只今、マリトル王国に潜伏中です。『ヴィーナス』始動 1
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
「ユートさん。今日、商業ギルドの職員がやってきまして、ユートさんを呼びに来たんですよ」
おや?漸くか。
どうやら混雑する中を割り込んで、ギルド職員が自由市場にやって来たようだ。
「で、なんの用事で?」
「それが、特別にDランクにしてやるから会長を商業ギルドに来させろとの事でした」
呆れながら話すサテスさん。
「…?いや別になりたくないんですけど。って言うか、俺ギルド証無いんだけどね」
成人年齢に達してないので、商業ギルド証は発行されていない。
「ですよね。なのでしばらく会長とは連絡がつきませんのでご辞退いたしますと適当に答えたんですけど、ならばここの責任者をと言ってくるので『私ですけど同じくご辞退いたします』と答えたら『今後王都と王都周辺でのアース商会の営業は禁止する!』って大声で怒って帰られました。ですので、しばらくお休みするとグラミスさんに伝えておきました」
少し笑顔を見せるサテスさん。
「やったじゃん!じゃあ明日はグラミスさんとこでお願いして詳細説明してもらいるようにするのと、誘導係の子供達には今回の出来事を詳しく書いチラシを配ってもらおう。一緒に今持ってる番号札は、ご迷惑した代わりに景品と交換とでも書いた内容の紙も配布してもらおうかな」
営業禁止命令出されて喜ぶ商会長と幹部達。
それとは対照的に、サテスさんの後ろで営業禁止になった事がショックで、暗い表情のお手伝いメンバー達が俺を不思議そうに見ている。
お手伝いメンバーはグリムモアから脱出して来た新規のメンバー達で、これから頑張ってアースに恩返ししようと商いの手伝いを始めた矢先の事なだけに、営業禁止を出されて会長である俺の反応が心配だったようだ。
「交換品はどうしますか?」
「交換品は『パティスリーカフェ』『エステサロン』『ラウンジバー』の一回限定使用の会員カードキーのどれか1枚。細かい使用説明と店の特徴も書き出しておいてね。全くありがたいね、お客さんに非難されずにしばらくお休み出来るからね」
この世界は定休日という考えはほとんど無いので、個人運営している店以外の大手や人気の商会等は、余程の理由が無いとお客様からクレームが入る。
「ハハ、確かに、お客様の波が今だに引く気配が無くて、皆んなも少々へばってましたからね。では印刷物の準備とハンターギルドへの報告をしてきますよ」
手伝いをしていた新入りのメンバーは、俺が問題なしと発言した事でほっとしたようだ。
「ハンターギルドに行くなら私もついてくよ。自動販売機も回収してこないといけないからね」
あれもアース商会の営業になってしまうから。
ハンターギルドでの仕事依頼は一部変更するが、継続する事も伝えておく。
「内容は、今回の事を記載したビラと、番号札を景品と交換するビラを配ってもらう仕事と、交換所の列の案内係を頼みます」
この出来事を皮切りに、化粧品の独占を狙ってた王都商業ギルドがとった行動の結果、アース商会と対立している事が世間に知れ渡り、女性達から批難された続ける事になった。
ギルドは仕方なく、アース商会の営業許可を出そうとするも本店が皆目見当たらず、マリアヌの商業ギルドから支店への連絡を繋げようとしたが、『既に支店は閉店している』とマリアヌの商業ギルドから連絡が入いる。
その後、突如と現れた巨大な空飛ぶ船とその下に現れた巨大な建物の数々に、王都の者達が驚愕したのは、少し先の話となる。
◆ 遡ることクルーズ船Ⅲの発動日 ◆
マリアヌの城門には人集りが出来ていた。あっまたあの屋台のおっさんがいた!
