只今、グリムモア王国に潜伏中です。王都脱出 2
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「いいかい、今日から私達シスターの言うことは絶対だ。仕事して自分の食い扶持を稼ぎな。言うこと聞けないんなら、飯抜きだからね。覚えときな」
クラフさんが帰ると、お淑やかに演じていたシスターが俺らに対して怒鳴り出した。
「ついて来な」
そう言われたので、シスターの後を付いて行く。
教会の裏側に2棟の建物がある。右側にあるボロい二階建てが孤児院で。左側の立派な建物がシスター達の住居と執務室のようだ。
クラフさんの情報だと、シスターは6名在籍、神父は基本不在で経営にはノータッチの名だけ神父だとの事。
「孤児院のルールは他の子に聞きな。部屋は空いているそこの部屋だ。グレンデ!新入りに、ここのルールを説明しときな」
そう言うと部屋に3人とも放り込まれた。
しばらくして、一人の青色の長い髪をした美しい少女がやって来た。
もしや!運命の出会いか!?
「新しいお仲間ね、御愁傷様。ココに入れられたら最後、成人と共に奴隷商へ売られるか。直接、変態貴族に売られるかのどちらかよ。ご兄弟様かしら?成人するまでは、宜しくね」
なんつー挨拶だ!強烈過ぎる挨拶に、面食らってしまい俺だけでなく二人も声が出なかった。
「よっよろしく」
テールが声を絞り出した。偉いぞ!
もう、運命の女性かどうかより、さっきの挨拶で気になるセリフが有ったので尋ねてみる。
「成人前は売られないの?」
成人前は売られないような口振りだったが、
「ええ、貴族の都合とかがあるみたいよ。色々と利用価値がある様だから無理矢理に売られたりはしないわ。成人までは一先ず安全よ」
何を持って『安全』と言うのかわからないが、『安全』だということだ。
やはり、シスター達は6名で別館で暮らしており、交代でシスター達の居る別館に赴き、食事の準備や掃除や洗濯などは全て子ども達が行っている。
子ども達はシスターから食材を貰い、自分達で食事の準備をしなければならない。
「なんだこれ!殆ど傷みかけの食材じゃないか!」
テールが食材をみて声を出す。
グレンデに孤児院の中を案内をしてもらっていた途中、ちょうど夕食準備の為にシスター達から貰ってきた野菜を見て驚いてた。
「そうよ。捨てる様な食材をシスター達が貰ってくるからね。まあ、有るだけ有難いわよ」
グレンデの言葉にテールとニデルの二人がはっと気が付いて、言葉が詰まったようだ。
一年前までは、こんな食材でも普通に感じていた自分達の事を思い出したようだ。
「掃除と洗濯はみんなで順番にで行ってるからよろしくね。仕事は男のあなた達二人は外の力仕事が中心となるわ、妹さんは私達と一緒に調理と針仕事を中心に仕事をしてもらうから」
その針仕事の給金などで、孤児院での食事などの生活費が賄われている。
なので、昨今の食糧不足により、マトモな材料が手に入らなくなったようだ。
「あの〜孤児院ではスキルを使っても大丈夫ですか?」
グレンデに質問してみた。
「あら!スキルが使えるのね!羨ましいわ。ええ、良いわよ。ここに来る子は半分は貴族の血が流れているけど、スキルや魔法が使えないから、孤児院に入れられた子達なの、妬まれるかもしれないから、気を付けてね」
なるほど妬み注意ね。御意。
「でもスキル持ちなら何故ここに来たの?その年でスキル持ちだと分かれば、こんなトコに入らなくても済んだのじゃない?」
貴族のお家事情は知らないが、どうやら魔法の有無で将来が変わってくるようだ。
(だから、魔法の書がやたらと買われる訳だ)
先日の両ギルドで一番多く購入されたのは、お姉様方の個人的な買い物以外で言えば、『魔法の書』がダントツ人気であった。
ギルドの購入より多い、お姉様方の高額な買い物って…少し怖く感じた。ブルリ。
「周りの大人達は知られていません。兄達と一緒にいたかったから内緒にしてました」
とりあえず、それらしい言い訳を述べてみた。
「ま〜可愛いわ!お兄ちゃん達、慕われているわね!二人が羨ましいわ」
グレンデは俺に抱きつき頭を撫でる。
中身がおっさんな少女は、美少女に頭を撫でられ少々照れる。
「でも良かったね。スキルがあれば酷いところには売り飛ばされないで済むから、数年はシスター達には内緒にしないとダメよ。ヘタしたら病死扱いにして、すぐに売られてしまうからね」
あぶねー!まるで人間の養殖場だな。
さっさと脱出準備しないといけないな。
夕食時にテールとニデルの仲間に無事に逢えた。早速、夕食後に部屋に呼んで今回の脱出計画を話す。
計画の内容を聞いて喜ぶ傍ら、既に売られてしまった仲間の事と、ここに残される子の事が心配している。
「既に売られてしまった子は、売られて行った先を探してもらっている。見つけ次第、買い戻すか連れ去るつもりだ。他の孤児院に入れられた子達も一緒だから安心だよ。ここに居る子も同行する意思のある子は一緒に連れて行くつもりだ」
それを聞いて安心したようだ。
だが、ここの孤児院の特殊な事情で離れることが出来ない子もいる。
例えば、母親がご存命で王都に暮らしている場合だ。
本妻に知られるのを恐れ、父である貴族に無理矢理に押し込まれたり、もしくは、本妻側が押し込めたりしている。
院から引き取るのにも、それなりの金額が必要とする為、会えるのは月に一度程度で、寄付を渡し半刻ほどの面会が許される。
「条件があるけど、家族も一緒に国を出るなら連れて行く事は可能だよ」
その言葉に安心したのか、みんなを食堂に集めると言って部屋を出て行く。
直ぐにここの仲間達に知らせたいと張り切っている。
さてと、準備開始としましょうかね。
【次の更新日】
6月25日 木曜日です。
更新時間は21時〜23時です。(できるだけ21時で)
同時更新『ただの猫に転生しました。』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 21時〜23時
都合で変更する場合は【次の更新日】でお知らせします。
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