只今、皆んなで脱獄の準備を開始します。1
防寒着や寒さ対策の物を役人さん達に渡す。
楽園にはまだご招待できないが食事は暖かい物を提供する。
囚人…俺も囚人だった。なんか区別するネーミングをん〜、降伏者でいいっか。では改め、降伏者にはも温かいスープとパンを配給。コップは支給してあるので配給入り口に給湯器を設置し、温かい白湯がいつでも飲める。
役人さん達のところにも給湯器と茶葉などを渡す。
十の月となった。
山岳地はすでに冬が到来しているが、麓も秋が終わり本格的な冬の季節となっている。
「第1回ガラポン大会を開催します」
「「「「「「「「「「うおおおおおおおっっ!!!」」」」」」」」」」
場所は2階層を出て直ぐに特設会場を設置した。
本当は1階層でと思ったが3000人が集まるには狭すぎたので2階層の元食の木の苗木畑で開催となった。
事前に役人さん達には「人気商品の公平な配分と、不満の吐け口の為の催し物」と伝えてある。
「少し見てて良いか?」
「良いですよ。でも異常な熱気で驚きますよ」
役人さん達も気になるようで、見学の許可を出した。
そして始まったガラポン大会!
「やった!2等だ!マカロン?菓子の甘味か!王族でも口に出来ないだと!!」
「くーっ4等か!って、おっこれは販売中止になった幻のバージンスイーツじゃねーか!!ツイてるそ!」
「3等の次回抽選券かよ。俺4等がよかったな〜」
「良いじゃねえかよ。俺、全部ハズレだよ…」
喜ぶ者、悲しむ者、そんな様子をツマミに酒飲んで楽しむ者。
当たりの抽選玉が全て出たら終了。今回、抽選できなかった分の券は次に持ち越しとなる。
役人さん達も初めは余りの熱気で引いてたが、途中から一緒になって楽しんでいた。
「この抽選券ってどうやったら貰えるんだ」
まさか役人さん側から質問がきた。
「抽選券はこの中での仕事報酬の一部になりますね。外の見張と牢に入っている降伏者の方々への食料配布をお願いできるなら、お一人毎に毎回5枚差し上げますよ。ガラポン大会は10日毎、1の付く日に開催します」
役人さん達も全員参加希望となる。
ガラポン大会終了後、全員ここに居るので丁度いいと思い、楽園の閉鎖する事を伝えると猛反対された。
「元々は一時避難所でしたし、今直ぐの話ではありません。相手の出方次第ですが、春先に新たな荷が届いた後からです。その後、徐々に1階層の空き地や2階層に移築していきます。合鍵使用などは無くなりますが、概ね楽園エリアの生活はそのままの予定です」
それならと納得したようだ。
「ついでに今後の緊急避難場所の説明です。万が一ですが、又、軍が関与してきた場合の緊急一時避難場所ですが、27階層に設置します。食料が豊富な状態で軍が攻めても数ヶ月はかかります。後ほど役人さん達を含め、全員登録に向かいますのでお願いします」
「「「「「「「「「「27階層!!」」」」」」」」」」
「はい、荒野が続く27階層です」
既に、一般住宅とレイズドベッドで食の木を育てた物を試しに入り口付近に配置してみた。
暫くして様子を観に行くと、やはり1階層や2階層とは違い一般住宅は消滅していたが、レイズドベッドの食の木は問題なく育っていた。
避難時は簡易テントなど持ち出せば一時避難時の食料の心配は無い。
2階層入り口の転移水晶に役人さん達を登録してもらい、先に俺のディメンションルームに入ってもらう。
役人さん達に、ずっと気になってた1階層の入り口の転移水晶の場所を尋ねてみたら湖の外、つまり役人村に有りるそうな。気になってたからスッキリした。
続いて楽園メンバーは楽園に。俺が27階層に移動し、楽園メンバーを先に全員出て登録してもらう。
その後、役人さん達をルームから出てもらい転移水晶に全員登録してもらう。
お姉様方と商人さん達も登録完了。
お姉様方も面白そうだからとガラポン大会に参加しており、会場で大はしゃぎでした。
