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只今、ダンジョン内を逃走中です。6

無謀な2作品同時を少し後悔しながらの執筆中に3作品目を妄想中。

大丈夫、まだ妄想中。

 どうもユイルです。最近ますます軍の進行が加速してきてます。軍側の収監者さん達も一緒になって私を見つけると容赦なしに攻撃してきます。

最後の追い込みかの様に凄い勢いで進行中です。

 このまま秋、いや冬まで逃げ切ればとこちらの勝ちです。もう少しで八の月、あと少しの辛抱。

 まさか冬をここで越すことは…無いよね。

 


「今日からは、20階層から攻略していきます」

「なら、我々と共に向かおうか」

 今日からアイゼルさん達と一緒に攻略していく。

 20階層からは洞窟エリアになりなかなか攻略が難しく、24階層を越えた次のエリアには誰も進まない。

「25階層からは荒野エリア。魔水晶はおろか草木もなく、モンスターさえ出てこない不毛の地だ。実質ここが最終エリアになる。昔、攻略しようと進んだ者も多くいたが殆どが帰ってこない。稀に25階層攻略した者がいたが次も荒野で何も無かったとの話だ」

 実際に魔水晶もこのエリアが一番品質が良く、多く採掘されるからベテラン勢が多いとエリアとも言える。

「最近はかなり装備が充実してきたから、軍が引いた後は、この階層の採掘人口がかなり増えそうだな」

「確かに、なんかみんなすごく頑張って武器やら防具揃えてますからね」

「誰だって頑張るさ。本来ならオークションでしか手に入らない魔剣が普通に手に入るとなればな」

 アイゼルさん、苦笑しながらの答えに周りのハンターチームである兵士の5人と魔導士の2人が大きく頷く。

 金額設定は正直ノータッチだが、「オークションスタート価格」と商人さん3人が教えてくれた。と言うか、本人達が予算が足りず購入出来ない事に悔しがってた。

 もっと安く設定すればと思ったが、安くすると下のランクを大幅値下げしなければならない事態を考慮してのようだ。


 アイゼルさん達は合鍵を使用して少しずつ進んではいるものの、広大な迷宮だ。合鍵があるなら攻略はスムーズだと思えるが、モンスターとの戦いを考えればこの人数では厳しいと判断される。

 だが俺の地図と探知のスキルで迷わず進んで行ける上に、モンスターの回避も可能となる。

「やっぱスキルっていいよな〜」

「こんなにサクサク進めるんだな」

「アイゼル団長!ダンジョン攻略を考えるなら、やはり地図と探知は必要ですよ」

「うむ、確かにここまで差が出るとなると検討せざるを得ないな」

 部下達の提案に真剣に悩んでいる。

「私も『スキルの書生成』スキルをもう少し上げなければいけませんので、次はその二つを中心に作ってみます」

「セルージュ達とも相談したのだが、家臣になった時や褒章として王からスキルを賜るという設定にすれば、皆同じスキルでも納得される。『スキルの書』は王からの賜るものである為、購入や販売などは一切出来ない掟と言うことにという提案だ。もし、『スキルの書』の存在がバレたとしても、その一言で済むからな」

 みんな色々考えているんですね。ありがとうございます。こんなのが王様になってすみません。


 元々、かなり攻略していたのだろう。夕暮れ前には21階層の入り口に到着できた。

 楽園の住人で20階層以上を攻略中の実力者には、階層毎に合鍵Cを貸し出している。転移水晶付近での軍側の待ち伏せの囚人達も多くなり、転移水晶付近での合鍵利用が難しくなったからだ。

