只今、グリムモア王国に潜伏中です。王都脱出 1
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
「明日にはグリムモア王国の王都に到着いたします」
先行していたクラフさんから、王都に到着したとの連絡が入ったので行動に移す。
王都以外の街にも家族がいる人は、うちの馬車を使って向かってもらうか、後日一緒にその街を巡る予定だ。
トール爺さんも、奥さんと息子さんの墓参りがしたいとの希望があったので、そちらも周る事になっている。
孤児院には俺とクラフさん、テールとニデルが一緒に行動する。
二人とも元家宰だったハインさんとランドさんの授業のお陰で、立ち振る舞いがとても浮浪児だったとは思えないほどの上、自信に満ちた顔付きになってる。
念の為に、『偽装』を付与した指輪を嵌めて、目と髪の色を変えてある。
どこで身元がバレるかわからないから、念の為にね。
幸運にも、サテスさんのご家族には1日目で再会できた。
店はすでに潰されており、家族は行方知れずとなっている為、手がかりを探す為の捜索拠点を、サテスさんの知り合いの宿屋にした。
勿論、脱獄の秘密が守れる方だと、サテスさんの保証済みだ。
まさかその宿屋で家族の現在の所在が判明する。
実はサテスさんのご家族は、この宿屋のご家族にお世話になっていたのだ。
他のメンバーも家族を探す為、しばらくここ「旅鳥の宿」を拠点として滞在することになる。
旅鳥の宿のご主人に頼み、一月ほど宿は貸切にしてもらう。
「いやいや、もらい過ぎですよ。それも共通金貨10枚なんて」
「一族の家族がお世話になったのですから、これぐらいは当然です。今までのお礼と、サテスさんの脱獄の件の口止めも込みですが」
アースの民だったサテスさんを見つけ、監獄から助けた設定となっている。
ちなみに、共通金貨とは『大陸共通金貨』の別名で、大陸金貨とも呼ばれている。この大陸で流通している金貨であり、最も信頼されている貨幣である。
それぞれの国にも独自の貨幣はある。勿論、この国の貨幣はあるが、商人達には全く信用が無く、大きな商談ではこの『大陸共通金貨』でしか、取引が行われていない。
「頼む、受け取ってくれ。俺が捕まってから、家族を支えてくれた感謝の気持ちだ。本当にありがとう」
サテスさんも宿屋の主人に感謝を伝えた。
「お互い様だ」と宿のご主人は言っているが、中々できる事ではない。
特に、この国の食糧物価がおかしいぐらいに高く。とても普通に生活する事が大変になっている。
原因は知っている。国王が国民の食糧を盗んだからだ。
翌日からは、ハンターギルドにも人探しの依頼を出しながら、行方知れずになった家族を探す。
数日で家族の所在が判明できた。
ほとんどの家族は王都で暮らしていたが、かなり貧困に喘いでいた。
中には、奥さんの実家に身を寄せている家族もいたが、肩身がせまい思いをしながら暮らしていると報告が上がり、すぐに国から連れ出す準備を始めた。
マリアヌ支店の担当のルイさんは実の兄弟に嵌められ、監獄送りになった経緯もあり、
「グリムモアには未練は無い」
と、マリアヌでの商いは任せろと、フェスナさんも一緒にグリムモアで家族の救出に参加している。
俺とクラフさんは、子ども達を探して収容されたとされる孤児院3つを巡ってみたが、どこもアウトだった。
無理な労働と、対価に見合わない生活環境と食事内容。
貧しいのは理解出来るが、孤児院の管理者達だけは、優雅な生活を送っている。
既に、売られた子どもが数名存在している。
子ども達の労働収益と奴隷商に売った金での生活なのだろう。
孤児院の子ども達との連絡はすんなり進んでいる。
ちょうど外仕事をさせられていた子と繋ぎをつけた。
テールとニデルの仲間だった子ども達で、無事な事に互いに喜んでいた。
脱出計画は12日後の二の月の最終日の夜に迎えに来る事を伝え、それまでに脱出準備をしておいてもらう。
もう一箇所の孤児院も問題なく繋ぎが付いたが、
「この孤児院だけは外からでは、連絡が取れないですね」
最後の一つだけは堅固な塀に囲われており、中の様子が全く見えない。
「ここは昔から貴族の私生児が入れられる事が多い事情から、この様な作りになっています。連絡取るには中に入る必要が有りますね」
なるほど、訳ありの子ども達が収容されているから、外からの目隠しの為と脱走防止の為か、孤児院には不釣り合いなほど立派な塀で囲われている訳だ。
クラフさんから提案が有り、訳ありの子どもとして3人で孤児院に潜入することにした。
俺やクラフさんだけなら塀の中に入る事は造作もない。
だが、ここに子ども達には信用されるには時間が掛か理すぎるやもしれない。その事を考慮してテールとニデルを連れて来ている。
なのでクラフさんの提案には賛成だが、
「流石に3人の兄弟設定には無理があるんじゃない?」
髪や目の色は一緒だが、顔が似ていない。
俺はどちらかに似せる事は出来るが、3人兄弟では少々無理があるように感じた。
「いえ、偽装で皆同じ髪色と瞳にすれば大丈夫ですよ。本妻に隠す為に急いで施設送りにする事が有りますから、余り気にされません。金を積めば問題ありませんよ」
全く貴族はやりたい放題だな。やりたい放題の結果の1つがここなのだろう。
「では、この3人をウチにお預けに?」
シスターが3人の子ども達を見ながら、連れて来た年若い青年と会話をしている。
「はい、こちらは寄付金でございます。何卒、お納めください」
青年は共通金貨沢山入った袋の中身を見せ、シスターに手渡す。
「まあまあ!では、お預かりいたします」
シスターはホクホク顔で3人を受け入れた。
3人は共に銀色の髪と緑の瞳をしており、二人は後1、2年で成人であろう年頃で、もう一人は他の二人より少し年下に見える。庶民にしては、それなりに良い仕立ての服を着こなしている。
「成人後はどのように」
シスターは値踏みするかのように3人を見ながら、黒髪の青年に問いかける。
「主人からは『自由にしろ』との事です」
孤児院への潜入は成功だ。
3人とも偽装で髪色と瞳の色を同色に変え、更に俺は【偽装 LV.5】により性別と身長も変えておいた。
勿論3人とも名前は偽名を使う。俺の名前は『モニア』だ。末っ子の妹役だ。
万が一「女の子しか預かれない」などと言われた時や、男女別のエリアでの生活だった時の事を考慮しての対策だ。
スカートは、ちょっと下がスースーして落ち着かない。(初体験)
【次の更新日】
6月23日 火曜日です。
更新時間は21時〜23時です。(できるだけ21時で)
同時更新『ただの猫に転生しました。』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 21時〜23時
都合で変更する場合は【次の更新日】でお知らせします。
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