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只今、ダンジョン内を逃走中です。4

「今日の定食はアリエスちゃんとマリリンちゃんだぞ!」

「おっ、まじか!この前、剣を新調したから手持ちが()え、今からちょっくら稼いでくらー」

「数量限定だから早く戻ってこいよ」

「おぉ!そうだった!急いで行ってくるぜ」


 どうもユイルです。散々悩まされたネーミング問題は解決しました。

 アイーネちゃんのおっぱい(食パン一斤)、スフィア様に包まれて(クリームパン)、マリアたんの甘い口付け(いちごジャムパン)、魅惑のナンシー(チョコレートパン)

 不動の人気四天王であるお姉様方には『秘密の花園 パンシリーズ』と命名し、数カ所に設置された自販機で常時販売可能にしておきました。他のお姉様方は『秘密の花園 定食シリーズ』と名付けて、ランダムに食道内での自販機で数量限定で販売とする事に決定。

 名付けは手下さんたち総出で考案し、「これなら文句はでない」と皆が頷いて決定された力作です。どっかの誰かが命名した別名よりかなりマシなはず。


 値段はパンシリーズはどれでも1つ30ユイ(3000円)。定食セットはどれでも80ユイ(8000円)。

 そして定食セットはくじ付きで、当たりが出れば、プリンかババロアどちらかと交換できる仕組みにしました。

 食事コインは無いですが最低食として、この世界の通常パンと日替わりスープセットで20ユイで提供してます。

 下層階での採掘が難しい人や年齢的にキツイ人には、楽園内での仕事を頼んでいるので食いっぱぐれないように配慮済みです。

 ちなみに月給は8000ユイ。余裕を持って生活が送れる金額にしました。


 相部屋(6人使用)一人/月200ユイ 完全一人部屋/月1000ユイ どちらもトイレは共同ですが水洗で、一軒家4LDK/月5000ユイ 普通にキッチン、バス、トイレ付きの憧れの戸建てです。

 金額についてはお頭と相談して決めました。

 やはり商人さん達と同様、元の監獄生活に戻った時の落差が激しいと不満が募るため、徴収金がなくてお得ぐらいの感覚単価にしたいそうです。

 だが、銭湯だけは譲れない!一回5ユイ。臭い、汚い、痒い、自分が耐えられない。

 今までは周りに合わせて目立たない様に、入浴後に薬草の香りを付けて誤魔化していましたが、周りが獣臭くて耐えられない!

 で、お姉様方と協力の元、風呂に入って石鹸の香りがする男がモテる作戦を実行することになりました。

 シャンプー、トリートメント、ボディーソープを初め、関連品は商人さんの店と銭湯でも買えるように準備万端。

 お姉様方もお客さんが身綺麗になって大助かり!と喜んでいるし、私も品がどんどん売れて大儲け!

「末恐ろしいやつだ」とお頭からお褒めのお言葉を賜りました。


 「楽園」ではドンチャンドンチャンと毎日騒がしいですが、「箱庭」ではちびっ子達以外は穏やかな生活が営まれております。

 基本、子供達の教育が中心としたスケジュールで回っており、その間ちびっ子が邪魔しないようにハウスでアニメ鑑賞させてたら、どっぷり大ハマりしたようです。

 その影響でか、ちびっ子達はいつも()()と戦っています。(妄想内の敵、ガンバ)

 『快適生活ラグジュアリー』となって、大型モニターにアニメや映画が月額サブスクリプションで見放題設定が可能となっており、有難い事に全て吹き替え版です。

 この『月額サブスクリプション』設定、いつの間にか【魔道具】にあった「大型プロジェクター」や「マルチ画面」にも設定が追加されたていました。

 支払いがこちらの通貨だった為、今は私が持っていた『初心者セット』の手持ち分しか無いので、大人達の見たいモノはしばし「待て」状態でお願いしています。

 まあ、子供と一緒にファンタジー系をご鑑賞はOKなので、最近ではちびっ子達が寝静まったてから、大人と学習組の子供達のしばし娯楽タイムとして鑑賞されています。

 ディメンションエリア内()()()平和です。



 

 そろそろ七の月の後半戦に突入した。

「どんな感じです?」

「怪しい奴もいるが相当、軍の配給が少ないようで概ねこちら側に(なび)いてる」

 1階層に帰還後。日和見だった者や、入れ違いで運悪く強制的に最前線に立たされていた仲間を引き込む。

 勿論、裏切り対策はバッチリだ。

 奴隷の首輪の『絶対命令』は解除はしない。申し訳ないが軍が退却するまでは解除はできない。勿論、初期組にも説明をしてあり(しばら)くは内緒だ。

 入り口は初期組とは別に12階層にしておき、鍵スタンプの『入場スタンプ機能』と一緒に【魔道具】の『追跡スタンプ』を手の甲に押す。

 「帰った時、仲間かどうかの確認する為と、ここの通行許可の為」と説明してあり、初期組にも同じスタンプしているので疑われる心配は無い。

 どこにいるのか一目で分かる為、1階層に戻った人物や怪しい行動をする人物には注意を払っている。

「大型のディメンションルームの魔道具を宝箱から発見した物を利用して住んでおり、食材は12階層にあった食の木エリアで大量に回収済み。日用品は元々有った品と以前から買い揃えた物の在庫で、終了すれば終わりだって事で口裏を合わせておく」