 更に、軍の進みが思ってたより早く、最近では楽園の住人達の稼ぎ場所が少なくなっている。

 いくら奴隷の首輪の『絶対命令』を解除したとしても多勢に無勢だ。捕まってしまえば、その場で処刑、或いはこちらの情報を引き出す為に拷問される可能性がある。

 実力者は下層階で魔水晶をどんどん採掘してもらいたい。勿論、休業状態の住人には階層の中央付近を合鍵で繋げ採掘希望者を募る。

 短時間のため採掘量は少ないが、魔水晶の濃度が濃い為、それなりの収入となる。

 今後は23階層からのスタートとなる。軍の待ち伏せを避ける為、先行してた23階層メンバーの合鍵からスタート。

 合鍵貸し出し条件として俺らの途中使用を認めると言う条件だ。

「24階層入り口には軍側のやつがいる」との情報が入っている。

 発見されないギリギリまで俺らは24階層入り口を目指す。


「かなりの人数がいるな」

 遠くで様子を確認しているが、20名程の実力者のようだ。

「本当は25階層に逃げ込んだと思わせたかったけど、軍次第かな。冬を迎えて帰るようなら魔水晶確保しながらそれまで大人しくしてるし。まだ居座るようなら無理してでも25階層へ向かう」

 25階層は何もない不毛の地だ。追いやったと思われれば更なる追跡は無くなる。

「では、一度、合鍵で安全な入り口を確保し。今後は相手の動きを見る」

 アイゼルさんの指示に従う。




「この通りだ、頼む!」

「え〜」

 只今、拝まれている。いや、せがまれている。

 『ビュッフェ』の存在を知られてしまった。そんでケイルさん達にせがまれている。

 実は『パティスリーカフェ』『エステサロン』『ラウンジバー』は既にバレている。バレたのはおそらく今回も色街通い人物からだろう(元兵士2名と推察)。

 だって毎回お姉様方からの(あつ)〜い視線が耐え切れなくなり、仕方なくOPENした。

「楽園みたいな飯がすげ〜種類が有って食べ放題なんだろ!頼むよ〜」

 今回の案件にはお姉様方は不参加だが、流石に人数制限があるため無条件とはいかない。じゃないと通称:ユイルのお兄ちゃんの方々、通称:ユイルの父ちゃんの方々、通称:ユイルの爺ちゃんの方々がうるさい。

「じゃあ、ガラポン大会を月に3回、1の付く日に開催します」

「「「なんだそれ?」」」

「抽選会です。月に3回開催。当たりは1等はビュッフェご招待券を20名、2等はマカロン1袋を50個、3等は抽選券1枚を100枚。抽選券は魔水晶の換金時に発行。換金100,000M(マナ)で抽選券1枚、換金10,000Mで抽選券補助券1枚、端数は切り捨て。『楽園』でのお仕事している方には10日毎に5枚配布。このイベント開催協力してくれるのでしたら、別口でビュッフェご招待券をイベント開催毎に5枚を進呈します。この案でどうでしょう。乗ります?」

「「「「「乗った!」」」」」

「準備がありますから九の月から開催します。じゃあ、はい5枚招待券ね。招待券を持って魔力を流すと使用するか問われます。あと食べ放題だけど制限時間ありますから時間は一刻(2時間)です」

「「「「「おおお!」」」」」

「5枚の月3回だから15枚。ってことは二ヶ月毎には行けれるって事か!」

「抽選券が間に合わないかも知れませんので(しばら)くは代わりに抽選券には涙上級、補助券には涙下級を配布しながら説明してください」

「わかった!ちなみにマカロンってなんだ?」

「甘いお菓子です」


 早速、【魔道具Ⅱ】の『小物製造機クリエ』で初めに抽選券用のコインと補助券用コインを制作してもらう。

 あっちょっと待てよ3000近く居たよな、抽選券10回分コインも制作。

『オペレートタイプで手が空いてる子は来てくれる?』

『畏まりました。カクが参ります』

 カクにはクリエで抽選券制作後にガラポン用の抽選玉をお願いをし、たてるくんJr.でガラポン本体の制作を頼むんでおいた。

「ガラポン本体が制作できたら、つくるくんに頼んで抽選券10枚は11回、1枚は1回、補助券10枚で1回ガラポンが回転する仕組みを作って本体にセットしておいて欲しい」

