只今、ダンジョン内を逃走中です。7
『夢魔魔法』『睡眠魔法』共にレベル3まで上げる。
準備は完了。『隠密LV.7』ならまずバレないということで、隠密を使って出来るだけ近づき夢魔魔法を掛ける。
その後、2日したら今度は睡眠魔法を掛ける予定だ。
そしてするりと転移水晶を通り抜け計画だ。
…あれ?近付いても気づかれていない?もう少し近づいて…全然気がつかれていない。もう少し近付いて…。
何もしないで通り抜けれた。「誰かいる!」とか「何かいるぞ!」的な反応があってもいいのだが。
魔法習得が無駄になったと思いたくないので魔法を掛けた。
「〈熟睡〉」
ついでに転移水晶に登録しとこっと。
「え〜24階層に入れましたので1日先行した先でまた合鍵で開きます」
「「「「「「「「「「おおおおおっ!」」」」」」」」」」
すげ〜盛り上がりだなぁ。
「ヤローども、どんどん魔水晶取ってくるぞ!」
「「「「「「「「「「おおおおおっ!」」」」」」」」」」
楽園では軍の進行の為、採掘がしばらくお休みだったせいか凄い盛り上がりだ。
「みんなガラポン大会で景品を引き当てたいそうだ」
まさかのガラポンフィーバーだったとは!
「普段から賭けになるモノがねぇから、賭け事に飢えてるんだ」
「…抽選券多めに作っておきます」
カクに頼んで抽選券と補助券大幅増量と抽選玉の増量と新たに4等も200追加。4等はドーナツ3個セット。
24階層はアイゼルさん達と進み、2日で25階層に到達できた。
25階層は噂通りの荒野だった。
こっからは自動車を使う。ナビで案内開始で26階層入り口へ、っとその前に、このエリア本当に魔水晶も何も無いのかな?
ナビを変更『魔水晶』該当なし。『食の木』該当なし。『鉱物』該当あり。
運転はヒシャに頼み、反応があった方へ向かう。
合鍵で扉を開けっぱなしでも良いが少々邪魔だし意味がない。だからと言って扉を閉じてしまうと、最後に閉じた扉の地点に取り残されるので、俺が着いたら箱庭と繋げる事にした。
手が空いてる人物がヒシャと同乗して向かう予定だったが、皆んな忙しくしており、俺が一番暇人だった。
広い荒野を丸1日掛けて到着。
グランドキャニオンのように峡谷が果てまで続いていた。
峡谷の底にわずかながら川が流れており両方の川辺には何かが光っている。探知魔法をかけたが、モンスターの気配はないので飛行魔法で降りて行ってみる。
「こりゃ驚いた」
鑑定の結果は『銀』であった。小石から岩まで全てが最高品質のシルバーだった。
箱庭のメンバーも呼び寄せた。
装身具屋を営んでいたノベルドさんは大興奮!気が済むまで採掘をどうぞ。峡谷上部に合鍵で繋げておく。
皆んなで一通り採掘して本日は終了。
翌日、ここからスタートし26階層入り口に向かう。また丸っと一日掛けて到着。
一応、転移水晶に登録をしておき、昨日と同様『鉱物』該当ありと出たので自動車を走らせる。
同乗中はスキルの書を生成したり、なんか統合して面白いもの作れないか色々検討したりしていると『目的地に着きました』とナビのアナウンスが流れた。
昨日同様の峡谷だったが底に広がっていたのは、最高品質のゴールドそう『金』であった。
またもやノベルドさんは大興奮!採掘をして本日の移動は終了。
これが数日間続く。結果としては、
27階層は魔水晶。28階層はミスリル。29階層はオリハルコン。
そうきたら次はアダマンタイトとか緋緋色金とくると思うでしょう。
「は?チュチュラナ鉱石?」
「そうじゃ!伝説のチュチュラナじゃ!!うほ〜これほどとは!いかん、こうしてはおれん!採掘じゃ!」
「こんなに有るとは作り放題じゃ!」
何を作る気かは知らんが、ドワーフ二人は大はしゃぎ!
