只今、皆んなで脱獄の準備を開始します。2
「で、どうする気なんだ、これから」
只今、ハウスでお頭を含め会議中だ。
国への報告書の控えらしきものが見つかったが、やはり横領の証拠は見つからなかった。
ここを出る時にでも証拠隠滅したのであろう。
「まあ、報告書ですけど、『生存者およそ400、深刻な食料不足人の為、年明けの生存者数0となる予想』との書かれてますね。我々も魔水晶の徴収は不可能だから死亡扱いになってます。そうでもしないと、その分の徴収を補填しなければなりませんから無難な判断でしょう」
そして今までの報告書を見る限り国への徴収金額は全体の7割ほどだった。
月に2800万マール前後の徴収額分の魔水晶で納付していると記録されている。
人口数は常に4000前後で記載されており、収容されても直ぐに死んでしまうか冬の寒さで亡くなるという事にしての調節だろう。
食糧は徴収金とは別口で国の貯蔵庫から購入となっていた。
支払いはこちらも魔水晶払いで、かなり割高設定となっており、その額は月に1200万マール。
一月の5000人分代、いや常に4000人分の食材費がこの金額となっていた。
運送費の関係か、中抜きされての結果なのかは判断が難しいが、かなり高額の食材費だ。
今回、送られた食糧は納めた金額分ではなく、通年の7割程度の食料で、報告されている人数分、つまり4000人分だけと言えるだろう。
常に、毎月1000万マール近くが初めから行方不明。驚きだ。
商人達の換金は役人村の維持費として利用されていると記録されているが、記録された金額と聞いた話と還元率が大きく違う。
初めは少額だったのであろう。お頭と同じように補填用を考えての策だったはずが、いつの間にか多額の横領になっていったようだ。
国の管理がザル過ぎだ。よく今まで、気が付かれなかったと呆れた。
魔人族の国を進行しようとしている現状で、国は多くの食糧を受刑者達に渡す必要はないと考えたのか、食糧の金額を値上げしたと国からの報告書に記載されていた。
更に上層部は人口が増えれば徴収できると踏んで、大量増員として子ども達を入れたのだろう。
現在、人口が0という異常事態に上層幹部がお目見えとなれば、プレートを確認された時点で人口が常に5000前後だったと発覚、報告されている毎月の採掘量の大きな差に気付かれるのは間違ない。
それを恐れて逃げ出したのだろうと予想がつく。
軍の方もこちらの生き残りは勢力は2000未満と錯覚したままであろうし、万が一にも再度攻めてきたとしても1000の誤差が戦場でどう響くか。
勿論、戦うのではなく『守り』と『逃げ』がウチの売りですが。
「ここから出て商会を立ち上げ、3年の内にグリムモア王国の王族と貴族に嫌がらせを開始します」
戦争ではない。嫌がらせだ。
「監獄ですが食糧を最低限しか渡さず収監者を増やすでしょう。ですから前任者と同様に、今いる降伏者達は飢と寒さとモンスターで全員が死亡した事にしていきましょう。彼らには通常に戻ったと錯覚してもらってから、新たに収容された冤罪者の身代わりの人数合わせ役になっていただきます」
新たに来る役人にバレないようにするのは、まずあり得ない。一々、顔と名前まで覚えていないだろうからな。
微調整は役人さん達と足並みを揃えて行く事でお願いする。
「で、最終目標はここを国からの独立させて都市国家とすることです」
監獄はディメンションエリアの『楽園』と繋がっている。
既に俺だけここを出て、グリムモア王国とは逆方向に飛行魔法で下山している。
下山はできたがまだ広大な森からは抜け出せていない。向かっているのは『マリトル王国』という王国だ。
距離が離れても『楽園』と監獄との行き来が可能なのは確認済みだ。
「おおっ!大きく出たな。具体的にはどうするんだ」
お頭が計画に食い付いた!
