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第84話 できたての扉と、変な性癖に目覚めそうな漆黒の胸当て

朝一番の、トカゲ娘たちによる『序列繰り上げ全裸天丼大騒ぎ』による突撃を、巨大な黒の王としてのチート筋力で5頭連続で大穴から廊下のガレキの山へと豪快にブン投げて完全排除し、その後ベッドにダイブして貪った二度寝からスッキリと目を覚ました、昼前のことだ。


俺(トカゲ姿)は、人間の村へのお買い物デートへ出かけようと、部屋のトビラの大穴に足をかけた、まさにその数秒の瞬間のことだった。


「お待たせいたしました、マモル様! やっと最高の防魔仕様で、できたての新しいトビラが完成しました! 今からバチッと直しますね!」


廊下の向こうから、カンカンキンキンと工具を鳴らしながら、大工のリザードマンたちがピカピカの新調ドアを抱えてホワイトな出勤をしてきてくれたのである!


俺は人間のトカゲ姿のまま、広場の真ん中で大号泣のガチの感涙を流して天を仰いだ。


(う、うわあああァァァーーーッ!!! 大工のトカゲども、マジで愛してるぞォォォ!!!これで、これでもう毎朝早朝から服を脱ぎ捨てたデメトちゃんやエルシエラたちが『朝の交尾ですわ♡』って大穴から不法侵入してくる、あの逃げ場のない恐怖のデッドゲームから、100%完璧に解放される防衛線が戻ってきたんだな!!!)


俺はできたてのドアを何度も愛おしそうに撫で回すと、これまでのすべての不法侵入ストレスを綺麗に初期化し、これ以上ないほどウキウキのご機嫌笑顔のステップで人間の村へと向けて出勤していったのだった。



――そして、太陽が真上へと昇りつめた、今日のお昼時のランチタイム。


人間の村のいつもの馴染みのカフェのテラス席に俺が腰掛けた、まさにその時だった。

包帯ぐるぐる巻きの満身創痍姿のアリアちゃん(ミイラ姿)が、丸一日ぶりに、目の下に真っ黒なクマを作って、引きずる包帯をボロボロにさせながら這うように乱入してきたのだった。


「マ、マモル様……。ボク、一晩中寝ずにマモル様のウロコを24時間カンカンキンキン加工して、血反吐を吐きながら完成させて持ってきたよぉぉぉ!!!眠すぎて魂が光の彼方に昇天しそうだよぉぉぉ!!!」


アリアちゃんはハァ……ハァ……と泡を吹きながら、テーブルの上に特注魔道具をジャラァンとドロップした。

そこに並べられていたのは、俺の漆黒のウロコを精密に加工した、特注の美しい魔導杖、そして【触れただけであらゆる不純な魔法を100%自動で跳ね返す、漆黒の美しき胸当て(ブレストプレート)】だった!


天才大賢者アリアちゃんのプロの過労死魔導残業のクオリティに俺が魂の底から大感動している、その直後のことだった。


「マモルさァァァーーーっ!!! 会いたかったですわマモルさんッ!!!♡(※残業部屋から命がけの大脱走)」


昨夜、ドラゴンの生首サプライズで白目を剥いて失神し、タイア隊長に兵舎へ強制連行されたはずのキアラちゃんが、隊長の一瞬の書類整理の隙を突いてテラス席へ乱入してきたのである!


俺は驚きながらも、「キ、キアラちゃん落ち着いて! これ、俺からの愛のサプライズプレゼントだよ!♡」と、さっきアリアちゃんがドロップしてくれた【黒ウロコの杖&胸当て】を差し出した。


キアラちゃんは、あらゆる不純な魔法を自動で無効化して跳ね返すというその漆黒の胸当てを見つめるなり、チョロインヤンデレバフを大点火させて、その場でさっそく私服の上から「漆黒の胸当て」をギチギチに装備したのだった。


「はふぅぅぅ……っ♡ マモルさん……! この絶対に不純な誘惑を許さないカチカチの胸当ては、つまり……『お前の貞操(純潔)は俺が守る。だから結婚するまで他の奴らに触らせるな』という、マモルさんからの熱く一途な独占愛のメッセージですのねェェェーーーッ!!!♡」


胸当てを両手で愛おしそうに抱きしめ、顔を大赤面させてトロンと悶絶しているキアラちゃんを見つめながら、俺の脳内は新しい意味での特大の戦慄に襲われてガタガタと震え出した。


(いや違うんだキアラちゃん!!! 俺、そんなヤバい不純なメッセージは1ミリも込めてねぇよ!!!日頃の夜間警備の感謝を込めて純粋に実用的な杖と防具(※ただし中身は2億円のウロコ)をプレゼントしただけなのに、なんで『お前の貞操は俺が守る』っていうガチの独占愛として脳内上書きされてんだよォォォ!!!

――だけど、知らずに俺のウロコを胸元にギチギチに装備して、そんな熱い勘違いメッセージに大興奮して悦んでるこの異様な絵面……。あかん!!!爬虫類アンチのはずの俺だけど、中身は健康な18歳の男の子だから……自分のウロコをまとった美少女にムラッときて、何だか俺、この極限状態で【変な斜め上の新しい性癖】に目覚めそうじゃねぇかァァァ!!!(※リアルなチェリーの理性のバグ大パニック))


俺が人間の姿のまま新しい性癖の扉を開きかけてガタガタ震えている、その瞬間のことだった。

お昼のテラス席の外から、胃薬をバリバリ噛み砕いたタイア隊長が、殺気立った覇気を放ってぬっと現れた!


「……おいキアラ。アタシに書類仕事を全部ぶん投げて大脱走したと思えば、何を新しい防具を装備してテラス席でイチャついてやがる(笑)。――ほら、それ着たままでいいから兵舎の隔離執務室に戻るよ! この前の爆心地の調査報告書、お前の字が興奮しすぎて汚くて、アタシの胃が痛すぎて1文字も読めねぇんだよバカキアラ!!!(※書類残業の恨みパワーでのガチの再連行)」


「あーーーっ!? 待ってくださいタイア隊長!! 離してくださいまし!! 私は今すぐマモルさんの胸当てのお礼のキスを執行しなければいけないのですわァァァーーーッ!!!(※じたばたと足をバタつかせながら街道の闇へズルズル引きずられていくキアラ)」


(タイア隊長が残業の恨みパワーでキアラちゃんを2日連続で強制連行してくれたおかげで、俺の変な性癖大バグの危機からは大勝利で解散したけど――だけど!! タイア隊長がさっき文句を言って愚痴ってたあの爆心地の調査報告書、他でもない俺があの還暦おばあちゃん(リザ)を2連続で隣国まで特大ホームランしてただけの犯罪現場だから、自分の事件の報告書の説教を目の前で音読されるの、ガチで生きた心地がしねぇわァァァ!!!)


俺の隠密スローライフは、大集落のドアは無事に直ったものの、キアラちゃんが「魔法無効化カチカチの歩くヤンデレ完全要塞」へと上書きアップデートされ、もはや誰もコントロールできない新ステージの荒波へと、容赦なく突き進んでいくのだった

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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よろしくお願いいたします!

(次回更新:明日18時40分!)

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