只今、異世界に召喚されました。前半
光が落ち着くと今度は薄暗い屋内のようだ。
起き上がり周りを見渡す。近くには俺をみてかなり動揺気味な少年達5人と、少し距離をとるような形でぐるりと囲うようにして甲冑を装備した兵士たちがこちらを見つめている。その中で明らかに装備が違う兵士、いや騎士が語りだす。
「よくぞ参られました異世界の勇者殿。まずは神から授かりし力【ステータス】ををお見せ頂きたい。水晶に触れながら『ステータスオープン』と唱えば表示されます。先に申しますが、もしも抵抗するようであれば今後の生活及び、命の保証は致しかねます」
怖いこと言いわれるなか、6名の兵士たちが大きな水晶を持って少年達と俺の前に一人ずつ近づいてくる。
騎士様の目がマジだわ、仕方ないここは素直に従っておこう。
言われた通り水晶に触れ「〈ステータスオープン〉」
名前:ユイル・モーニア(ユート) 12歳 HP 20/150 変換率 00倍
●ギフト:世界言語【クルオニア言語】/快適生活/カタログ通販【0/30】
●エクストラスキル:ー
●スキル:アイテムBOXLV.6(時間停止)/生活魔法 LV.MAX
ユイルって誰?12歳?()に俺の名前?ってかこれ卵ちゃんが説明してくれた【想定外転生】ぽいんだけど。
確かに目線がいつもより低く感じるし、差し出した手も小さくゴツくない。周りの兵士たちが全員が2m超えの巨人ばかりかと思ったが、自分と地面との距離がかなり近く、下を見ても少々出っ張ってた腹が無い。【一般転生】なら赤子からスタートだと教えてもらっている。
もしや、何かの衝撃で前世の記憶が戻った系か!だが周りの少年達の事も一切記憶がない。
他の少年達も渋々従いテータスを表示させていく、チラリと彼等のステータスを覗いてみた。
俺を含めて6人はやはり【想定外転生】のようだ。地面が光った時、この世界に渡ったのだろうが何故か俺だけ【変化率】と表示された欄が【00】となっている。
(卵ちゃん、想定外転生で渡されるスキルって3つって言ってたよなぁ)この場合、俺が引いたのは【アイテムBOX】【カタログ通販】と【スキルガチャ】であることが判明される。
【快適生活 LV.1】
なぜ【スキルガチャ】が『快適生活』だと解ったかというと、おっさんの勘だ。
嘘です。転生前に卵ちゃんに、もしも【スキルガチャ】引いたら何になるか聞いていたからだ。どうせ記憶が消されるならと、もしも話で質問していた。
「高確率で『快適生活』ですね。ちなみに同時に【セレクトギフト】を取得された場合は『ディメンションルーム』『自動』と『連結・連動』の取得するのがおすすめですよ」
俺を担当している兵士に「エクストラスキルにある【快適生活】【カタログ通販】とはどのようなスキルだ」と尋ねてきた。
オロオロしてたらステータスボードでのスキルの内容や説明が表示方法を教えてくれた。
まずは【快適生活】からだ
快適な生活が送れるようサポート
以上。とてもアバウトな答えだ。
今度は「発動してみろ」と言われてまたもやオロオロ。
発動方法を教えられ、言われるがまま起動してみると目の前が光り輝き1人用のベットやテーブル、椅子が目の前に現れた。
目の前のテーブルには液体が入った小瓶とメモが置かれており『涙ポーション お飲みください』と書かれてある。
無意識に手にとり飲んでしまった。
HPが回復して頭のズキズキも消えたのでよかったが、頭が光ったのはちょっとびっくりした。
よく見るとステータスボードの一番下に【お知らせ】と表示された文字が点滅している。後でこっそり一人で見てみよう。
次は【カタログ通販】だ
一冊の本が現れる。開くと不思議な事に何故かタブレットの様にスクロールでき、ページ毎に記載された項目には多くの品名が表示されている。
「おい、どうした。まだ発動できないのか!」
痺れを切らした兵士が怒鳴る。どうやらこの本は俺以外には見えてない様子だ。
じゃあこれでっと
『カタログにセットしました。変更はできません。よろしいですか YES/NO』
『YES』
目の前が光り、1冊の大学ノートが現れ石畳の床に落ちる。
「なんだ、これは」
「えーと、ノートです」
「のーと?」
「紙を纏めた物です。自分の魔力と交換で幾つかの商品が手に入るみたいです。ちなみにこれは魔力量100です」
どうやら品質は地球クオリティーのようだ。
(あ〜これ、アカンは〜)