「え?パールの木?」
「そうですよ!パールが成る木で、海底にしか成らない幻の木ですよ!回収したらトールさんに苗木を作ってもらわなければ!」
再度張り切るノベルドさん。
結局25階層から30階層までは採掘所として全て箱庭と繋いだ。
間違えて使用しないように採掘担当としてダイヤに鍵を預け、ルビー、サファイ、エメラ、アメジはダイヤと共に『採掘 LV.2』『採取LV.3』『探知 LV.3』『地図 LV.3』『鑑定 LV.3』『身体強化魔法 LV.3』『飛行魔法 LV.2』を取得させ、しばらくは採掘採取特化チームとして採掘を任せる。
オペレート・サポート・メイドのオートマタ達全員には既にアイテムBOX LV.3を取得している。
セキュリティタイプとオートパペット達は数が多いので随時生成次第、取得していく。
そして31階層は
「火山地域だね。こりゃ攻略は相当かかるな」
灼熱の大地だった。簡単には進めない。取り敢えず攻略はここまでにしておこう。
そんなことをしている間に軍が引き上げていった。
王都からの補給支援が思った以上に少なく、このまま進行すれば兵士まで餓死する事になる。
加えて換金所を使用しなくなった事で我々、逃走組は全員が死亡扱いに。
勿論、軍側に付いた人達も魔水晶を採掘はしていないのでやはり死亡扱いだ。それによりこのダンジョンからの収益は2ヶ月間ゼロとなる。
多くの投獄者を入れたのに結果はまさかのゼロだ。
こうなって仕舞えば元通りに戻すには時間がかかる。
更に抵抗していた我々3000名は、既に外からの支援無しでも食糧が賄える手段を得てしまい。
魔水晶を払わなければ食糧を打ち切るなどという脅しは効かないのは明白となった。
軍側だった者達は四分の一以上が死亡、又は怪我で動けない者ばかり。
残ったのは400も満たない人数で採掘量は補うことはできない。
そう、軍が来る前と比較しての採掘予想量が10%を切ってしまった。
監獄長は焦った。
今回の出来事について国への報告はしている。だが自分たちへの旨みが雀の涙ほどになってしまった。
分母が多ければ横領も誤魔化せたが今後はそうはいかない。下手をすれば立て直しなどと言って誰かを寄越すかも知れない。
今までの事が発覚すれば、間違いなく首が飛ぶ。いや、物理的にも首が飛ぶ。
どうする!今なら春まで誰も来ない。どうする!
「商人と直接交渉して食糧を確保してくる」
そう言うと監獄長は有金全てを持ち出し、山を降りて行った。
楽園の皆んなが1階層に戻った時には見るも無惨な状態だった。
食べ物は無く、飢えの苦しさで橋を渡って行ったのか、途中で事切れた亡骸が複数重なっていた。
現状確認と今後の話し合いをと対岸の役人に対し交渉を持ちかけた。
やってきたのは痩せこけた換金所のにーちゃんともう一人、にーちゃんの後輩らしい人物だ。
現状として上役達は逃げたそうだ。特に監獄長は初っ端に有金持って逃げ出し、続いて自分らの上司の看守長達も残った金目の物と食料を持ってトンズラしてしまい、今は自分たち下っ端の20名ほどだそうな。
食糧庫も見事に空になっており、既に10日真面な食事に有り付いていない。
冬の山間部、食料も何も無いまま下山も出来なくどうするか悩みあぐねていた頃、こちらからの申し出が聞こえてこたと語る。
そして出来れば食料を分けて欲しいと涙を流して懇願してきた。
急いで食事の用意とにーさん達には他の仲間を呼んできてもらった。
みんなげっそりと痩せ細っており、俺たちが用意した食事を涙を流しながら食べていた。
今現在、軍に着いていた囚人達で生きていたのは僅か200名程度だった。
食の木を探してダンジョンに向かい帰ってこないのが100名ほど、飢えに耐えられなく自ら命を立った者も100名ほどいた。
軍側の生き残りの者達には抵抗しなければ食事を与えると伝えると皆両手を上げて降伏した。
壁の穴住居の数カ所の入り口に鉄格子をつけて降伏した者達の収容所にした。全くもって監獄の収容所って?
