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只今、異世界潜伏中です。  作者: おのん
11/15

只今、監獄生活中です。7

 十二の月に入り、もうすぐ歳神月(としがみづき)に差し掛かろうとしています。お元気でしょうか。ユイルです。

 私とセルージュさん、アイゼルさん、それと若返ったクラフさんで11階層を目指しています。

 私自身が進まないと意味がないので頑張っております。

 特にクラフさん『アサシン』スキル持ちで俺を指導してくれてます。ちなみに、2本飲んで只今22歳で黒髪のキリッとしたイケメンです。

「どうせ戻らなければ年齢的にも死んだと思われるでしょうから問題ありません」

 そう言ってハウス内での生活を楽しんでおります。

 みんな羨ましそうに見ない。

 羨ましいと言えば、空間魔法には「時間停止ストレージ」という魔法があり、これはスキルではなく『空間魔法』の魔法で、『アイテムBOX』と『時間停止インベントリー』の合いの子の様な仕様となっており、時間停止で種類の制限無いが、容量はアイテムBOXと比べたらかなり小さめで、スキルとの違いは中身が確認できる一覧ボードなどは出てこず、呪文が必要なので直ぐに品を取り出す事は出来ないが、時間停止のスキルは元商人のサテスさん達にとっては垂涎(すいぜん)の的で皆さん「「「「次は空間魔法だ」」」」と張り切ってます。

 『空間魔法』取得した事でスキルである『アイテムBOX』と『時間停止インベントリー』のレベルが上がりました。

 なかなか上がらなかったアイテムBOXのレベルが上がったのは嬉しい誤算です。

 他にも検証したいスキルや魔法が多いですが、セルージュさん達も協力してくれるので、効率良い魔法の習得を考えています。


 最近「ハウス」内が賑やかです。はいとっても、もー勘弁して欲しいほどに。

 理由は分かってます。メンバーに二人のドワーフが入ったことが原因です。


「これはどう言う仕組みじゃ!」

「知りません。スキルなんで」

「まだポイント貯まらんのか!」

「まだしばらくかかりますね」

「「魔道具品目解放が楽しみじゃのー」」

 るんるんなドワーフ族のドイールス(通称:ドイ)とルワドール(通称:ルワ)。

「家名は国を出た時に捨てた」とちょっとかっこいいセリフを言う二人は鍛治ではなく魔道具愛がハンパないです。

「すみません。まさかあんなに賑やかな方達だとは思っていなくて」

 紹介したサテスさんやセルージュさんまでが申し訳なさそうに謝ってきた。

「いえ、壊れたツルハシの修理が必要だった事ですし、確か前に会った時は寡黙なドワーフだったと私も記憶してます」

 身体強化魔法で強化した状態でツルハシを使用すると壊れてしまう。商人さんが居なければ新しく購入が出来ない。【カタログ通販】には残念ながらツルハシは存在しなかった。

 壊れた武器が出たらどうするかと聞いたらみんな「ドワーフに頼んで直してもらう」との事だった。

 ただ、数が多いとどこからか噂が広がり、目をつけられてはと思い皆で話し合った結果、問題ない人物だっから早めに引き込もうという結論に至った。

「剣の修理を頼んだ時、もっと寡黙だったはずだが」

 アイゼルさんの言葉に皆が頷く。頷くと言うことは、今まではそうだったということだ。

 この二人に一体何が起こった!

「元々ワシら二人は魔道具職人じゃ。武器の修理ぐらいはできるからしておっただけじゃ」

 はい理由がわかりました。大好きな魔道具品がいっぱい。更にそれがみたこともない物ばかりだからついははしゃいでいるんですね。

 つまり『魔道具品がいっぱいじゃ!!祭りじゃ祭りじゃ!ドワーフの血が騒ぐぞ!!ドンドコ!ドンドコ!』状態の様だな。

 二人には「これから取得する魔道具に必要な魔水晶を出来るだけ多く確保したいから、ツルハシの修理は周りに気づかれないように直して欲しい」と依頼したら。

「報酬は購入した魔道具見せろ」だった。

 部屋割りも人が増えた関係で穴部屋のように同室にしてもたった。生活のストレスが少なくなったことで、【快適生活+α】のレベルが上がらなくなりレベルは17のままだ、生活が安定したと言えるが…