「初めましてアース商会の会長を務めてますユート・アースと申します」
「堅苦しい挨拶は無用だ。儂はここの領主のカーベルン・マリアヌだ。散々こ奴らから自慢話を聞かされていてな、今日は家族も連れてきた。特にうちの妻がアース商会の化粧品に夢中でな。本日はよろしく頼む」
確かに噂通りの御仁のようだ。ってかギルド長二人して領主様に何自慢してんだ。
「では、本日は新しい船になりましたお披露目を兼ねております」
「「「新しい船!!」」」
「新設したと!」
ギルド長達にも知らせていなかったのでみんなが驚く。
「はい、では、クルーズ船、命名『ヴィーナス』始動!」
光り輝きながら、アースの新しい船が現れる。
集まった人たちも見上げてるし、箱庭のメンバーも今日は全員外に出てきて新しい船を見あれている。
まーね、でかいよね、乗員数が4倍なら船もその分大きいよね。
乗船は昨日しているが、普段は隠しているので新しい船を外から見てみたいと言ってた。
それにしてもマーキュリーより派手で更にキラキラしてんぞ。
さすが『ビーナス』の名だけはある。(俺の命名)
マーキュリーは時間停止インベントリー に一時収納し、引き続きキョウに操縦を頼む。
箱舟に『リンク設定』したので問題ない。
「では乗船いたしましょう」
乗船カードを発行していく。今回は二日間を予定している。前半後半の二部制だ。
どうしても乗船したいと、職員達が揉めてるからと両ギルド長に頼まれた。
領主様御一行もかなりの人数だ。こちらも二部制です。どんどん乗船してください。
レベルアップしたのは分かるが船内が凄っかった。
キョウたちオートマタが先回りして両替設定も完了済み。
今回からは乗船カードに入金するプリペードカード仕様にした。
以前、交換量りでウチの貨幣を査定すると、とんでもない価値が表示されたので、今回からはウチの貨幣は使用せず乗船カード支払のみにした。
ちゃんと領主様ご家族はスイートルームに変更されている。
メイたちが案内していくれているので、俺はやることがない。
このクラスになると『パティスリーカフェ』『エステサロン』『ラウンジバー』が全て完備されているので詰め寄られる問題は無くなった。
デッキに出て下を覗いたら、既に宴会が始まっていた。季節的に夏の初めになるのでビアガーデンのように盛り上がってる。
(あれ!?ウチの子達がいる)
よく観たらリヤカー引きながらポテトフライと唐揚げセットを売り歩いてる。
他にもいた!ビアサーバーでビール売ってるのは、グレンデたちグリムモアの孤児院メンバーだ。
近くにドワーフの二人が陣取ってビールを飲んでいた。
先日、皆んなに給料を払っていない事に気づき、急ぎ月給を設定をした。商会の売上を預かり場でもある換金所に、月毎の自動入金設定にしておく。換金所ではエンでも共通硬貨でも、どちらでも24時間いつでも引き出可能にしてある。
「別に食事も家もあるので特に困ってないですが」というが、それではいけない。なので金額を設定してみた。
幹部・直営店代表者 金貨1枚
幹部補佐・直営店補佐 銀貨70枚
加盟店店長・部門リーダー 銀貨50枚
加盟店スタッフ・部門スタッフ 銀貨20枚
そしてドワーフ二人はその金で外で飲んでいる様だ。他にもハンターチーム(独身組)もいた。
ストッパー役の常識のある他の大人達は、最近の激務で疲れてお休みされているようだから、元気な大人と超元気な子ども達はどちらも野放し状態だ。
まもるくん、みはるくんたちが警備してるから問題はないが、流石に10の鐘がなったら子供達の営業は辞めさせよう。
それにしても、キンキンに冷えたビールが大人気で、満面の笑みで売り子をしている子ども達の横陣取ってるドワーフ二人。そして子ども達はどんどん二人に進めている様だ。
もしやこの二人から金を毟り取る計画なのか?
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 17時30分
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★同日 21時に更新★
『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。




