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只今、グリムモア王国に潜伏中です。王都脱出 4

ブクマ!評価★!リアクション!ありがとうございます!!

皆様のおかげで、最近ちょこちょこランキングに引っかかる様になりました。

本当にありがとうございます。


今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

 『所在確認用魔法紙』の書類から、既に売られた子ども達の書類を抜き取り、後は戻しておく。

 今いる子ども以外は、売った子どもを気にしないだろうからな。

 

 粗方、書類関係は確認できた。

 子ども達の『所在確認用魔法紙』以外は、売った金額などが書かれた書類関係だった。

 中には、

「こんなモノを残してるってバレると、命が危ないってチビのテイトだって分かるのに、頭の出来が相当悪いわね」

 グレンデが毒を吐きまくっている。が、理解できる。

 子どもを預かった日時と金額。そして、理由と子どもの特徴など事細かく書かれていた。

 体裁を気にする貴族達には見られたく無い記録であり、金の支払いで済んだはずの出来事が、記録に残されていてはたまらない。

 『黒●の●帳』だな。

 そんな事してどうするのかは知らない。ここのシスターの考えだから無視しておこう。俺達には関係ない。


 

 掃除の次は、夕食作りと翌日の朝食の下拵(したごしら)えだ。

 厨房に向かい、準備を始める。

「シスター達は基本朝が遅いから朝食準備はゆっくりでいいけど、夜は普通に8の鐘近くまでに夕食の準備が必要なの。で、その後は、お酒飲むから何か摘めるものを作らないといけないのよ。何か良いものある?」

 テキパキと夕食の準備をしながら、グレンデが俺に質問してくる。

 普段は、ただの炒め物や、街で売ってるドライフルーツや干し肉だそうだ。ならば

「ちょっと台所では大変だから、夕食の準備が出来たら外で作ってくるね」

「あっ私も見てもいい?」

 何を作るか気になるようで、グレンデが付いてくる。

「構わないよ」

 

 夕食の支度が出来たので、俺とグレンデは厨房から出て、酒のつまみの準備を始める。


 今から作るのは燻製だ。

 つまみになるし、今ある品を燻すだけだが、香りが付くから味わいも変わってくる。

 アイテムBOXに入っている多種類の木の中で、チップに使えそうな木の枝は大量にストックしてある。

 チップさえ用意できれば問題ない。

 煙がすごいが外で作業すれば問題ないだろう。



「ちょっとあんた達何してんだい!何だいこの煙は!」

 問題があった。どうやら凄い煙に気が付いてシスター達が慌ててやって来た。

「あっ済みません。おつまみを作っていたのです」

 素直にシスター達に打ち明ける。

「はぁ?つまみだって?」

 怪訝そうな顔で全員が俺を見る。

「はい。ちょうど出来ましたのでお味見にどうぞ」

 俺はシスター達に燻製された干し肉を渡す。渋い表情をしたまま口に入れる。

「「「「「「!!!」」」」」」


 凄い勢いで渡した干し肉を無言のまま全部食べ尽くした。

「あんた、これをどこで作り方を習ったんだい」

 どうやら、発案者が気になったようだ。しめしめ、上手くいったな。

「母からです。元々、母は違う国の生まれだったので、その国の作り方かと」

 今は、モニアだ。しおらしく語ってみた。

「これはなんて言う名前の料理だい」

 別のシスターからも質問が出た。

「はい『燻製』です。他には『スモーク』と呼んでいました」

「じゃあ、この国では知られてないんだね」

 ニヤリといやらしい顔で笑うシスター達。その笑顔は外ではお見せできませんね。

「多分そうだと思います。少なくとも私と兄達以外では、その名前で呼ばれている品がお店で売ってたり見かけた事はありません」


 次々と質問してくるシスター達。

 一通り質問が終わると、今度は何やらヒソヒソと話し合いを始める。しばらくして、

「グレンデ。明日から新入りの兄妹(きょうだい)はこのつまみ作りに専念させるようにしな。モニアだったかい?使う材料は何が必要だい?」

「この設備以外ですと、元となる干し肉や乾燥した果物ですかね」

 そういえば種が無いこの世界には、ナッツっって存在するのか?もし無かったら、おつまみ用のナッツで食の木を作ってみようかな。

「分かった用意しておく。今、出来てる分を全て寄越しな」

 そう言ってシスター達は出来上がった燻製品を全部奪い取って去っていった。



「良かったの?多分あの様子だと、売ったら凄い売り上げになりそうなんだけど」

 シスター達が去ってくと、横で見ていたグレンデが心配して声をかけてきた。

「大丈夫。見ての通り仕組みは簡単だけど、シスター達は俺がただ木を燃やしていると勘違いしてるだろうからね」

 側から見たら、木屑を燃やしている様にしか見えない。

「仕組みについては一切質問して無かったし、燃やしてる材料についてもね。普通の木屑を燃やしているんだと思ってるから、尋ねてこなかった訳だし」

 作り方は誰も聞いてこなかった。

「確かに。私も初めに説明されなかったら、ただの木クズ燃やしてる様にしか見えないものね」


 燻製には2種類の作り方がある。

 スモークチップを固めて作ったスモークウッドを燃やして作る方法と、スモークチップを燻製器などのに入れ直接燃やさず煙を出して作る方法だ。

 ただの木では出来ない。もし、香りのする木を利用して近い物が出来たとしても、クオリティが全く違うはずだ。

「どの道、あと数日間の事だ。機嫌良くしておけば気が緩んで監視の目も緩むし、脱出も楽になる。もし、脱出前に欲を()いて商人と契約でもして契約金でも貰っていたら…」

「そうね。もし、そんな事していたのなら、どうなるか」

 グレンデも理解したようだ。

「俺たちが姿を眩ませば、契約商品が入らないなんて事になるね。それって契約違反だね〜どうなるのかな〜」

「ふふふ、とても楽しみだわ」

 二人は最高にドス黒い笑顔で微笑む。


 ここを出て行くその日までは、最高品質の燻製を作りますわよオホホホホ!


「モニアってグレンデに似てるよね」

 孤児院の子ども達から、たった1日で言われる様になってしまった。

【次の更新日】

6月30日 火曜日です。

更新時間は21時〜23時です。(できるだけ21時で)

同時更新『ただの猫に転生しました。 〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。


引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【更新スケジュール】

火曜日・木曜日・土曜日 21時〜23時


都合で変更する場合は【次の更新日】でお知らせします。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。

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