只今、マリトル王国に潜伏中です。王都ルグナル 6
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
27階層で爆走する一台の自動車。
外見は軽自動車サイズだが、中は『空間拡張』されているのでデカいお頭でも問題無い広さで、運転席も問題無し。後部座席側はスライドドアになっており、運転席から開閉操作が可能タイプだ。
「こりゃすげ〜!中身もスゲーがこのスピードは驚きだ。こんなスピードなのに揺れて無いぜ」
「浮遊機能が付いてるから高速での走行中は浮いてるんだ。だから振動が無いんだよ」
低速度の時は車輪で走行するが、一定速度になると浮遊状態になる為、振動が無くなる。原理は違うがまるでリニアのようだ。
説明後、お頭と運転手チェンジで、大喜びで時速60kmで爆走されるお頭。
最高速度を襲歩と同じ時速60kmに設定してある。馬車との違いは、馬なら5分ほどが限界だが、魔力が尽きるまでトップスピードで走り続ける。
「これを幾らで貸し出すんだ?」
「まだ決めてないんだよね。街だと偽装して普通の馬車のフリしてるし、長距離移動は別の乗り物使ってるから、ここの往復に使ってもらって感想を聞きたいんだ。魔水晶は自分達だ購入してもらうけど、初めのひと月はレンタル代は無料で、バレない様に使用してもらうのが条件付きだけどね」
まだ本格的に試乗する事はないので、改善点も出てくるだろう。
「おいおい、あいつらに使わせなくても凄さは分かるぜ。ただでさえ、凄い機能が付いてる上に超有名店のアース商会の品だ。注目の的になるのは決まってる。どんどん売ったり出せば良いじゃねぇか!」
普通はいかに売るかを考えるのが商人というものだ。
「それをすると普通の馬や馬車が売れなくなっちゃうと、生活が苦しくなる人が出ちゃうから、アニマルズみたいにサポートがメインならい良いけど、主力は奪いたくないんだよね」
呆れた顔をするお頭。
「甘えな〜。分かった、ひと月はタダで三人組と弟達に1台ずつ貸し出しさせる。その後は有料としてサテス達を交えて金額の設定をするって事でどうだ」
「それでいいよ。もしレンタルが決まったら、彼等にはその半額での金額で貸し出すよ」
「やっぱりおめえは甘えな〜」
「彼等には頑張って、グリムモア王国への嫌がらせの種蒔きの為に、これからも、どんどんウチの品を庶民に広めてもらう必要があるからね」
「…おめぇを敵に回さなくて良かったぜ」
じわりじわりとだが急速且つ、確実に庶民の間では広がりつつある。
貴族連中が気が付く頃には既に庶民に浸透した後だ。美に対する最先端である筈の貴族女性達は相当に悔しがるだろう。そして、大手商会も権力を使って独占しようと動いてくる。
買い占め、取引中止、スパイに脅し。
特に三人組には、いざとなったら他国に逃げる準備をしてもらっている。
そうなれば、あの国からアースの名とその商品の使用感だけが残り、アースの品が国から消える。
独占が出来ない上に品が無くなる。代わりに原因を作ったと不名誉な事で商会や貴族の名が広がり、女性達の非難の目に晒される。
生活には困らない品だが、一度味わった『幸福』が継続すると『日常』となり、その日常が得られなくなると『不幸』に姿を変える。
後日、三人組と弟さん達に自動車レンタルを開始する。そして倉庫内の補充がさらに凄い事になっていくのであった。
只今、28階層で発案者である子ども達を連れて移動式ランドリー車の試験運転中です。
運転手は身長規定をつける。
仕方ない。だって、ちびっ子隊だとペダルに足が届かないからだ。
10歳ぐらいなら問題なく操縦可能でした。ちびっ子隊は車の運転は無理があったが、ランドリーの操作は問題い。ただ、運転席にあった謎のダイヤルが付いた非常事態と書かれた非常用のボタンを推したら
「「「「「「「「「「空を飛んでる!」」」」」」」」」」
上空に浮上した。車が浮上した状態でアクセルを踏むと前進しました。俺は呆然、子供達キラキラ。
「なんてもん作ったんだ!」とすぐさまドワーフ二人に抗議する。
「囲まれて襲われたら空いてる上に逃げるのが一番じゃ」との返答でした。
確かに……非常事には……本当に非常用なのか!?