「畏まりました」

 新しいパペットが仲間になった。

 オペレートタイプに『ヒシャ』『カク』『ケイ』『キョウ』。

 サポートタイプに『ダイヤ』『ルビー』『サファイ』『エメラ』『アメジ』『ラピス』『ラズリ』『アンバー』『コーラル』。

 メイドタイプに『るり』『こはく』『さんご』。

セキュリティタイプに『みはるくん』25名。

 『みはるくん』には相棒として【魔道具Ⅳ】『オートパペット』を相棒として一人1匹『イヌ型・ネコ型・トリ型』から選択。

 『オートパペット』は他に『リス型』がいるが、収穫、採取に特化型であり、万一の戦闘スキルが無いので残念ながら相棒には成れず。

 でも『箱庭』で増やしすぎた食の木の実の収穫に大活躍だ!

 ちなみにサポートタイプの『アメジ』『ラピス』『ラズリ』『アンバー』『コーラル』はメイドタイプの『るり』『こはく』『さんご』とチームを組んで主に楽園用の食事配給などのサポートを中心にお願いしている。

 えっ、まもるくん達もオートパペットの相棒を希望してる?!分かりました。どうぞ良き相棒をお見つけてください。




 こんな呑気なことしている間に軍が21階層まで近づいて来ていた。

 八の月の中旬なのに帰ってないがどうする気だ?クラフさん情報では、

 「上層部の意見が分裂。勇者は帰還を表明しており、ここのトップである監獄長も食料不足を懸念して帰還を支持。一方、軍指揮官らはこのまま継続を訴え、食糧は王都に連絡済み、近々補給されると反論。軍の本体は21階層到着間近」

 この情報に対してハウスメンバーとお頭を入れての会議をする。お頭をハウスにご招待した。

「お前、まだこんな隠し球持ってたのか!」

「隠し球というか、ここが中心部って感じですね。ま〜色々ご内密に」

「新たな娯楽が増えて不満の吐口が出来た分、こっちも仕事が楽になってる。出来るだけ協力はするぞ」

 まさかのガラポン大会の期待度がそこまで高いとは、頑張らねば。

「まずは軍の位置情報です」

 こうして会議が開かれ、今後の動きを考えていく。

「やはり軍が後ろから攻めてくる前に24階層に移動した方が良いのでは」

「だが24階層の水晶前にいる奴らは一筋縄じゃいかねぇぞ」

 いろんな案が飛び交うが、総力戦で力尽くで24階層の水晶前を押し退ける以外、これという決定打はでてきてない。

「ん〜、ちょっと待っててもらえます」

「何かいい案でもありましたかユイルさん」

「使えるか分かりませんが…少々お待ちください。メイ、皆さんにお茶とお菓子を」

 メイドさん達にお茶とお菓子の準備をさせる。

「今更だが、なんでメイドがいるんだ?」

 お頭〜、今更ですよ、今更。気にしてはいけません。

 俺は倉庫に入れてある魔法の書を数冊持って来てもらう。そして久々の「〈統合〉」


『闇魔法の書』と『幻術魔法の書』を重ねて『統合』で『夢魔魔法の書』

『闇魔法の書』と『回復魔法の書』を重ねて『統合』で『睡眠魔法の書』


【夢魔魔法の書】ナイトメアを発生させ精神汚染を引き起こす魔法。レベルにより効果範囲、汚染度が変わる。

【睡眠魔法の書】睡魔を引き起こし深い眠りへと誘う魔法。レベルにより精神汚染解除、眠りの深さ、効果範囲が変わる。

 思ってた魔法の書が手に入った。これを使って寝ている間にこっそり24階層へ計画だ。


「…なんつーか、自分で精神汚染引き起こしておいて、後から正義面して治療費をぼったくる詐欺師野郎みたいな魔法のセットだな。てか何で魔法の書を持ってんだ。それも二つも」

「作ったんですよ。しかし、我ながらゲスな物を作りましたが、これなら入り口近くにいる人と戦わずに通過可能ですよね」

「まー可能でしょうね…」

 なんかセルージュさん達が呆れてる?