 個室は17部屋だが、部屋の広さはなどは調節できるので問題はない。

「皆この生活で充分だと思ってますよ。寒さで凍えることもなく美味しい食事も取れて、更に貴族のような立派な湯殿が使え、立派なベッドまで使用できる。部屋が同室になるなど誰も気にしてませんよ」

 セルージュさんに言われたが可能な限り改装してみる予定だ。

「そろそろ一度帰った方が良い頃合いだ、あまり潜り続けると死んだと思われてしまう」

 アイゼルさんの意見でみんなで1階層に戻る事にした。


「なっなんじゃこりゃ!!」

 部屋が荒らされている。これでもかと言うほどに…酷い。

 泥棒ではない、明らかに違う。だって盗むなら道具を壊すことはない。そんな事したら商人さん達が帰って来るまでポーションが手に入らなくなる。つまりそれは自分の命を縮める事に直結する。更に

「俺のベッドだけが切り裂かれてる」

 そう、俺のベッドだけがズタズタに切り裂かれていた。

「ピンポン」久々のお知らせの音がなったが、今は見る気がしない。

「…ちょっとケイルさんとこ行ってきます…」

「俺も着いて行こう」

 アイゼルさんが同行してくれた。

 セルージュさんは部屋の片付けをしてくれるそうだ。

 二人ともありがとう。


「お久しぶりです。ケイルさん」

 詰所では丁度ケイルがおり、仲間と一緒に暖を取っていた。

「おう久しぶりだな!どうした?元気ないじゃねぇか」

「実は私の部屋がぐちゃぐちゃに荒らされて、ポーション作る道具まで壊されて…」

「何だと!おい、今日の巡回当番誰だ!」

 暖をとってる仲間に問いかけた。

「俺だが。今日の昼間の巡回時、怪しいヤツや大きな物音はしなかったぜ」

 当番者が返事をする。

「どこのアホだ!ポーション盗むならまだしも、春になって商人が戻ったとしてもポーションなんて直ぐに手に入んねぇってのに、自分の首絞めることになること分かってねえのか!!」

「とりあえず、今持っているポーション卸しますね。簡易の道具で作れますが量が出来ませんし、特に材料もグチャグチャにされたのでしばらくは作れません」

「仕方ねぇ、分かった。だが日中の犯行か!?大胆な奴だな」

「あっいえ、昨夜かもしれません」

「?じゃあお前何処にいたんだ?!まさかこんな寒い中外で寝てたんか!?」

 あっしまった。この時期は誰も階層突破はしなんだった。

 草原エリアですら、突破するのならかなりの装備と準備が必要で、冬の初めか年明けしか行わない。

「昨夜は俺の部下達の部屋で話し込んでそのままダンジョンに潜ってしまったんだ」

 アイゼルさんナイスフォロ!

「それで今日帰ってきてか。それにしてもバカな奴だぜ、収容所のヤロー共全員を敵に回したな。見つかったら生きてはいねぇな」

「ええっ確かにポーションは重要ですが。全く無くなったわけじゃないですし」

「確かにポーションは重要だが、もう一つあるだろ」

「え?もう一つ??」

「食堂の奴らの湿布や手荒れ用クリームもあるが、化粧水だよ!化粧水。女衆を敵にしてみろ!犯人のせいで化粧水が作れないなんて知れたら…そして、その犯人見つけたやつは色街でヒーロー扱いだぜ!躍起になって探すやつも出てくるぞ」