「詳しくはまだ。ですが勇者が魔人族の国を攻め始めたら、経済的な打撃を与えてやります。魔人族との戦争開始と同時にここも立てこもりを開始し、ここから産出されるこの国の収入源である魔水晶を断ちます」
戦争には金が掛かるものだ。
大量の品が製造され、大量に消費されるので活気付くように思われるが、儲かるのは商品を卸す商人と戦争に関わらない隣国だけだ。
勝利すれば得る物があるかもしれないが、長期化すれば国は疲弊する。
「勇者並に魔法が使える者がどの程度軍に所属しているの分かりませんが、魔法攻撃や物理攻撃を跳ね返せば簡単には崩れないと判断し、今度は兵糧攻めを決行するでしょう。元々、この地は都市国家だっさそうですし、兵糧攻めで奪い取ったと聞いてますから、同じようにするでしょうね」
最悪、ここの入り口をこちらから封鎖してしまえば、時間稼ぎにはなる。
冬が来れば、大人数での滞在は難しくなる。そうなれは、またこちらから追い返す作戦開始だ。
そんな事繰り返せば、国が冷え上がるのは目に見えて分かる。精々、一般的に考えられるであろう物資補給のルートを閉鎖するぐらいであろう。
だが、残念ながら、物資補給ルートは俺だ。
立てこもりの持久戦なら俺らの方が有利になる。
「前回の事をしっかりと報告してあれば、そんな事をしても意味が無いと理解しますが、どの程度正確に報告しているかによりますがね。初めにお話しましたが、嫌がらせ開始は侵略中、もしくは侵略後です。時期もありますが、兵も物資もかなり少ないタイミングで決行します。こちらは守りに徹し続けます。こちらが根をあげるまで周辺を取り囲むでしょうがね」
作戦内容は既にハウスメンバーには了承済みだ。失敗したとしてもこの生活が続くだけで、こちらの痛手はほぼゼロだ。
開始前にはメンバーの家族を王国から脱出させる。
打撃を与えてやるのは王家と戦争に賛同する貴族達だ。
「武力で襲ってきた相手に、物量、いや財源での殴り返す。いや、ジワジワと殴り続けるってか。あの国からの独立して都市国家を建国するという大規模な嫌がらせ。ハハッ面白い!俺も建国には一枚噛ませろよ」
そう話すとニヤリと笑うグラドール。
「その時はいやでも噛んでもらいますよ」
役人達には今の現状を報告する手段はない。こちらの味方になれば更に独立作戦は楽になるだろう。
動かなければ何にも始まらない。
『やられたらやり返す』とは思わないが、嫌いな事をしてくる相手の思い通りにさせるほど、お人好しではない。少なくとも勇者達は3年間は来ないはずだ。その分、こちらに対しての戦力は確実に減る。
あとは監獄外の世界で上手く立ち回らなければ。
『ユイル』はここでお休み。今度は『ユート』の出番だ。
『偽装』スキルを使い、髪と目の色を馴染みある黒に変える。
名前はユート・アース 元アース国の国王って事でよろしくお願いします。
ステータス:(隠蔽)
名前:ユート・アース(ユイル・モーニア) 13歳 HP 1623/1624 変換率400倍 貯蓄23357487020M
●ギフト:世界言語【クルオニア言語】【未】/快適生活ラグジュアリー LV.22追加機能:リフォーム機能・移動手段 LV.5・オートマタ LV.4・合鍵/カタログ通販Ⅴ LV.MAX/ディメンションエリアⅠハウス・Ⅱ箱庭・Ⅲ楽園/等価交換 LV.2/苗木生成 LV.2/聖女/ディメンションルーム LV.3/魔法の書生成 LV.2/変換吸収 LV.4/スキルの書生成 LV.5/種子生成 LV.2/転移の扉 LV.2
●エクストラスキル:専用会員カードキー発行/自動/連結・連動/余剰貯蓄/スキルボード偽装/即死無効/HP回復速度上昇 LV.2/命中率上昇 LV.4/熟練度上昇 LV.2/統合 LV.3/時間停止インベントリー LV.4
●スキル:アイテムBOX LV.7時間停止/生活魔法LV.MAX/ポーション生成 LV.5/採掘 LV.4/採取LV.6/探知 LV.6/地図 LV.6/鑑定 LV.5/隠密LV.7/薬師LV.5/暗殺LV.5/偽装 LV.4/土魔法 LV.2/風魔法 LV.2/火魔法 LV.3/水魔法 LV.2/闇魔法 LV.3/光魔法LV.2/身体強化魔法 LV.6/付与魔法LV.3/防御魔法 LV.5/凍結魔法 LV.3/幻術魔法 LV.3/回復魔法LV.2/空間魔法 LV.3/封印魔法 LV.3/結界魔法 LV.4/氷結魔法 LV.3/浄聖魔法 LV.4/輝炎魔法 LV.4/飛行魔法 LV.4/夢魔魔法 LV.3/睡眠魔法 LV.3
【カタログ通販ⅤLV.MAX】
積立ポイント0万pt[上限5120万pt]
選択済み品目
●日用品 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●食料品 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●武具 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●防具 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●ポーション Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●魔法の書 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●スキル Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●魔道具 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●食の木 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●特殊スキルⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
【等価交換LV.1】お食事ポイントを魔水晶に等価交換
【等価交換 LV.2】未
牢獄ダンジョン編でした。
ここまでお目通しいただきありがとうございます。
引き続き、脱出後のストーリーもお楽しみくされば幸いです。
次回更新は6月1日月曜日です。