 初期組は、一切気にしてなく誰も聞いて来ない。

 今回のメンバーには、聞いてくる奴が居るはずなので、お頭と手下さん達にはダミーの設定で口裏を合わせる事にした。

 

 やはり勇者達は、刻印を一人消えた事で少しは信用したのか、俺を探す事に二の足を踏んでいるようだ。

 ただ、軍の指揮官は躍起(やっき)になって俺を探し出そうと強行に軍隊を進行している。

 目撃情報や裏切り者の証言により12階層に早々に到着し、くまなく捜索したが、次の階層に潜ったと判断され13階層に進行してきた。

 早々に俺は16階層辺りに出没先を変更。こうして裏切り者を(ふるい)にかけ、残ったのはおよそ3000人だ。

 この階層からオーク、オーガ、それと上位種の出没エリアとなり、俺は軍側の囚人さん達とモンスターに追われていたらレベルが色々上がった。

 そろそろ冬になるので帰ってくれないかなぁ。


 先日、クラフさんに頼んでひっそり勇者達に最終通告の手紙を届けてもらった。


「ユイルです。連絡するのはこれが最後です。

 引き上げてくれませんので交渉決裂です。全員の印を消すのは保留にします。

 完全引き上げたらまずはアーデル・ファント・アイアルさんのを消します。

 次の冬までに来なければハーデル・フォルバ・デンディさんのを消します。

 更に次の冬までに来なければフェルナド・バナバ・デュランさんのを消します。

 3年後の冬までに来なければリオート・ビアヌス・ミアトレンさんのを消します。

 もちろん僕がそれまで生きていればです。

 万が一、この地に貴方達が一歩でも踏み入れたのなら、その時点で印を消すことは全て中止いたします。

 本当にほっといてください。」


 少々キツめのお仕置き設定だが『ユイル』を殺したことへの懺悔の時間だ。刻印が消えた人物は喜ぶが、周りが消えるまでは大ぴらに喜べない。ただ俺が生き残っている事だけを祈ることしかできない。もしかして、自分の番が来る前に死んでいるかも知れないという恐怖を感じながら。

 もしも少しは反省、いや後悔している素振りを見せていれば『ユイル』には申し訳ないが、刻印を消していただろう。

 この事に『ユイル』はどう思っているのだろうか。



「さて【カタログ通販】がⅤになりレベルも9。新たな品目【特殊ギフト】のⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ全ての項目を開いてみたけど…」


Ⅰ【魔法の書生成】Ⅱ【変換吸収】Ⅲ【スキルの書生成】Ⅳ【種子生成】Ⅴ【転移の扉】


 なるほど、うん、多分ヤバいものだね。だって品目名が『スキル』じゃなくて『特殊()()()』だもん。

 こういう時はまずセルージュさんに相談だ!あっ、丁度良いところに、

「セルージュさ〜ん」


 セルージュさんが頭を抱えてしゃがんでしまった。初めてみたが、そんな姿も美しいとは。あっそうじゃなくて!えっマジそんなにヤバい!?

 しばらくして復活。立ち上がると、

「緊急招集です。大至急ハウスへ!」

 と声を張り上げバトやメイたちメイドさん達に連絡を頼みハウスへ。

 何が起こった!!?


「皆さん招集ありがとうございます。早急に打ち合わが必要とされる案件が発生しました。まず、当初の予定では商会を立ち上げ、もしくはハンターとして生計を立てるという算段でしたが、今回のユイルさんのスキルがこの国、いやこの大陸では異常なモノとなりました」

「今更、それは前からじゃないのか?おかしいのは分かっとるぞ」

「そうじゃ、初めっから異常だったはずじゃ」

 そこのドワーフ二人!後で話がある!

「ええ、でもまだ隠せば何とかなる範囲でした。というかそう思っていました。ですが、ここまでになると下手に隠すより表に出してしまった方が良いかと。まずはユイルさん。どうせギフトを取得するのでしょうから、全て取得してから皆さんにステータスをお見せください」

 言われた通り全て取得し偽装を解除する。

「〈ステータスオープン〉」


ステータス:(隠蔽)

名前:ユイル・モーニア(ユート) 13歳 HP 1623/1624 変換率400倍 貯蓄7300M

●ギフト:世界言語【クルオニア言語】【未】/快適生活ラグジュアリー LV.21追加機能:リフォーム機能・移動手段 LV.4・オートマタ LV.4・合鍵/カタログ通販Ⅴ LV.9/ディメンションエリアⅠハウス・Ⅱ箱庭・Ⅲ楽園/等価交換 LV.2/苗木生成 LV.2/聖女/ディメンションルーム LV.3/魔法の書生成 LV.1/変換吸収 LV.1/スキルの書生成 LV.1/種子生成 LV.1/転移の扉 LV.1