万が一に、役人メンバーの中に裏切り者が出ても、ここに辿り着くにはダンジョンを突破して来るか、俺のようにディメンションルーム系のスキル、もしくは同様の機能のがある魔道具が無ければ不可能な荒技だ。
ハウスメンバーとお頭にそのような存在のスキルや魔道具が存在するかを尋ねたところ
「ギフト持ちは稀有な存在ですし、ディメンションルーム持ちの噂は聞いたことがありますが、軍なら上官補佐など上官の近くに配置されます。まず、このような収監所の下級兵に配置はされません。もし、その様な者がいたら、そこの上層部はさぞや愚鈍な方達でしょう」
「簡易のテントのように小さく持ち運べる魔道具はいろいろあるが、人が入ったまま小さくなることはできんな」
「んっだがゴーレムならどうだ!」
「おお良いアイデアだな」
「次の制作はそれでどうじゃ」
「良い案じゃ」
マイペースなドワーフ二人の所為で話がそれたが、結論的に、まず無いという事だ。
確かに俺のディメンションルームLV.3なら20人は余裕で入ったが、ギリギリ詰め込んで入れても100人が限界だろう。
これで緊急避難場所は確立した。
降伏者達には年明けの後に釈放すると知らせる。
「同じ投獄者として今回は見逃す。だが次に軍側についた場合は降伏しても怪我の治療や食料の配給は一切しない」
という事も付け加える。
第1回ガラポン大会は無事閉幕したが、少々景品に不満が出たので改良した。
1等 ビュッフェご招待券 20本
2等 マカロン1袋 50本
3等 ジュエリーキャンディ1瓶 100本
4等 ドーナツ3個セット 200本
やたらと甘味が人気で希望された。理由はお姉様方に貢ぐ方が、ちらほらいらっしゃる事が理由のようだ。
人気の無かった抽選券をアメに変更した。が、又、変な名で呼ばれるぐらいならと手下さん達と一緒に呼び名を考案、そして
「マカロンは『ファーストキス』で。ジュエリーキャンディは『あの子の瞳』で」
と、洗脳、いやインプリントするようにお姉様方に依頼する。なんせ言ったもん勝ち、先手必勝だ。
何と戦ってるんだって!?自分の中のモラルですよ。
ヤローばかりなら許すが、今後も子ども達を収容させて来る事を考えると、教育上、宜しくない事は出来るだけ避けたいのが親心だ。(親になった事ないけどね)
現在、マカロン、ジュエリーキャンディ、ドーナツは非売品となっている。
理由は、「お菓子が実る木ってメルヘンで良いな〜」と俺がふざけて『種子生成』でお菓子の食の木を数本生成し、箱庭で栽培してみたら、ちびっ子達が大興奮。
だがそれを楽園側で販売すると聞いた瞬間、この世の終わりの様な顔をするもんだから、仕方なく非売品にしてハウスと箱庭のお茶請け用にしていた。
ちびっ子達は木に綺麗なお菓子が実っているのを眺めていたいそうなので、回収を担っているリス型オートパペットのみかん達には、子ども達が家に帰る日暮からの回収にしてもらっている。
確かに、ちびっ子達が立ち止まってジーッと木を眺めている光景を何度も目撃している。
リーダーであるテール達に「悪いことして追い出されたら、又、食べられない毎日に戻るぞ」と言い聞かされ、手を付けずにジーッと木を見つめているらしい。
怖いくらいジーッと木を見つめている。
食べ過ぎなければおやつで食べてもと思ったが、何でも与え過ぎるのはよろしくはない。だが
…いつも口から涎を垂らしながら熱い視線でジーッ。
1日、喧嘩しなかったら1ポイント。お風呂に入り髪と体を洗ったら1ポイント。お手伝いしたら2ポイント。お勉強したら3ポイント。
子ども達専用の『お小遣いカード』を制作!
お小遣いカードにポイントが貯まったら好きなお菓子、もしくはデザートと交換できる子ども専用カードだ。
ちびっ子達に配る。勿論、他の年長組達にもだ。
ちびっ子とは違い、年長組には他の物とも交換できる事は伝えてある。
その後、「お手伝い有る?」と、ちびっ子達が代わる代わる纏わりついてくるらしく、大人達は少し困ってた。
今度は大人達が76の瞳で見つめられている。ジーッ。