只今、大広間で王様と宰相様に謁見中です。
「この国は魔人族に侵略され危機に陥っている」「魔人族の国は元々この国であった」「豊な土地を奪われ皆が耐え忍んでいる」「時空を超えた勇者達には特別な力が備わっており魔人族の討伐を」「討伐の暁には、貴族の称号もしくは、元の世界への帰還を約束」「帰還の魔法は今は魔人族の国となった地に残されている」と、ちょ〜胡散臭い三文芝居の説明を聴かされている。
「あの〜すみません」
「うむ。何だね」
一瞬、眉間にシワを寄せる宰相がこちらを向く。
「私のスキルでは大した事が出来ませんので、ここを出て市井でひっそりと暮らそうと思います」
しばらく沈黙した後
「今後のことは明日にでも説明致しましょう。今日はゆっくりと休まれよ」
そう告げると同時に俺だけが兵士に両腕をがっちり掴まれ、少年達と一緒に大広間から退室となった。
おかしい。
どう考えてもコレはおかしい。
外から施錠。おかしい。窓のない小部屋。カビ臭いベットとボロボロの毛布もどき。おかしい。
どう見ても物置部屋だよな。そして、うっすい塩味の水とカッチカチの黒パン‥‥この城、いや国から脱出は決定だな。
流石に見張は居ないようなので、まずはステータスボードのお知らせからを開く。あの後も数回お知らせの音が鳴っていた。
●【救命加護】の【世界言語】の一つが『未定』のままです。取得可能言語の中からお選びください。(有効期限無し)
●【救命加護】の【初期生活支援セット袋】が開封されておりません。【簡単ガイドブック“初めての異世界生活”】の閲覧をお勧めします。
●【救命加護】のランダム設定が重複しています。対策として【魔力出力補正】の追加を致しました。
●【救命加護】の【初期生活支援セット袋】が重複しました。【簡単ガイドブック“初めての異世界生活”】のみ【セレクトギフト】のポイントとして加算されます。(3pt追加)
●【救命加護】の【スキル取得機能】が重複しました。対策として【セレクトギフト】からスキルをお選び下さい。(6pt追加)
●【救命加護】の【セレクトギフト】からまだ選ばれておりません。スキルをお選び下さい。(合計19pt)選択有効期限1ヶ月
●【加護:快適人生】の補正がかかりました。【ギフト:快適生活】がにランクアップいたしました。
●【ギフト:快適生活】がにランクアップにより【薬箱】が追加されました。
●【ギフト:快適生活】がにランクアップにより【サポートメニュー】が追加されました。
ん〜、さっぱり分からん。なぜ【想定外転生】の重複?一般転生じゃなかったの?
まずは手がかりがありそうな【初期生活支援セット袋】を開封し『簡単ガイドブック“初めての異世界生活”』を読んでから考えよう。
概ね読み終えた。この世界のこと、この体のユイルのこと、スキルのこと、魔法のことなどざっくりと読んだ。
どうやら転生中に魂の抜け殻になっていた別世界の少年『ユイル』の体に入り込んでしまい、それと同時に、この世界の『勇者召喚』に巻き込まれという2回も【想定外転生】が発生したと。パチンコだったら確変演出みたいで嬉しいのだが。
なので前世の記憶戻った系ではなかった。
取り敢えず、この世界で生きて行く為にまずはステータスボードを開き早いとこ選択していく事にしよう。
『魔力出力補正』この世界ではMPというものが存在しない。代わりに『変換率』というものがHP(生命力)を『魔力』に変換して魔法やスキルを発動させており、HPが5を割ると生命維持のため一時的に昏迷状態に陥る。
変換率の数字が高いほど魔力が豊富に使用でき、スキルや魔法の効力や威力が増す為、数値が高い人物は極めて優秀とされる。
勿論HPも多いことも重要だが、年齢などで変動はするが一般人にあまり大差がなく、成人すれば男女共に250前後で、鍛えれば300ほどいく者も多いが、歳を取ったり病にかかれば数値は下がる。一部の種族や鍛えた武人クラスには500を超える者も中にはいると。
変換率は産まれた時より変動はほとんど無く一般人(ヒト族)で3〜5倍、10倍あればかなり優秀で世界最高峰は27倍らしい。ちなみに魔法が得意なエルフ族や魔人族は平均10〜15倍だそうな。
「確かあの少年たちは22倍とか25倍だったな」
そして俺は『魔力出力補正』を重複取得した事により20倍の20倍 脅威の400倍 おかしいだろう!!




