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只今、番外編です。〈僕の名はユイル・モーニアです。〉

順番を間違えました。

もう少し前の話で載せる予定でした。

番外編なので大目に見てください。

 僕の名はユイル・モーニア12歳です。元々はモーニア教会の孤児院で暮らしてましたが、今は特待生として王立ミアトレ高等学園の寮で暮らしております。

 本来なら13歳までは初等学園へ通うのですが、成績優秀者と認められ10歳の時に飛級。更に高等学園への進学も叶えました。

 『高等学園』とは王族や貴族、一部の大商会の血縁者しか入学できない狭き門。要は「成績優秀者=学力にお金が掛けられる者」又は「学園に寄附ができる家の者」しか入学できないのです。

 特に『王立ミアトレン高等学園』は学力重視、王国では最高峰の高等学園です。

 卒業生は王宮、又は王国に重要な機関に召し抱えられる超エリートコースです。


 勉強は楽しいです。新しい事が覚えられて世界が広がります。

 王宮の支援のおかげで寮は無料です。隙間風が無く冬でも暖かい部屋です。勿論、食事も無料です。孤児院では見た事ない凄い料理がお腹いっぱい食べれて毎日が幸せです。もっともっと勉強頑張ります!


 それがいけなかったのかも知れません。

 いつの間にか「年下のユイルでも出来るのに…」「年下のユイルに負けて悔しくないのか!」など、周りの教員や大人達が年下の僕とを比較した発言が多くなり、だんだんクラスメートとの距離が拡がっていきました。


 分かってます。僕を引き合いに出して頑張るように発破をかけてる事を。

 だけど、ここにいる多くは貴族のご子弟様や、才能を買われて養子となった元平民の子ばかりです。その言葉が耐えられなかったのでしょう。

 (ねた)み、(そね)み、(ひが)み そう、原因を作った僕への恨み。


 「恨み」が「怨み」に替わった瞬間、僕の人生は終わりました。




「ユイルですね」

 知らない声が聞こえてきます。

「はい。どちら様ですか?僕、死んだような気がするんですが??」

「正式に言えば少し違いますが概ねその通りです」

「概ねとは?」


 僕の質問に丁寧に答えてくれました。

 『僕』は死んだ。だけど『ユイル』は生きている。

 僕の魂が一瞬抜けた時、生まれ変わる予定であった同質の魂が、間違って入ってしまった事で、行き場を失った僕の魂がここに来ていると。

「想定外の出来事でしたのでもう一度、転生してやり直しをお願いします。【想定外転生】にも該当しますので【救命加護】が取得されますが【一般転生】となるので一部変更が必要ですね」


 何か専門用語(?)で意味が分からないですが、声の人物が何か作業を初めているので黙って待ってます。

 黙っている間にいろいろ心と頭の整頓をしていて気になったことが出てきました。

「もしかして、貴方様は女神フェルティア様でしょうか!?」

 死んだ者は女神フェルティア様の元に行くとされいます。今更だけど、尋ねてみました。

「フェルティアは私の部下にあたります。本来はフェルティアが魂の采配するのですが、想定外過ぎて、こちらに回って来たのです。それに間違って入ってしまった魂は私の案件でしたのでね」

 まさか、女神フェルティア様より上の神様が存在するなんて!!


 既に自分が死んだ事より、他のことが気になる時点で『ユート』と同じ質の魂なのであろう。


「お待たせしました。【一般転生】では必要ではない【救命加護】は、別のスキルや『幸運』に振り分けておきました。そちらの扉を潜れば転生します。では良い来世を」

「ありがとうございます」

  お礼を伝え、新たな人生に胸を膨らませ扉に向かい元気よく進むユイル少年。


 「今度の生まれ変わる場所は…あら、前世と同じ国で命を奪った相手である王族にですね。何とも皮肉な…」




「おんぎゃー!おんぎゃー!」

 後宮中に産声が響く。

「おめでとうございます。元気な男の子でございます」

「出来した!」

 一人の中年の男性が喜び叫ぶ。

「おめでとうございます。これで王家としても安泰。リオート様達が行方知れずとなって早一年。これだけ探しても手掛かり一つとして見つからぬとは最早…」

 隣に控えている初老の男が呟く。

「分かっておる。同時に姿が消えた特待生の少年のことを踏まえも自ら命をたったか、『罪の刻印』を恥じて逃げたのであろう」

 そう呟き、窓の外を眺める。

「王族として無理に『王立ミアトレン高等学園』へ入学させたことで、心を歪ませてしまったのかも知れぬ」

「私もつい特待生の少年と比較するような発言をしてしまった事を悔いております」

 国のトップである国王とそれを支える宰相。決して弱音は吐いてはならない、悔いてはならない。

 だが、今いる部屋には、過剰な期待を子どもにしてしまった事を悔いている大人が二人だけ。



「リオート達の捜索は騎士団案件から外し冒険者ギルドへ移行する」

「…承知いたしました」


 それは規模の縮小を示し、重要案件から外れた事を示す。

 リオート・ビアヌス・ミアトレンが王位継承から外れた事を示していた。

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