「………作れるのか?魔法の書!?」

「はい」

 お頭の質問に答えたら、さらに皆んな呆れ顔で見てくる。え?魔法の書生成スキル持ちはそれなりに居るって聞いてるよ?

「………」

「………」

 皆さん何とも言えない表情をしてる俺を見ているが、なぜだ?あっ安全性ってことか!

「大丈夫ですよ。睡眠魔法を掛ければ体調は(すこぶ)る良くなりますから健康には問題ありません。その前にちょこっとだけ精神汚染で疲れてもらい、寝やすくなってもらうだけですよ」

 この説明で皆んなの懸念は無くなったはずだ。

「「「「………」」」」

 あれ?反応が無い。懸念の内容が違ったのか?

 ため息を吐きながら、セルージュさんが計画の進行をとる。

「ではユイルさんがこっそり掛けてみて、効果が少なそうであれば攻撃を仕掛けます。誰か一人でも突破できれば、合鍵で24階層へ進行出来ますから軍を相手するよりは被害は少ないでしょう。グラドールさん達も既にこちらの仲間ですし、秘密の共有をして頂けてますので、安心材料としてユイルさんの隠し球を一つ提供します」

「まだこいつ隠し球を持ってんのか!流石に呆れるわ。んで、その隠し球は何だ」

 お頭、俺を見て呆れた顔しているが、セルージュさんの隠し球発言が気になるようだ。

「はい、隠し球は『女神の涙』『天使の涙』を所持している事です。所持してる数は申し上げられませんが、それぞれ数本ございます」

「はあ〜!何じゃそりゃ!!?どっかの王族か貴族か!」

 更にお頭、俺を呆れた顔に厳しい顔が追加して思い切り見つめてくる。怖いですよその顔。

「その様な立場だという認識で結構です。もちろん他言無用でお願いします」

 セルージュさん、曖昧表現で答えを流す。

「こんな事怖くておいそれ話せねぇよ。は〜何でこんなとこいるんだよ、オメェは」

「いや〜成り行きで」

 お頭、とっても疲れたようでお菓子とお茶の追加をして食べてた。疲れると甘味が欲しくなるよね〜。

 俺は1日ほど時間をもらい、レベル上げに勤しむ事となった。



「なぁ、セルージュさんよ。部外者の俺が言っていいのか分からんが。ユイルのヤツ、自分の発言がおかしい事に全く気づいてねぇぞ」

 グラドールがセルージュに問いかれる。

「ご心配ありがとうございます。何をどう勘違いしているのか全く分かりませんが、世界の常識にかなり疎いのは確かですかれね」

「まぁ、あんな街や建物を作ったり見たこともねぇ極上の食べ物をホイホイと提供している時点でおかしいが、根本的にお人好しだ、わざわざ俺たちを救う必要も無いのに手を差し伸べる。ほんと何なんだアイツは!?そしてアイツの将来が不安だ」

「ふふ本当に、だから私たちが頑張ってフォローをするつもりです」

「軍が引いたらお前達はここを出て行くんだろ?首輪の解除方法も見つけてるんじゃないか?安心しろ、チクるつもりはねぇが、出ていく時は少しでも食糧とポーションの類は卸しておいてくれないか。冬を越しても食糧の配給が元に戻るとは思ねえ」

 真剣に語るグラドールを見つめ笑顔でセルージュが語り出す。

「多分、大丈夫ですよ。楽園の規模は小さくなると思いますが、ユイルさんのことです。『秘密の場所』のように色々と対策を練るでしょうから。まあフォローするのが大変かもしれませんがね」

「ちげえねぇな。本当に賢いのかアホなのか。いや、ただのガキだな」

「言い得て妙、楽しくなると常識など無視をして、ひたすらのめり込んでますからね」


 こうしてユイルのやらかしをフォローする人物がまた一人、巻き込まれた。

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