怪我人にはポーションを支給、その場で飲ませ食事を取らせる。
余りにも汚れていたので「クリーン」をかけ、毛布を配り鉄格子の中に入ってもらう。
壊された建物や死亡した囚人の遺体を処理をしていく。壊れた物は「建材補充機」に入れ新たな素材として再利用される。
「さて、今後についてのお話をしていきましょう」
以前は食堂として使用していた場に役人たちも加わり話し合うこととした。
「まず食料ですがしっかり確保していますので春まで安心してください」
その言葉に役人サイドから安心のため息がもれた。
「徴収金額なんかはどうなってる」
「申し訳ない。下の我々には一切報告はされてないので何とも」
お頭からの質問に対して申し訳なく答える。
「兎に角、春までは誰も来ないんですよね」
「いや、正確には行商人が一組だけやって来るが、基本、春までに足りなそうな物の補充としてだ。この中にも一部卸しているが正規のルートではないが、許可が降りている」
こんな雪の中わざわざ来てくれる行商人さんがいるんだね。
「おう、俺の弟達だ」
びっくり、お頭の弟達!うん、雪を物ともせずやって来る姿が安易に想像できてしまった。
「じゃあ時間がありますね。ますは監獄長の部屋や仕事部屋で、金額や報告書の類を見つけてかき集めて来てください。食事はこちらで用意します。我々は出れないので申し訳ないですが朝と夕方はお越しください。昼は簡単に食べれる物を用意いたします。ちなみに暖を取るの手段はありますか?」
「いや無い、元々上層部しか備え付けてなかったし、軍の上官たちが全部使っちまって、今は使おうにも燃やす薪も無い」
おうふ、何てこったい。
「こちらから防寒用品と厚手の毛布をお渡しします。こちらは足りてますので」
「えっあいや、良いのか?なんかわりぃな」
久々に換金所のにーちゃん達の笑顔が見れた。
「王国側はこの現状、いつ頃気づいてますかね」
「多分、ここの上層部が皆逃げた事は春まで気が付かないだろう。それを見越してあいつらは逃げたからな」
役人サイドは外の現状等を伝える。
冬季に役人村に残る者の仕事は、お頭の弟さん達が補充に来る為の見張の門番と、通常の換金所以外やることが無いそうだ。連絡も基本、年明け過ぎに食糧を運ぶ者に報告書と魔水晶を渡す事になっている。
「時間はありますね」ふふふ
「おい、いやらしい笑いするんじゃねぇ」
お頭からのツッコミが入る。
「ちょっとね、この国には色々やられましたから嫌がらせしてやろうと思いましてね」
「何する気だ?気持ちは分かるが国相手にどうするんだ。また軍が出張ってきたらたまらんぞ」
「安心してください。ここまでくれば、今回より安全に対応できます。危なくない…、いや少しだけ危ない嫌がらせですから」
「だから何しようってんだ!」
お頭がしつこく突っ込んで来るので、ざっくりと答える。
「ここにどれだけ人を収容しても魔水晶を僅かしか卸さないんですよ」
「そんなのすぐにバレるだろう」
「だからまず、ここのトップ達がどの程度横領し、報告していたか知る必要が有るんです」
他の役人が見ても違和感が無いようにしなければならない。
「少なくとも今回は全員死亡になっており、プレートなどを確認しても現状などさっぱり分かりませんからね。実際どの程度で報告したのか知る必要がありあます。少ない分は冬の間に亡くなって事にできますからね」
どうせ、ここの上役が逃げたのなら、『うまい汁』を引き継がせて貰いましょう。ぐふふ
「だから、いやらしい笑いすんじゃね」
あっそうだ、まずは約束を果たそう。
ユイル・モーニアへの殺害行為を許しますか?
アーデル・ファント・アイアル YES




