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只今、マリトル王国に潜伏中です。マリアヌの街 1

 我々アースの民は旅をしている。

 同胞を探して旅をしている。

 遥か彼方、西大陸から数十年前にこの大陸に渡った同胞を探しにやって来た旅人である。

 アースの民ならば、この『アース』の名を聞けば、会いに来てくれると信じて旅を続けている。

 もし逢えずとも、この地にしっかりと根付いているのなら、私たちは彼らを見守ろう。

 ただ、アースの民が幸せであるのなら、それで良い。

 故に我ら『アースの民』はキャラバンとしてこの地を巡るり、世界を巡り続ける。



 何かの物語のあらすじ?ってな感じの内容でアース商会のコンセプトを、只今、商業ギルド内で熱く語っている。(俺が)

 勿論、どんな船で来たのか、船の目撃者情報は入っていないから、どこに停泊中だと怪しそうな目で見られており、このままでは身分証の代わりとなるはずの商業ギルドのギルドカードを発行してもらえず、商会として商売ができない。

 仕方ない。こうなれば、最終手段だ!

 マーキュリーに『この街から1km近くまで近づいて』とお願いし、疑ってるギルドの方々を外に連れ出す。『ステルス解除』をして「あれ」と指でさした。


 ギルド内は大騒ぎ!いや街中が大騒ぎ!なので苦情が出る前いに、ステルスを発動させておく。

 そしてもう一度ギルド内に戻り、買取用窓口でサテスさんが品を出すと、目の色が変わったギルド長達。

 新しい商会の設立ランクは!?本店の候補地は?!従業員は足りているか?!などなど。今度は、凄い勢いで尋ねてくるので

「我々アースの民は〜」と第二回目を語る。(俺が)

 だから行商しながら色々な街や国を巡ると予定だと答えておいた。


 しばらくは、この街にご厄介になる事と、商いの関係は、全てサテスさん達と後日こちらで登録をする者が中心になる事を伝え、商業ギルドは終了。

 結果、俺とアイルさん以外は全員が最低ランクG『行商・キャラバンの商人』に無事登録は完了し、みんな苗字が『アース』になった。

 セルージュさんは名前を改めて登録、名をセルジュオ・アースとなった。


 続けてハンターギルドへ俺とアイゼルさんは向かう。

 アイゼルさんも名前を改めて、アイル・アースとしてハンターとして登録をする。

 残念ながら、俺は商業ギルドでは登録できなかった。

 商業ギルドでは15歳、成人してからしか登録が出来ないが、朝市などには場所代を支払えば誰でも出店が出来るので、特に証明書の提示の必要は無いとの事だ。

 だが、やはり身分証は欲しい。なので未成年でも登録可能なハンターギルドで登録することにした。


 ハンターギルドは商業ギルドの近くにあり、直ぐに登録が終わるかと思ったが、さっき出したマーキュリーのせいで大騒ぎとなっており、数日間は登録は出来ないと窓口で断られた為、どうせバレるんだがらと思い、面倒くさいから「あれ俺の船」って言ったら、ギルド長室へGO!

 そして本日3回目の「我々アースの民は〜」と語った。(俺が)


 アイルさん達はアース商会での護衛の任務だが、街にいる時はダンジョンなどに潜る予定だと伝える。

 なんか知らんが、ちょっとアイルさんとギルド長さんがバチバチしている様な…

 牽制(けんせい)?しているみたいに質疑応答が続いている。


「随分といい獲物を持ってんな」

 最初に仕掛けて来たのは、ギルド長のアリングレスだ!

 アイルの持っている剣をじっと見つめるギルド長のアイングレスに対し

「ああ、だがアースの中ではそれほどでもないぞ」

 とさらりと(かわ)すアイル!

 

 バチバチ感が耐えられず、しばらく脳内でブロレスの実況風に変換して気を紛らわせた。

 剣士のやりとりは俺には理解出来ないが、どうやら(実況も)終了したようだ。


 俺はランクG。15才未満のランクだ。

 アイルさんはランクFになった。

「まあ、ダンジョンに潜れば直ぐにDかCになるだろうが、規則だから初めはFだ。勘弁してくれ」

 なるほど、と感心して頷いていたら、

「お前は15歳に成るまではGランクのままだぞ」

 と念を押された、残念。

 

 こうしてマリアヌでの1日目が終了し、明日から街のことはサテスさん達にお任せする。

 俺の明日の予定はガラポン大会だ。

 大人達が街で活動する為、年長組以外の子は自習しているが、ちびっ子達だけは暇そうにしているので、周りの邪魔しないように()()を与える。

「外の街に着きました。大人達はこれから街で商売を始めます。なので君達にも任務を与えます」

 暇してるちびっ子達が乗ってきた。

 やはり『任務』の言葉に食い付き、目が輝かせて俺を見つめる。

「いろんな物をじっくり観察して、自分達でもできると思う商売を見つけてください。期限はありません。直ぐに思い付かなくても良いです。内容次第では出来ない事もありますが、例えばこの箱舟『マーキュリー』を見て回って参考にしても構いません。君達には、お小遣いカードに100ポイント入れておきます。船内での買い物が1ポイントは10エンで使用できますので、みんなで話し合って考えてください」

 これでしばらくは退屈はしないだろう。

 忙しくなる大人達に引っ付かないだろうし、船内ならメイ達もいるから安全だ。

 お(あつら)え向きに駄菓子屋コーナーも存在した。

 俺は船でのカード仕様に、お小遣いカードのポイントとエンの交換率を設定し、明日の準備を始める…その前に行かなくてはならないところがある。…は〜



「それで決まったの?馬車のタイプは」

 行商中心の移動を考えた造りにするか、街中販売を中心とする屋台型かで揉めている。

 あっ、別にサテスさん達とセナルトさん達が揉めているんじゃなくて、製造するドワーフの二人が勝手に揉めているだけだ。

 俺は二種類の馬車を作れば良いじゃんって言ってるのだが、何をどう(こだわ)っているの分からないが、ずっと揉めている。

 それも、使う商会チームと食堂チームを無視して揉めているから困る。

「「うむ、行商メイン販売用と食堂メイン屋台用の二つ作る」」

 もう!初めっから言ってたのに!

 まあこれで明後日からの商いには間に合うだろう。

「終わったら、フィーメルさんのガラス工房用の炉もお願いね」

 仕事を与え続けないと、色々やらかしそうだから、仕事を詰めるだけ詰めている。

「ああそれなんじゃが、熱に強い材料が揃わなくてのう。小物用制作サイズの炉しか今は作れないんじゃ」

「本人も元々小物用の炉がメインで使用していたので、今はそれで充分だと言っておったわい」

 そうか、特別な材料が必要となってくるのか。

「分かった。でも今後のこと考えても必要な材料揃えておきたいから、詳しい名前や採掘できそうな場所など特徴を書き出しておいて」

「「おう、(ワシらの)欲しい材料を書き出しておく」」

 …ん?何かニュアンスが違う気が

次の更新日は、6月5日金曜日です。

更新時間は不規則です。

0時過ぎに出来なければ、17時〜22時になります。

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