問題は……無いという事にした。釈然としない。
しないが、取りやめにすると、もっと困ったモノを装備させそうだ。
このまま大量製造を頼み、子供達の中から操縦と説明が上手な10名を選抜して『ランドリーマスター』と任命する。
今後、ランドリー事業を発足時に操作の指導係として仕事をしてもらう。周りの子ども達からの羨望の眼差しを受けて照れくさそうだ。
「今後、他の事業を立ち上げていくのでその都度、試験を行いマスターを任命します。任期は全て2年です」
ずっとでは他にやりたいことがあっても足踏みをしてしまうかもしれない。可能性は広くだ。
「試験自体は受けることは出来ますが、任期中は他のマスターには任命されません。報酬は月に2000ポイント差し上げます。受験資格は年齢が20歳までの学園生もしくは見習い者、つまりお給料がまだポイント扱いの方です。新規事業立ち上げ、又はマスター試験の詳しい事は今後、箱庭にある『お知らせ掲示板』に張り出します。皆さん頑張ってマスターになりましょう」
誰にでもあるチャンスだ。色々な経験を積んで欲しい。
「ねえ次は!次は!」とちびっ子隊が絡んでくる。
「次は以前話した『キッズルーム』マスターかな。これは大人達への説明マスターとキッズルームでの遊び方をお友達に教えるミニマスターの二つ有るから頑張るように」
そう、ちびっ子隊にヒントを出しておけば、マーキュリーのキッズルームの遊び方を研究するため、しばらくはキッズルームから離れないだろう。
「貯蓄Mが貯まりましたので新たにクルーズ船を購入いたします」
今いるアースの民の総勢が500名近くになったことで、今のマーキュリーの定員ギリギリになってしまった。なので、新たにクルーズ船を購入する事にした。
「もう1隻増やすか、船のサイズを大きくするかですか。負担がなければ同じ船を増やすより大きい方が良いのでは。人が増える度に購入するのは少々不経済かと思われますので」
「確かに、本店サイズと同じ物を増やすより、サイズを大きくした方が見栄えも良いだろうし」
久々にハウスのメンバーが集まり会議中です。
「そうなるとマーキュリーはどうするのでしょうか」
「時間停止インベントリーの一つを潰して収納します。いずれは他の用途で使用すると思いますので」
ドワーフ二人以外は納得したようだ。あの二人は、隙あらば俺の魔道具を分解しようとしているが、流石に200億ポイントもした船を解体はさせる訳にはいかない。
「一つ上のⅡは定員1000名で600億ポイント、Ⅲは定員2000名で1000億ポイントです。Ⅳは定員4000名ですがⅢの倍の2000億ポイントが必要になりますので流石にすぐには無理ですね。何か意見はありますか?」
サテスさんが手を上げる。
「あの、直接的には関係ないのですが、自由市場のまとめ役の方がユートさんにお会いしたいと言伝を頼まれました。実は、たまたまグラデールさん達に出会しまして、どうやらまとめ役がグラドールさん達の親族で、もし王都での船での活動をお考えでしたら、一度お会いした方が良いかと思います。あっ私もきれば大きい方が良いかと、大型の船になればおそらく商品の品数も増えるでしょうし、さらにアース商会の影響力が増すとは思いますので」
サテスさんはⅢ指名だ。他のメンバーも同様の意見でⅢを支持が多い。
Ⅳは今の住人の数からしても、大き過ぎなので見送るという意見が多かった。
そういえば、お頭が王都マーベルに従兄弟がいるって言ってたな。
「では暫定でⅢに。まとめ役の人物が仲間になってくれそうなら、船は大きめの方が何かと都合がいいです。その時、改めてⅢかⅣで」
俺が少し考えていると、皆んな不思議そうな顔をして見つめてくる。
「何かするつもりですか?」
「今は孤児院の手助けをするだけの予定でしたが、自由市場のまとめ役が商業ギルドではなく、こちら側に付いてくれればグリムモアへの打撃が大きくできるかもしれません」
「どの様な事を計画しているですか?」
セルジュオさん達が質問をしてくる。
「王都の城壁外に箱舟を作るのです」
「「「「「箱舟を!?」」」」」
別名、ショッピングモールと言う。
【次の更新日】 7月18日 土曜日 17時30分
★同日21時に更新★
『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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