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只今、グリムモア王国に潜伏中です。王都脱出 5

ブクマ!評価★!リアクション!ありがとうございます!!


今回はちょっとダークですが、物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

 夜な夜なクラフさんと一緒に売られた子どもを回収している。


 まだ、奴隷商に居る子は、昼間の内にサテスさん達に頼み、現金で買い戻す。

 奴隷商の建物は侵入が難しいのもあり、手っ取り早く話が済むのでこれが一番だ。

 どんどんアースの製品が売れているおかげで、資金的には問題ない。

 娼館に売られた子も買い戻した。他の孤児院から売られた子たちも同様に買い戻す。

 子どもが娼館には行けないし、不自然だからお任せしているが、ただ全ての人を救える訳ではない。

 買取を仲間に頼んでいるのは、俺に救えない人を見る勇気が無いから、こんな時だけ未成年という肩書きを言い訳にして避けているのかも知れない。


「居場所が判明しているのはここで最後です」

 クラフさんと孤児院にあった居場所が特定される魔法紙を使い、連れ出している。

 多くは貴族や大商会などで、かなり酷い扱いをされていたようだ。

 その事が理由でか、助け出した後には世間体を気にしてか話題に上がる事や、捜索される気配さえないのは有難い。


 今夜は貴族の屋敷の地下牢だ。見張は入り口だけの様で隠密スキルを使い二人で潜入する。

「酷い」

 久しぶりに吐きそうになるほどの惨状が、目の前に現れた。

 既に息がない者もいる。息をしているが心が壊れてしまった者だろう、全く反応が無い。

 壊れてしまった心はポーションでは治せない。


 大きな扉があり、その奥から声が聞こえて来た。

 今入れば気づかれてしまう。そう思った途端、扉が開いた。

「ふん、今回のモノはイマイチだな」

「申し訳ございません。新しいモノを取り寄せます」

 不機嫌な主人と思われる男に謝る執事らしき男が出てきた。扉は魔道具で施錠し男達は出て行った。

 二人が地下牢から離れた事を確認できたので扉を解除し、中にはいる。

 宝物庫と言うより隠し財産かも知れない。その奥にはもう一つ扉がある。中に入るとそこは、煌びやかな装飾が施された部屋に描かれた地獄だった。


 意識が在るものが俺たちを見て悲鳴を上げる。

 外にバレない様に結界をはる。

「あなた達を助けに来ました。まずはポーションをお飲みください」

 近づくと悲鳴を上げるのでポーションを部屋の真ん中に置き、入り口まで下がった。

 しばらくして、恐る恐るポーションを手に取っていく。


「…あなた達は誰?」

 しばらくして、一人の少女が声に出した。

「詳しく話す時間がありませんが、ここから皆さんを助ける為に来ました」

 その言葉に皆んなが驚く。

「た、助かるの私たち」

「ええ、ですから皆さん今から誘導しますので誘導に従ってくだ「どうして早く来てくれないのよ!」」

 一人の少女が亡骸を抱いて泣きながら俺たちを睨む。

「もっと早く、あともう少し早く来てくれれば妹は、妹は死なずに済んだのに!」

 亡骸を見て気付く。あぁそうか、俺の決断の遅れが…

「ユート様の所為ではございません」

 肩をたたいてクラフさんの呟きが、俺を落ち着かせてくれた。


「亡くなったのはいつ?」

 俺は冷静になり、睨みつける少女に問いかけた。

「さっきよ!アイツらが出て行く少し前よ!妹が亡くなったから興醒めだって言いやがった!」

 心が悲鳴をあげている。

 悲しみで涙が止まらない、怒りがおらまらない、なのに顔が笑っているように見える。


 俺は『女神の涙』を取り出し、妹の亡骸にかけた。

「何する気よ!」

 妹を汚されたと思い、姉が勢いよく俺に飛びかかってきた。それと同時に妹の亡骸が光出し、周りの少女達が驚きその光を見つめてる。


「…お、お姉ちゃん…」

 その声が聞こえたのか俺に飛びかかって来た少女の動きが止まり、声の方に振り向く。

 亡骸となった妹が生き返った。

「ど、どう言うことなの!なんで妹が!?幻?」

 呆気に取られる少女。

「『女神の涙』を使いました。亡くなられたばかりですので蘇生できたのです」

 

 脱出行動には皆が素直に従ってくれた。

 隠し部屋の外にあった牢に入れられた人も一緒に脱出する。亡くなられたご遺体も一緒にここから出る。

 こんな所に放置するのはあんまりだからね。

 綺麗な丘の上にでもお墓を建ててあげよう。


 この地下牢に入れられた人達の多くは、先ほどの貴族に都合が悪い事を知ってしまった者たちであり、入り口の宝物庫は表には出せない品物が多く、これが自分達の購入資金になっているそうだ。

 奪い取ってしまおうと言う少女達を止めた。

「犯罪歴がついてしまうからダメだよ。だけど、使われないようにしておくから安心して」

 俺は入り口に結界魔法と封印魔法を何重に、いや重ねがけを50層、いや100層にも掛けをしておいた。

 レベルはそれぞれ4だが、ヒト族では教会の大司教クラスであっても、どちらか一つの魔法しか取得はされていないものだ。


 『結界魔法』を解除しても次は『封印魔法』、『封印魔法』が解除さたらまた『結界魔法』と嫌がらせMAXの何重にも掛け合わせてある。

 勿論ヒト族以外であれば、攻めようとしている魔人族や、長寿のエルフ族ぐらいならこのレベルに到達しているものもいるだろう。だが、この国には、エルフは居ない。

 実はエルフ族の方々は、セルジュオさんが無実の罪で投獄された事を知り、この国から去って行ってしまったのだ。

 つまり、解除はほぼ不可能と言う事だ。

 そしてこれを解除するに魔神族であっても1日に2層か3層程しか、魔力的に解除不可能だな品だ。人間の魔力では魔力的に1日1層が解除の限度であろう。

数ヶ月も大司教クラスを呼び寄せていたら、全ての解除し終える頃には、お宝が支払いで消えて無くなるだろう。



 二の月の最終日の夜となった。

 既に家族には連絡がついているので既に箱庭には、子ども達の家族もいる。

「今から脱出します。いいですか?」

「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」

 こうして王都グロリウス、すべての孤児院から子ども達の姿が一夜にして消えた。

【次の更新日】

7月2日 木曜日です。

更新時間は21時〜23時です。(できるだけ21時近くで更新)

同時更新『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。


引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【更新スケジュール】

火曜日・木曜日・土曜日 21時〜23時

都合で変更する場合は【次の更新日】でお知らせします。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。

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