只今、番外編です。〈罪の刻印〉
俺の腕に『罪の刻印』が刻まれた。
緑色は、偶発的に起こってしまった殺人。又は、他者に襲われ身を守る為にやも得ずの殺人行為をした者『後悔の印』
青色は、戦争や盗賊討伐などの戦い事に身を置き、生き残りを賭けての殺人行為をした者『暴虐の印』
赤色は、直接手を掛けてはいないが、人を苦しめ命を奪った者『暗君の印』
黒色は、己の利の為、快楽の為に他の命を奪った者『強奪の印』
緑は貴族のご令嬢以外はさほど気にされていない刻印だ。
青は兵士や騎士、冒険者などのにつく刻印。
赤は主に為政者に刻印され、統治者にとって本来ならば恥ずべき刻印だが、改善し正しく導けば薄くなる事から、濃い赤は恥、薄い赤は有能と表されている。
だが黒は違う。ただの犯罪者の刻印だ。
俺の腕に記されたのは黒『強奪の印』だ。
(なぜだ!アイツは生きているのに!どうして消えない!)
『強奪の印』があれば、貴族や王族であろうと穏やかな未来などは何処にも無い。待っているのは、よくて幽閉、病死として葬り去らせる未来だけだ。
周りの4人も『強奪の印』が消えていない事に気がついたようだ。
『勇者転生』でこの世界に連れてこられ、焦ったが、世話係に『罪の刻印』のことを尋ねたが、この世界には無いと分かり必要以上に隠す必要が無くてホッとしてしまった。
「昔、『強奪の印』を消すには死者の許しが必要だと聞いたことがあります。有名な死霊術士に死んだ者を呼び寄せ、許しを請い『強奪の印』を消したと聞いたことが」
「使用できるようになったアイテムBOX内に入っていました【簡単ガイドブック“初めての異世界生活”】によると、「時空を超えた衝撃での魂、身体などの破損を完全修復」されると書かれてます。もしや、そのタイミングで彼奴が生き返ったのかも知れません。明日にでも解除するように命じましょう」
そうだ、彼奴は生きている。ならば、この様な刻印をされる言われはない。
「では明日にでも命じて、この不快な刻印を排除しよう」
この言葉に周りの少年らは安堵の表情を見せ、用意された豪華な個室で眠りにつく。
明日、ユイルが監獄に送られる運命だとは知らぬまま。




