとトーイさんに叱られてた。
「「常識で考えなさい!」」
その言葉、とても耳が痛いです。
引き続き、お付き合いくださいませ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 17時30分
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
無断転載、無断使用は固くお断りいたします。
★同日 21時に更新★
『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。




