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只今、マリトル王国に潜伏中です。王都商業ギルド 7

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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

 王都でのアース商会の化粧水偽物疑惑騒動から半月ほと過ぎたが、未だに王都では騒ぎが収まらない。

 そんな中、ハンターギルド主催のオークションで『若返り限定女神の微笑み−20歳』が2本出品されることで、近隣諸国でも話題となっていた。

 いろいろあったがクラン「アース・テラ」からの出品として、副ハンターギルド長ベーリスさんがここまでならとOKが出た。

 他にも俺個人から、投獄初期に使っていた自動防御の指輪と防御の指輪をなど数点を偽名を使い、個人ハンターの出品枠になる【個人出品】に出してみる。

 殆どが不用品処分だったが「マトモに出展できる品があるじゃないですか」とベーリスさんに喜ばれた。

 やはりⅠ、Ⅱまでしか安易に世に出してはいけない品だと認識できた。



 オークション前は何かと忙しかったが、既に教会を始めとした全てのハコモノは建築済みだ。

 ただ、引越しや行動を早くしてしまうと商業ギルドに気付かれ、何か動かれても困るので、嫌がらせ防止の為に六の月に入るまでは動きを潜める事にした。

 既に土地の購入から、商業ギルドにはバレている部分があるが、教会を含めてグランドモール予定地と一緒に周囲に簡易の土壁で囲いをしている。

 万が一に中を覗かれても、全て建設開始したてやら。建設途中風に幻術で見せかけてある。

 勿論、牧師さんやシスター達に協力してもらい、何回か解体業者に依頼をするフリをお願いした。


 孤児院だけはオークションが終わり次第、順に住み替えを開始する。

 現時点では、位置的に教会側の土壁が邪魔して孤児院の方は見えていない造りにしてあるので、気づかれない。

 既に出来上がっている孤児院の裏庭に、家庭菜園ならぬ家庭用食の木を植える為、食の木チームを呼んで指導をお願いしようとした時、オークションに『若返り限定女神の微笑み−20歳』ポーション出品につながる事件が起こる。




 事の始まりは遡ること、化粧水偽物疑惑騒動が起こる数日前の事だった。


「トール爺さんの元気がない?」

 食の木チームのマイトさんとカルロさんからの相談だった。

「なんか監獄から出て家族の墓参りしたら、急に元気が無くなっちまって。夢で亡くなった奥さんが呼んでるって、最近そんな事ばかり言っててよう…」

「近頃は、駆け回る元気な子ども達を観てて少しは元気が出たみたいだが…」

 トール爺さん、奥さんの元に行くと言って、頑(かたく)なに女神の微笑みをの飲もうとはせずに、お迎えが来るのを待っている。

「今度マリトル王都の孤児院に、食の木を植えてもらうの手伝ってもらう事にしてるから、その後に気晴らしで王都見物でもしてきたら?元気が出るかも」

 気休め程度だろうが、気晴らしになるかも知れない。

「そうだな!少しは気が晴れるかもしれないしな!」

「早速トール爺さんに伝えて来るよ!少しでも元気になれば良いな」



 そして二日後、新たな孤児院で暮らす子ども達とトーイさんご家族、お手伝いに来たシスターさん数名が集まり、食の木の種類選びや植える場所や世話の仕方を教えてもらう為、食の木チームを箱庭から呼び寄せた時に起こった!


「カッカッカッカッカッカリーナ!カリーナ!カリーナ!カリーナ!カリーナ!カリーナ!カリーナ!」

 急にトール爺さんが叫び出した。

(えっトール爺さんが壊れた!?どっどっどうしよう!微笑みポーションで治るのか?!)

 どうしようかとワタワタしている俺と食の木チームの5人と、呆気に取られてる孤児院の関係者達の中で、一人だけ冷静に声を掛ける人物がいた。

「え?もしかしてトール?あなたなの!?」

 トーイさんのお母さんのカリーナさんだった。

(あれ!?もしかしてトーイさんのお母さんのカリーナおばあちゃんと知り合い?……いや待てよ。確かトール爺さんの亡くなった奥さんの名前ってカリーナさんだったよね!)

「母さん!トールってもしかして僕の父さん?!」

 カリーナおばあちゃんの言葉にトーイさんが尋ねる。

「カリーナ!こっちは息子のトーイなのか!」


 感動の涙の再会です。

 食の木レクチャーは一時中断、しばらく俺らは良かったね〜で、俺達も一緒に泣きながら見守っている。


 トーイさん達は積もる話をしているので、他のメンバー達で種類や本数、子ども達で世話がしやすい食の木などを吟味して裏庭に植える。



 トール爺さんが国に囚われて、人質にされそうになったカリーナさんと当時まだ幼かったトーイさんは、トール爺さんの幼馴染であり、恋のライバルでもあった牧師のシュグナさんという方が二人を死亡したと偽装し、この地まで一緒に逃げ、家族として暮らしていたそうな。

 で、それを聞いたトール爺さんは

「シュグナのやつ!!俺の奥さんと夫婦生活を送った挙句、最後を看取ってもらっただと!!許さん!!」

 ライバルのシュグナさんのお陰で、トール爺さんメチャ元気になった。


 良かったね。あの世で奥さんは呼んでなかったよ。


 ただ、元気になったのは良いんだけど、

「女神の微笑みを儂とカリーナの分を貰えんか!若返って人生をやり直したい!」

 というトール爺さんの要望に対し、カリーナおばあちゃんが

「嫌よ。孫もいて院の子ども達に囲まれてのんびり暮らしたいのに、若返ってもう一度人生をだなんて」

 と断られた。息子のトーイさんからも

「ん〜、自分より若い父親と言うのはちょっと…」

 とやんわりと断られた。が、トール爺さん諦めずに

「お前もアースの一族だから同じだけ若返れば良いじゃないか」

 と、とんでも提案が出された。


 理屈はわかる

 『アースの民であるトール爺さんの一族はアースの民である』


 確かにアースの民設定では『希望があれば正規の女神の微笑み使用が認められる』って事にしてあるけどね。

「いや〜、でも子ども達と同じぐらいになるのは抵抗がありますし、子もど達も嫌がりますよ」

とトーイさんが反論した。

 そこにまさかのトーイさんの奥さんが、トール爺さんへの援護射撃があり

「私は若返りたいわ!子ども達のお世話は体力的にも大変だから、是非!」


 で、結局はトール爺さんとカリーナおばあちゃんは正規の『女神の微笑み』を1本使用で−30歳若返えり、トーイさんご夫婦は『若返り限定女神の微笑み−20歳』を1本使用することで話は何とか収まった。

 トール爺さん一人だけが不服のようだが、家族会議で決まったことです。諦めましょう。


 孤児院に手伝いに来ていたシスター達が、トーイさん達がアースの民だった事に驚きと、早速トーイさん達が服用して若返っていたことに羨望の眼差しで見つめる。(俺にも熱い眼差しが)

「この王都で数名のアースの民と出逢えたことへの感謝を込めまして、孤児院の移転完了後にアース本店で祝賀会を開きます。御関係者で有らせられる皆様には、是非、ご出席賜りますようお願い申し上げます」

 と眼差しの内容を他に逸らす事に成功した。



 トール爺さんご家族ご対面の翌日のハンターギルドでオークション出品物を追加した。


「……っと言うお祝いで、クラン『アース・テラ』から『若返り限定女神の微笑み−20歳』をオークションに、特別に出品いたします」

引き続き、お付き合いくださいませ。

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 【更新スケジュール】

 火曜日・木曜日・土曜日  17時30分

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無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 21時に更新★

『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。

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