●エクストラスキル:専用会員カードキー発行/自動/連結・連動/余剰貯蓄/スキルボード偽装/即死無効/HP回復速度上昇 LV.2/命中率上昇 LV.4/熟練度上昇 LV.2/統合 LV.3/時間停止インベントリー LV.4


●スキル:アイテムBOX LV.7時間停止/生活魔法LV.MAX/ポーション生成 LV.5/採掘 LV.4/採取LV.6/探知 LV.6/地図 LV.6/鑑定 LV.5/隠密LV.6/薬師LV.5/暗殺LV.5/偽装 LV.3/土魔法 LV.2/風魔法 LV.2/火魔法 LV.3/水魔法 LV.2/闇魔法 LV.3/光魔法LV.2/身体強化魔法 LV.5/付与魔法LV.3/防御魔法 LV.4/凍結魔法 LV.3/幻術魔法 LV.3/回復魔法LV.2/空間魔法 LV.3/封印魔法 LV.2/結界魔法 LV.3/氷結魔法 LV.3/浄聖魔法 LV.4/輝炎魔法 LV.4/飛行魔法 LV.4


【カタログ通販Ⅴ LV.9】[45/45]

LV.10まで残り 10万pt/積立ポイント0万pt[上限2560万pt]

選択済み品目

●日用品 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ

●食料品 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ

●武具 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ

●防具 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ

●ポーション Ⅰ

●魔法の書 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ

●スキル Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ

●魔道具 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ

●食の木 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ

●特殊スキルⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ


【等価交換LV.1】お食事ポイントを魔水晶に等価交換

【等価交換 LV.2】未



 お〜我ながら凄いな、あっ、ややこやしくなるからユートの名前だけは隠しておこう。


「「「「「「「「「「何じゃこりゃ!!」」」」」」」」」」

「なっなっ何なんですかこれは!」

「スキルは想像できてましたが、エクストラスキルやギフトが多すぎです」

「HPは増量したのは知ってるが、変換率400倍!何じゃそりゃ」

「なあ、ギフトの最後の方の『スキルの書生成』『種子生成』『転移の扉』って神話に出てきた女神様のスキルじゃねーか?」

「「「「「「「「「「!!!!!」」」」」」」」」」

「まだユイルさんには秘密があります」

「「「「「「「「「「まだあんのか!」」」」」」」」」」

「ん?聖女「違います」…」

 珍しく被せ気味に否定されてしまった。

 考えたが、何の事だか分かんない。

「えっと、…なんかあったっけ?」

「肝心なこと忘れてますよ。ここにきた理由です」

「あ〜それね、スキルを利用されると思って隠してただけなんだけど。軍に追われてる原因として、実は自分、異世界人なんですよ」

「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」

 あまり反応が無い。言い方おかしかったか?

「は〜、私から詳しくお話しします。ユイルさんは『勇者召喚』によってこの地にやってみえた勇者様です」

 セルージュさんの補足が入る。

「「「「「「「「「「勇者様!!」」」」」」」」」」

「いやいや、『勇者召喚に()()()()()()やってきた人』だよ。ちなみに今、軍と一緒にいるのが本物の勇者達ね」

 口をあんぐりして、事実を知らなかったメンバーが固まってる。

「本題です。これらのスキルを隠して普通の商人やハンターでは無理があります。ですので私から提案です。他の大陸からきた王族一族だという設定にすることを提案します」

 セルージュの言葉に皆さん、意識が戻ったようだが不思議な顔をする。

「それで何とかなるものなのか?」

 アイゼルさんが俺の顔を見ながら心配そうにセルージュさんに質問する。

「細かな設定はここを出るまでに考えましょう。それにユイルさんだけじゃなくとも私達だけでも十分に目立ちます。多数の魔法を取得した段階で、一般人から既にとび抜けた才能をもっている集団となっています。勿論、装備品やポーション、どれをとっても既に小国なら既に2や3個買えるほどです。ならば一層の事、他国の王族一族として、それも海を超えた大陸ということにしておけば勘繰(かんぐ)る人物は少ないでしょう。それに、どこにあるか分からないほど遠方の国だろうが王族は王族、(ないがし)ろなど出来ませんし高額なものを売ったとしても怪しまれません。当初ではスキルなどは数は多いですが、レベル自体は低いので隠蔽すれば良いと考えておりましたが、気がつけば異常な速度でレベルが上がり続ける状態。また、商会設立後の販売物候補の品が全てが最高品質、最低ランクが高品質の品ばかりで、商会チームのサテスさん達とは、扱う商品に関しては未だに検討している状態です。お抱えのハンターがダンジョンで発見してくるダンジョン産とすればという案も有りましたが、出土するには量が多過ぎです。量を調節しなければ確実に怪しまれます」

 一気に語ったセルージュさんに一同は納得して頷く。

 なるほど×2。俺も頷く。

「それにユイルさんは女神の微笑みを持ています。実年齢じゃないと分かれば周りも対応が変わってきますし、このスキルを知れば納得されるでしょう」

 なるほど×2。確かに、中身はおっさんだ。


 この話は夜まで続けられ、そして脱獄したら俺は王族になるらしい。

 なるほど…なの??

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