只今、マリトル王国に潜伏中です。王都商業ギルド 1
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
王都商業ギルドから営業禁止発令がでた翌日の事である。
今回から当番の子にはチラシの配布と交換場所の案内や説明を頼むが、高額依頼が無くなる事にかなり落ち込んでいた。
それより落ち込んでいたのがハンターのおっさん達だ。『揚げ物セット』が無くなる事がショックだったようだ。
「よう、大変な事になったな」
手続きをしていると、王都ハンターギルド長のブルファムさんが声をかけてきて、今はギルド長部屋におじゃなしている。
「いや〜、自分自身はやる事多いから変わらないですが、営業禁止になったので従業員達が堂々と皆んなで休めますよ」
「…普通、商会長なら焦ると思うが…」
ニコニコで答えた俺に、少々呆れて顔で見つめる。
「だって朝から毎日長蛇の列ですよ!戦場ですよ!下手に休みを入れたらお客さんに恨まれますが、しばらく堂々と休めますし、新たな仕事にも着手出来ますから、ちょうど良いタイミングで商業ギルドがやってくれましたよ」
本当に良いタイミングでやらかしてくれた。
「これで例の計画を一気に始めたいと思いますが、よろしいですか?」
新たな計画を進める事をブルファムさんに伝える。
「おう、まずは土地の購入だな。教会の横辺りで良いんだな」
「はいお願いします。姿を変えてご一緒します。で、確か金貨25枚は入っています。これで足りるはずです」
金貨が入った袋ごと渡そうとしたら、止められた。
「確かって、ちゃんと確認しろよ大金だぞ」
そう言われたので目の前で確認してみた。あれ?金貨26枚だった。
「訂正して金貨26枚渡しておきますので契約よろしくお願いします」
さらに呆れ顔をしながら袋を受け取る。
「おう。ところで、お前さんところのハンターたちはまだ戻って来ないのか?」
「は!はい、予定ではもうそろそろですがね…」
ヤバい、いつもハウスに帰ってきてるから忘れてたが、流石に潜りすぎだったかもしれない。アイルさん達に伝えとかねば。
「そうか、もしよかったら出土したもので良さそうな物があれば、うちで開催するオークションに出品してもらえないかと思ってな」
「オークション出品ですか?十一の月だと聞いてたのですが」
あれ?前にこの国のオークションを月を尋ねたら十一の月末だって聞いていたが。
「あぁ三年前まではな。それまでは商業ギルドと持ち回りで開催してたが、一昨年から『品数が多い』とか貴族からの苦情が有ったと言う理由で、十一の月末は商業ギルドのみが主催で、ハンターギルド主催は五の月末の開催だけになったんだが、有名なのが十一の月末だから知名度も無くてイマイチ盛り上がらない。盛り上がらないから出品数と品質がイマイチでな」
どう聞いてもオークションの旨味を独占したく、商業ギルドが程よくハンターギルドを追い出した事はわかる。
貴族も商業ギルド側の肩を持つ人物が多いと見える。
「例えば、私の持ち物なんかをダンジョンから出た品偽装できます?」
「ん〜出来るがモノによるぞ、完全に出品者を隠すなら他の方法もあるぞ」
そんな方法があれば、是非お教えいただきたい。
「例えば?」
「商業ギルドが全く関わらなくなったから、偽名で作ったギルド証に入金しちまう方法だ」
「いいの?ギルドがそんな事して」
思わず、叫んでしまった。そんな事してハンターギルド長がクビになったら困る。
「偽名は問題ない。本人かどうかは魔力で判断されるからな。だがお前さんのカードを作るとしても、15歳までは取り出せないぞ」
あぁ、そういえば、アイルさん達も偽名だったや。
ギルドのお金はGランクは全て現金払いだが、Fランクからはカードがデビットカード擬きの仕様にもできる。
「秘密守ってくれたら出品するよ目玉商品」
思わず笑顔で声をかける。
「…頼んどいて何だが、お前んとこの目玉商品は怖いな」
早速、役場で土地購入の手続きをする。3日後現地で契約契約手続きをする事になった。
「手続きは済んだが、先ほど話した件だが、参考までにどんなものがあるんだ?」
オークション出品物を尋ねてきた。
「逆に、どんなのが欲しいです?目玉としては」
何出せば良いのか全く想像出来ないので、尋ねてみた。
「そうだな、一般ウケするのは魔法の書やポーションの上位系だな。女性ウケはオマエさんとこの化粧品関係だ。あと、ハンター系は剣や魔法防具系だな」
俺の匙加減が難しいな品だ。やりすぎと言われそうなジャンルの案件だな。
俺一人で決めるのはマズい。
「今度、グラミスさんと一緒に本店で打ち合わせしませんか?ウチの本店はこれから建てる造りの見本です。建物のイメージも出来ますし、出品物も幾つかお見せしますから」
「おおマジか!噂の本店にか!?」
大興奮のブルファムさん。
「だけど今は営業禁止中ですので、他の皆さんには内緒でお願いします」
営業禁止中にハンターギルド長達と動いているとバレると計画の支障が出そうだ。
「おお、分かった。だが副ギルド長には伝えておいて良いか?出品偽装には協力してもらわんといけないから」
「分かりました。では秘密厳守でお願いしますね」
数日後、ではなく当日です。
グラミスさんに話をしたら、夜ならいつでも空いてるって事で、善は急げとばかりその日のうちに本店へ来る事になった。
王都との入り口はしばらくはサラの宿だ。
営業禁止になった事は知っている様で心配されたが、他の仕事の関係でちょくちょく出入りするし、そっちの仕事が忙しいので問題ない事を伝えてある。
シャワー室は今まで通り自由に使っていいと伝えておいた。
「みんな喜んでるから有難いけど、本当に大丈夫?」
「別に王都だけで販売してる訳じゃないから、問題ないよ」
「本当に大手なのね、ユートのアース商会は」
「…これが噂のアース本店か…」
「噂以上に凄いな…」
「ようこそ!アース本店へ。まだ子ども達がいて賑わってますので先に夕食にしましょうか。どうぞこちらへ」
サラの宿からだが、乗船カードでの乗船だ。
案内したビュッフェエリアが、ランクⅢにより種類も70種類以上もあ離、景色を楽しみながら食事が楽しめるアース本店の自慢の場所の一つだ。
今は箱舟に収納しているので、外の景色は綺麗な夜空の映像が流れていた。
「これ、いくら食べてもタダなのか?」
「ええ、乗船カードをお持ちでしたら、こちらはいつでも無料でいつでも使用できます。有料店も御座いますが、簡単な飲食スペースは全て無料ですね」
二人とも入り口付近で止まって、並んでいる食べ物を見つめている。
「マリアヌでは『アースの民になりたい』って噂が聞こえていたが、確かにわかるな」
ブルファムが軽く息を呑む。
「おお、確かに…、まさかグラデールもここに来てるのか!」
すごい形相でグラミスさんが俺を見る。
「いいえ、まだお誘いしてませんね。ご招待したのはマリアヌのハンター、商業の両ギルド関係者と領主様関係者だけですね」
納得した様だが、並べられた食べ物を見つめて、
「「周りに自慢出来ないのが残念だ」」
残念がる二人のおっさん。
「一応営業禁止なもので」
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 17時30分
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★同日 21時に更新★
『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。