 悪い微笑みを浮かべ俺の肩を叩くケイルさん。なんか楽しそう…


 ポーションとお酒を手渡し穴部屋に帰る。食堂に行ってセナルトさんに会おうと思ったが今日はやめておこう。

 部屋に帰ると粗方片付けは終わっていた。

「ありがとうございます。片付けしていただいて」

「皆さんの所は無事だった様ですよ」

 やはりね。思い当たるのはガナスかガナス2号。いや、ガナスなら道具は壊さないはずだな。

 もし、ガナス2号関係者以外の人物だったらショックかもしれない。


 使えなくなったベッドの干し草や薬草などを処分するためアイテムBOXに収納していると、ケイルさんがやって来た。

「おおこりゃヒデーな。お頭が道具は役人に伝えておいたから一番早い便で届きそうだ」

 俺の自慢のタペストリードアも切り刻まれウチにドアが無くなって丸見え状態に。

「流石にお頭も怒ってたぜ。それと、もし食の木を見つけたら出来るだけ採取して卸してくれ」

「食料が足りないんですか?」

「いや、今はいいが王国の様子が何かきな臭い感じらしいから、用心の為だとお頭が」

 お頭達はトール爺さんの畑が何者かによって壊滅的に破壊された事を知っているから俺に話が来たんだろう。

 トール爺さんの事件を聞いた役人の顔が、一気に青ざめていったと聞いている。

 『全部燃やされちゃったんで、半年以上は食の木の苗木は卸せません』byトール


「分かりました。出来るだけ集めてきます」

「助かるぜ。お前、ゴブリン並みに鼻が効くからな」

「…………」

 分かってる。分かってるよ。この世界では「犬並みに鼻が効く」の意味で、犬がゴブリンに替わってるだけだと。理解してるけど、だけどね、何か嫌!


 仮のドアもどきを取り付ける。寒いし落ち着かない上『ハウス』に入るの丸見えになる。


●【加護:快適人生】の補正がかかりました。【ギフト:快適生活+α】に【合鍵】が追加されしました。現在の本数は19です。【快適生活+α】のレベル数に比例します。指定エリアの一つと繋がり、通行許可:不要にすればどなたでも出入り可能。出入り場所は最終開扉地点。


 【快適生活+α】がLV.19になっていた。

 この【合鍵】も『連結・連動』スキルの影響か『ハウス』は外から直接繋ぐ事は出来ない。

 だが、『ハウス』から『箱庭』へは繋ぐことができた。

「そんな訳で、皆んなには『ハウス』と『箱庭』に繋ぐAの鍵に通過許可しておくね。これは基本ずっと繋げっぱなしです。許可がないと通る事ができない仕組みなので万が一、箱庭に誰か入ってきても『ハウス』までは入れません。Bの鍵はグループ毎に渡しますので『ハウス』に行くには『箱庭』に経由でお願いします。『箱庭』は緊急時の外部者の一時避難場所として使う予定なのでよろしくね」

 皆んなが心配して集まって来たので、出来たばかりの合鍵Bを穴部屋毎に渡しておく。

「最後に開いた所からしか出入りできないので気をつけてね」

 裏技は、他の人の合鍵から出て新たに開けば移動が可能。


合鍵 A(1本):『ハウス』と『箱庭』を繋ぐ 通行許可:必要

合鍵B(8本):外界と『箱庭』を繋ぐ 通行許可:不要


「秘密の場所にも繋げておく予定だから」

 そうトール爺さん達が以前から使用していた『秘密の場所』とは、2階層入り口を出て反対側、つまり3階層へ向かう方向とは真逆のエリア。

 崖下の切れ目が2階層の入り口になっているから、まさか崖の上や更に奥が存在しているとは誰も思っていなく知られていない穴場だ。

 元々2階層は初めて来た収容者が通るか、汚れ落としに川で水浴びするぐらいで利用者が少ないエリアだ。

 そんな秘密の場所に食の木を育てようと思っている。

「お頭がそう言ってるんじぁ間違いないのぉ。あの外見じゃが先見の目は確かじゃからのお」

 うん。確かに()()()()()()()目先は効くし交渉も上手い。()()()()()()()紳士的だ。

 前世、50年は生きてきて思うが、人は外見だけじゃないとは言ってるが「やはり見た目だ」と思われるシーンの方が多い。こちらに来てからの方が実感できる『人は見た目じゃない』って。でも人間だもの思ってしまう。

 あのお頭の外見で!って。

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