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第66話 給水器の背後霊と、お留守番ツンデレの全裸ローテーション

「わかりましたマモル様ぁ……! ボク、世界平和のために、給水器の前で完全に油断しているあの戦闘狂の背後から、命がけで『髪の毛1本』を毟り取って回収してきますからァァァーーーッ!!!」


人間の村のいつもの馴染みのカフェのテラス席。

なんとか朝の人間砲弾の気絶から復活した大魔導師アリアちゃんは、俺(人間姿)からお買い物感覚の軽いノリで髪の毛の素材剥ぎ取りを再発注され、包帯ぐるぐる巻きのミイラ姿のまま涙目をダラダラと流してリザさん(中身還暦超え)の無防備な背後へと隠密接近(特攻)を開始した。


アリアちゃんがガクガク震える前足を伸ばし、のんきにアイスコーヒーを飲んでいるリザさんの黒髪に、指先が触れるか触れないかの――そのコンマ数秒の瞬間だった。


ドゴォォォォォォンッ!!!!!


「ひえええええええ!?!?(※アリアちゃんの2連続の人間砲弾絶叫)」


リザさんは後ろから迫るアリアちゃんの決死の気配を、隣国最強の戦闘狂レーダーによって条件反射で瞬時に感知。ノータイムのバックブローから放たれた暗黒カウンター重力波が炸裂し、ミイラ姿のアリアちゃんはカフェの天井を突き破るほどの音速のスピードで、本日2回目のホームランをキメられて吹っ飛んでいったのだった。


「あ、ごめんごめん! 異世界の戦場を潜り抜けすぎてさぁ、後ろに立たれるとつい身体が勝手に暗黒魔法で自動カウンターしちゃうんだよねぇ」


(背後判定無効のチート持ちかよォォォオオオ!!!(※秒速の心の中のツッコミ)

アリアちゃん、隣の国から人間砲弾で俺の部屋のトビラを粉砕して帰ってきて2時間しか経ってないのに、今度は村のカフェの天井まで殴り飛ばされて白目剥いてガチ気絶してんじゃねぇか!!!)


天井からドスンと落ちてピクリとも動かなくなったアリアちゃんを抱きかかえ、キアラちゃんが「師匠ぉぉぉ!!! 一体何なんですのその理不尽な武力はァァァーーーッ!!! 」とガチの心配で大パニックを起こしている横で、中身が還暦を過ぎて世盤の修羅場をわきまえているリザさんは、さすがに気まずそうな顔(おばあちゃん面)をした。


「いや、ほんとにごめんねお嬢ちゃんたち。他意はなかったんだよ。これ、アリアの最高位の治療費(大人の解決金)だからさ。お詫びにこれで美味しいクレープでも食べさせなさいな」


リザさんはテーブルの上に結構な金額の金貨の山をドンッと置くと、おばあちゃん特有の恐ろしいフットワークの軽さ(※ガチの気まずさ)で、村の市場の闇へと逃げるようにサササッと立ち去って行ってしまった。


「マモルさんごめんなさい、私、今すぐ師匠を分隊の特級治療院に連れて行きますわっ!!デートはすっぽかされてしまいますが、お身体を冷ますための『おやすみ溺愛キス』の続きは、また今夜の夜デートの時にたっぷり濃厚におねだりさせていただきますわね……っ!!♡」


キアラちゃんは気絶したアリアちゃんを背負い直すと、防衛隊の神速のダッシュで村の病院へ向かって爆走していった。


カフェのテラス席に、ポツンと1人きりで残された俺。

(……あかん、髪の毛の回収は100%大失敗に終わったし、キアラちゃんには『今夜また濃厚キスね♡』って恐ろしいハルマゲドンの約束をガチガチにロックされたし、俺のお昼の変身枠の残り時間は誰もいなくて究極に暇だし……)

俺はトボトボと寂しく人間姿のまま、リザードマンの大集落(トカゲ村)の我が家へと帰宅したのだった。


今朝アリアちゃんが隣国から人間砲弾として突っ込んできたせいで、俺の部屋の入り口はトビラが粉微塵に吹き飛んで、ポッカリと最悪な大穴が空きっぱなしで防犯性ゼロに戻っている。

俺がため息を吐きながら大穴から自室に入ると――。


「…………(※フシュゥゥ、フシュゥゥゥ♡と、しなやかに長い尻尾を揺らす重低音の鼻息)」


見ると、俺のベッドの上には、ゴツゴツした本来のツンデレ緑トカゲ姿のまま、我が物顔で不法侵入して占拠しているゼフィラが、当然のようにお留守番侵入していたのだった。


「あ、マモルおかえりッ!! エルシエラからの連立方程式のローテーション(完全予約制)の取り決めに則って、2日目の今日はアタシの産卵予約の番よッ!!昨日はエルシエラが力任せに組み伏せられて大敗北(格闘稽古大嘘)したらしいけど、アタシはあんなポンコツ白竜みたいにヤワじゃないわよッ!!」


シュゥゥゥゥウウウ……ドカン!!!


ゼフィラはルビーの瞳のハイライトを完全消滅させ、「マモルは人間の姿の全裸のほうが好きなのよね!? だったらアタシも衣服の魔力をゼロにして20個産んでやるわよッッッ!!!♡」と確信犯であえて衣服の魔力出力を完全にゼロ(全裸指定)のチェックマークを入れて変身。まばゆい光のポップアップと共に、服の概念をすべて光の彼方へ置き去りにした、ありのままの完全なる全裸姿のツンデレツインテ美少女へと大変身してベッドの上で両手を広げてきたのだった。


(エルシエラの次は、お前がそのツンデレの皮を脱ぎ捨てて『産卵予約ローテーション』を律儀に守って全裸で待ち構えてんじゃねぇよ緑トカゲェェェ!!!俺はキアラちゃんとのキス我慢耐久レースを今夜も死ぬ気で1日目からやり直さなきゃいけないんだよ!!!)

俺のチェリーの貞操観念の怒りと疲労が限界に達し、2.5mの最強のリザードマン(黒の王本体)のチート筋力を朝に続いて2連撃目で完全暴発させた。


今回は、今朝直ったばかりのトビラなんてものは最初から存在しない!!

俺はベッドの上の全裸のゼフィラの身体を、怒りで白目を剥きながら両前足でガシッ!!!と力任せに抱きかかえると――。


「フシュゥゥゥーーーーーッッッ!!!!(※トビラがないならなおさら、この大穴から廊下の外のガレキの山へ向けて、ノータイムで直撃物理パージィィィ!!!)」


ブォォォンッ!!! ドササササッ!!!


「きゃあああっ!? マモルのこのアタシを容赦なく大穴からガレキへブン投げる最強の野生の男らしさ、最高にツンデレ心がバグり散らかしてときめいてしまうじゃないのォォォ……ッ!!♡(※ガレキの中でトカゲに戻りながらガチ恋バフ限界突破)」


(ガレキの中で緑トカゲに戻りながら熱いガチ恋バフを這わせて覗き込んでくんじゃねぇよ!!! カーテンの代わりにガレキの山でも積み上げて入り口を完全封鎖しろォォォッ!!!)


俺はベッドへダイブして毛布に頭まで深くくるまり、4日連続の「1日目」をやり直す絶望のなかで特大の不貞寝をキメた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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よろしくお願いいたします!

(次回更新:本日18時40分!)

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